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いわゆる『無印』M6搭載MacBook Proは今回も賢明な選択か?【先行レビュー】

いわゆる『無印』M6を搭載したMacBook Proが、10月27日に発表され、明日11月6日に発売される。そのMacBook Pro(M6)を数日先行して貸し出しを受け、レビューする機会を得た。歴代、MacBook Proの最下位モデルは、購入の判断に熟慮の必要なモデルだ。ある時はMacBook Airとほぼ同じ内容で購入すべきではなかったり、逆に上位MacBook Proに肉薄していてお買い得だったり。今年のM6はどうなのか? 筆者は購入を検討しているので、慎重にチェックしてみた。

(パッケージ内容はほぼ前モデルと同じ。ボディ同色に揃えたケーブルと70Wのアダプターが付属する。今回の取材機は、16MBメモリ、1TB SSDで、33万9800円という一番安価なモデル)

アップル秋の新製品祭り。MacBook Pro PROLED XDRを個人的視点で考える

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2026年10月29日

現在の無印MacBook Proはお買い得

現行のMacBook Proのボディが登場したのは2021年10月のMacBook Pro(M1 Pro/Max)から。ただし、M1〜M2世代の無印MacBook Proは、旧来の13インチモデルのボディを使用していた。

現行の、Touch Barを持たず、MagSafe 3、HDMI、SDXCカードスロット、Liquid Retina XDRディスプレイなどを備える14インチ筐体に統一されたのは、2023年10月のMacBook Pro(M3)から。この(当時の)上位モデルと同じボディは、ポートが多いだけでなくディスプレイも高級なXDRディスプレイを備え、フォースキャンセリングウーファーを備えた6スピーカーサウンドシステムを搭載しているから、MacBook Airよりも質感はだいぶ高い。

同じ『無印Mチップ』を積むとはいえ、ファンレスをコンセプトとするMacBook Airと違い、冷却ファンを持つので、夏場の長時間高負荷使用などへの耐性も高い。

もちろん、処理能力はMacBook Pro(M5 Pro/Max)や、MacBook Pro(PROLED XDRディスプレイ搭載)の方がはるかに優れているが、現在のMシリーズチップの処理能力を考えると、 無印M6チップでも多くの作業は十分にカバーできる。もちろん、ローカルでLLMを動作させるとか、VFXや、映画音楽、アプリ開発を行うとか、科学技術計算を行うとか、そういう特殊な用途であればM5 Pro/Maxチップが必要ではあるが、よほどのことがない限り無印Mチップの性能で足りないということはなくなってきた。

つまりは、多くの場合『無印で十分』なのだ。

また、新しいMacBook Pro(PROLED XDRディスプレイ搭載)も気になるところだが、新たにAdobe RGB対応となったPROLED XDRディスプレイやタッチパネルが必要かというと、これもユーザーは限られる。実際に触ってみるまではなんとも言えないが、これを必要とする人も多くはないように思える。

筆者のようにウェブの仕事が中心だと、いくら手元できれいなディスプレイで見ても、読者のみなさんのディスプレイが同レベルでないと意味がない(と、今のところは思っている)。紙の印刷物や、特殊なクリエイティブを行う人はその限りではないと思うが。

ちなみに、無印MacBook Proは14インチのみ。16インチはラインナップされない。

CPU性能は24%、GPU性能は30%アップ!

というわけで、まずはGeekbench 6とGeekbench AIにかけてみた。ちなみに、最新版はGeekbench 7なのだが、7をかけたところで筆者の手元に比較対象の数字がないので、今回の記事ではGeekbench 6とGeekbench AIの数値で比較する(Geekbench 7は、将来のために計測しておいた)。

比較対象として俎上に上げてみたのは、永遠のベンチマークであるMacBook Air(M1)、筆者が今も使っているMacBook Pro(M1 Pro)、ひとつ前の世代のモデルとなるMacBook Pro(M5)、現在買える最も安価なMacであるMacBook Neoの4機種だ。

数値は見ての通りだが、おおまかに言って、M1と比べると2〜3倍、M1 Proと比べると2倍以上の性能向上であることが分かる。この世代のモデルとなると買い替えると大きな性能向上を体感できるはずだ。

当然のことながら、現行機種の中でももっとも安価なMacBook Neoと比べても性能差は大きい。

一番気になる前モデルのMacBook Pro(M5)との比較を細かく見てみよう。ちなみに、現行のMacBook Air(M5)も同程度の性能を思っていい(MacBook Airはファンレスなので、暑い環境で長時間ヘビーな演算をすると熱ダレする可能性はある)。

コア単体CPU性能は約10%向上している。これが、M5→M6の性能向上分になるはずだが、これがPerformanceコアの性能と、Superコアの性能を比べていることになるのかどうかはよく分からない。マルチコアでの総合的な処理能力は24%向上しているが、そもそもコア数も2割増えているわけだから、これも当然と思えるが、詳細は不明。

