毛織物の街に現存する英国トラッドの始発点
英国北部の自然豊かな街・ヨークシャー。19世紀以降は、羊毛・毛織物産業の一大拠点として発展したこの地で1873年に創業した「ムーン」は、原毛から紡績、染色、織布を一貫して行う最古のファクトリーだ。同社の作る生地は大きく3種類に分けられる。ストールを中心とする自社ブランドのアイテム用、インテリア用、名だたるトラッドブランドへの生地の納品用だ。
ニュージーランド産のピュアウール、南アフリカやチリなどを産地とするメリノウールなど、最高品質の原毛を染色、紡績する。そして、自動通し込み機と呼ばれる、製織前のタテ糸を準備する機械に、生地のパターンに合わせた色の糸をセットし、その後織り機で丁寧に製織する。
生地が織り上がった後の工程も細かく、アイロンプレス、ブラッシング、洗い加工など、プロダクトに合わせた最後の仕上げが行われる。そのすべてを一拠点で完結させているのだから驚きだ。衣類は生地、もっといえば糸から作られることを考えると、創業約190年の伝統が詰まった同社の生地こそ、英国トラッドの始発点であると言える。


毛織物産業が最も栄えた英国北部のヨークシャーでの製造を現在も続ける。同社が作る生地のバリエーションは、ワンシーズンでなんと600種類(年4シーズン計算)で、ショールームには数千のアーカイブスワッチが並ぶ。

織りの工程に入る前に紡績された糸が巨大なボビンからコーン(円錐形の糸巻き)へと巻き替えられていく。マシンを採用しているが、職人自らがその目でしっかりと確認する。


形になったプロダクトはドライフィニッシュとウェットフィニッシュのいずれかの仕上げが施される。ウェットフィニッシュの場合は、素材に合わせたレシピ(水の温度や回数)にて洗いをかける。

軽量でありながら保温性に優れるメリノウールを100%使用したマフラー。ブロックチェックやストライプなど、スタイリングのアクセントとなる柄物も豊富に揃う。各1万3200円




まずは染色、ブレンドされたウールを櫛状のローラーに通し、繊維をほぐして整えるカーディングを行う。次に余分な毛を落としながら撚りをかけて糸の強度を上げ、色に深みをもたらすスピニングを行い、糸を作っていく。カーディングで取り除かれた綿は再利用される。
【問い合わせ】
グリニッジ ショールーム
TEL03-5774-1662
https://greenwich-showroom.com/
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