OS対応は3段階に分かれた
例年、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、VisionOSは、細かく区分して説明されたが、今回は、ひとまとめに説明され、ドキュメントの中にAppleOSという記述がされることもあった。アピアランスや、操作体系は違うものの、それぞれのOSは共通のテクノロジー基盤を持っており、以前よりシステムが整理され、より共通性と独自性が明確になっている。 例えば、Apple Intelligenceは、それぞれの端末から同じように操作できる。
それゆえ、それぞれのOSごとの違いも大切だが、世代ごとの区分けもあるていど共通性が持たせられるようになっている。
また、今回のアップデートでは、対応端末は、単に『OSに対応するか』どうかだけでなく、『Apple Intelligenceに対応するか』、『最もパワフルなオンデバイス対応に対応するか』の、およそ3段階に分かれている。
非常にややこしいことになってしまっているが、Siri AI、Apple Intelligenceというプラットフォーム全体に影響する大きなテクノロジーを導入するため、非常に高い端末性能を必要とするのだ。また、そのために必要なNeural Engineなどハードウェア側の対応も、まさに注力してアップデート中ということで、対応端末が分かれてしまうのはいた仕方ない部分もある。
まず、AppleOS 27世代に対応しているかどうか?
まず、通常の新OS対応について説明しよう。
iOS 27はiOS26と同じく、iPhone11、iPhone SE(第3世代)以降の全てのモデルが対応となる。 多くの人の生活を支える製品として、かなり前のモデルまでサポートしたと言えるだろう。
iPadOS 27は、iPad Proが11インチ(第2世代)、12.9インチ(第4世代)以降、iPad Air(第4世代)以降、iPad mini(第6世代)以降、スタンダードのiPad(第9世代)以降が対応となった。逆に言うと切られたのは、12.9インチiPad Pro(第3世代)、11インチiPad Pro(第1世代)、iPad Air(第3世代)、iPad mini(第5世代)、iPad(第8世代)ということになる。 ボーダーラインはA12世代のチップ近辺なのだが、A12、A12Xは切られたが、A12Zは生き残ったという微妙な切り分けになっている。

macOS 27 Golden Gateは非常に分かりやすく、以前から告知されていたとおりIntel Macが非対応となった。つまり、Appleシリコン、M1以降の対応ということだ。
watchOSが非常に意外な展開で、なんとSeries 8以前、初代Ultraが非対応になった。Series 9以降、SE3、Ultra 2以降が対応ということだ。2022年秋に12万4800円と少々高価な価格で発売された初代のApple Watch Ultraがわずか4年で最新OSのサポート範囲外になるというのは少々残酷な気がする。質問してみたところ、新OSの機能を実現するのにS9以降のSoCが必要だったということだった。
VisionOSは、M2搭載型も、M5搭載型もサポートするとのこと。
Siri AIと新世代のApple Intelligenceに対応するのはどのモデル?
Siri AIと新世代のApple Intelligenceの対応範囲は、以前の世代のApple Intelligenceと同等の対応範囲と考えていい。
つまり、iPhone 15 Pro以降のiPhone、Mシリーズチップを搭載したiPad、Mac、iPad mini(A17 Pro)、MacBook Neo(A18 Pro)。27世代OSに対応するすべてのApple Watch、Vision Proということだ。
去年は狭いと思ったものだが、当然のことなら時間が経った分、対応機種は増えている。

限られた『最もパワフルなオンデバイス対応』端末
そして、『最もパワフルなオンデバイス対応』と言われる端末はごくわずか。
iPhone 17 Proシリーズ、iPhone Air、12GB以上のRAMを搭載したiPad(M4)以降、Mac(M3)以降、そしてVision Pro(M5) のみだ。
この『最もパワフルなオンデバイス対応』とは具体的に何かというと、話題のローカルで動く200億パラメータのスパースモデル「AFM Core Advanced」を使える製品ということだ。これらの製品は、表現豊かな音声表現や、高度な音声入力などが利用できる。

最新のApple Intelligenceが目指すものを実現しようとすると、極めて高性能なチップセットと大量のメモリが必要ということで、これはやむを得ないことなのだろう。年が経つにつれて、この高性能なモデルが一般の人にも普及していくに違いない。
ハードウェア以外の分断
また、それ以外の課題もある。
まず、ローカルでできる範囲を超えたPrivate Cloud Computeを利用した画像生成には、1日の利用制限が設けられ、iCloud+の多くのプランを利用しているユーザーはこれを緩和するとのこと。ローカルのAIは無料で使えるが、クラウドAIはあるていどの計算リソースが必要になるから、無制限に使わせるわけにはいかないということなのだろう。
また、Siri AI、Apple Intelligenceは当初アメリカ英語のみで利用可能になり、日本語を含む多言語は『順次』と発表されている。ただし、多言語対応は制限されているわけではなく、AIモデル自体は多言語を理解できるため、実際には動作する機能も少なくないようだ。ただ、『企業としてサポートする』のは、当初アメリカ英語のみということのようだ。
さらに、 EUではDMAの制限によりApple Intelligence/Siri AIは、iPhone、iPadでは利用できない。これはiPhoneやiPadが『使用人数が多いのでDMAの使用制限にかかるデバイス』とされているからで、Mac、Apple Watch、Vision ProではApple Intelligence/Siri AIを利用出来るという。なんとも奇妙なことになってきたものだ。
中国は当局の規制要件に対応が終わるまでApple Intelligence/Siri AIは使えないという。ただ、中国は規制当局との話し合いが行われており、何らかのゴールにたどり着ける予定のようだが、EUの規制当局は、折衝自体がぐらぐらしているらしく(「完成後にゴールを動かされる」とグレッグ“Joz”ジョズウィアック氏は表現)、目処が立っていない。
今後、Apple Intelligence/Siri AIはアップルデバイスの根幹を担うようになっていくので、もしかしたらフルサポートの全世界版AppleOSと、EU、中国用のAI抜きモデル、もしくは、両国はAppleOS 27世代のまま進化しない……というような分断が起こっていくかもしれない。なんとも難しい交渉が続きそうだ。
早めに『ボーダーライン』以上の端末を導入したい
Apple Intelligence/Siri AIが今後のAppleOSの中心になっていくのは間違いないところで、最新機能を楽しみたいなら、対応したモデルに早めに買い替えておくのが賢いだろう。
実際に、Apple Intelligence/Siri AIが動作しているのを見たが、かなり便利で、すぐにこれなしではいられないようになるはずだ。早めに各製品の買い替え計画を立てておいた方が良いだろう、と筆者は思う。
(村上タクタ)
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