メタルでのGPU性能は30%も向上してる。こちらもコア数が2コア増えているので、コア単体の性能向上を反映しているわけではない。それでも、総合的に考えてCPU性能は24%、GPU性能は30%増加しているのだから、M5とM6の性能差は『かなりある』と考えていいと思う。

さらに、Neural Engineは単精度で28%、半精度で46%、量子化で39%も性能向上しており、デュアル16コアになった効果は大きい。とりわけ半精度は、画像認識、画像生成、音声認識、量子化はオンデバイスAI、つまりApple Intelligence、リアルタイム翻訳、文字起こしなどの性能向上に効果が大きく、アップルがApple Intelligenceを中心としたローカルAI処理の性能向上に注力していることがよく分かる。

ちなみに、OllamaやLM Studioなどで動かす量子化LLMはGPUを使うことが多いので、ここの性能はあまり関係がない。いずれにしてもMacBook Pro(M6)では、ごく小さなLLMしか動かせないが。

全体として、ベンチマークで見る限りでは、M5→M6はかなり大幅に性能向上しているが、CPU、GPU、Neural Engineともコア数を増やしているので、ProやMaxモデルになった時に、同コア同士だと世代ごとの性能向上がこれほど大きいかどうかは再検証の必要がある。コア単体の性能向上が大きく図れなかったから、コア数を増やしたのかもしれない。コア数を増やすことで性能向上を図れるのはApple Siliconの設計のメリットではあるし。

SSDはそれほど速度向上していないが、十二分に速い

Blackmagic Disk Speed Testで、SSDの速度も測ってみた。

3度計測しての平均は書きこみが6471.9MB/秒、読み出しが6689.2MB/秒。十二分に高速だが、M5のモデルと大きな差はない。

去年、MacBook Pro(M5 Max)の4TB SSDを試した時は1万2000〜1万3000MB/秒という途方もない数値が出たが、これがM5 Max搭載製品に限った話なのか、アップルの使う4TB SSDの性能なのかは分からない。もしかして、MacBook Pro(M6)でも4TB SSDを搭載すればこの数値が出るのかもしれないが、とはいえ追加予算は27万円……。

Wi-Fi 7、Bluetooth 6など、細かい部分でも改善あり

冒頭でも述べた通り、現行モデルで無印とはいえ、MacBook Proを選ぶメリットは最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジーを使えるLiquid Retina XDRディスプレイ、フォースキャンセリングウーファーを備えた6スピーカーなど、映像と音において優れているというメリットもある。また、引き続きポート類が充実しているというのもメリットだ(ただし、上位モデルのThunderbolt 5に対して、無印はThunderbolt 4)。

MacBook Pro(M5)との細かい差違を洗い出しておくと、最下位モデルのSSDが512GBから1TBになったこと、N1チップの搭載によりWi-Fi 7、Bluetooth 6、Threadに対応するようになったことが新しい。実用上、あまり変わらないとも言えるが、新しい規格に対応しているというのは、それだけ長い間メリットが得られるということでもある。

どれを買っても高いので、悩ましい……

さて、ここからは実際に購入を検討している筆者として、本気の話(笑)

前回も述べたように、筆者の希望するスペック(13インチ、もしくは14インチで、メモリ32GB。ストレージ2TB)だと、MacBook Air(M5)13インチだと、44万0800円、MacBook Pro(M6)だと50万1800円、PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro(M5 Pro)だと58万9800円(ただし、メモリは24GB。48GBにすると69万7800円)。

アップル秋の新製品祭り。MacBook Pro PROLED XDRを個人的視点で考える

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性能がかなり向上しているとはいえ、無印のMacBook Pro(M6)で約50万円はかなりツライ。安く抑えようとMacBook Air(M5)にしても約44万円。

2TB SSDにするから高いのだが、経験上、外部ストレージに頼ろうとしてここを減らすと(過去の蓄積が多いこともあり)、困ったことになる。

Mac miniの2TBを買って、それを家に置いて、持ち歩きはMacBook Airのストレージの小さいもの……という手もあるはずだが、2台運用は、筆者の使い方では結局面倒(今も、MacBook Neoを持っているが、結局MacBook Proを持ち歩いてしまっている)。

どうせ、長期間使うなら、50万円にさらに約9万円積んでPROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro(M5 Pro)にした方が長期間使えるかもしれない……が、24GBメモリーが不安。48GBにするとさらに約10万円オン。

すべては、半導体価格高騰と、円安が悪いのだが、あと1〜2年のうちに解消する見通しも立たない。とりあえずは、PROLED XDRディスプレイ搭載MacBook Pro(M5 Pro)の実物を見てから考えるか……それとも、このままあと1年頑張るか……というのが、現状の思いだ。実に悩ましい……。

資金に余裕があれば、こんなに悩まなくても済むのかもしれないが……。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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