「GLAD HAND」の創設者が昨年スタートさせたアメリカンクラシックなブランドに注目

昨年よりスタートした注目ブランドであるWILD AT HEART。日本を代表するハッターである菊地氏と稀代のディレクターである幸田氏がタッグを組み、男の生き方や美意識を秘めたプロダクトを展開する。

10年以上の構想を経て始まった魂のブランド「WILD AT HEART」。

昨年よりスタートしたWILD AT HEARTは、THE FAT HATTERの菊地氏とGLAD HANDの創設者としても知られる幸田氏がタッグを組んでいる。この2人は10年来の友人でもあり、互いに切磋琢磨をしてきた仲。2人へのインタビューを通して、そのブランドの真価に迫りたい。

―――ブランドの立ち上げたきっかけはなんだったのでしょうか?

菊地 THE FAT HATTERは2016年に今のフラッグシップショップをオープンしました。今年に10周年を迎えるに当たり、なにか新しい試みをしようと模索していたんです。

幸田 ただ思いつきで始めたブランドではないことを強く伝えたい。菊地くんとはかれこれ13年くらいの仲。前ブランドでは何度も一緒にモノ作りをしていたし、互いに作り手として認め合う関係でした。

菊地 THE FAT HATTERの店舗をプロデュースしてくれたのも幸田さんなんです。昔からいろんなことを相談してきた先輩でもあり、いつしか一緒にブランドをやりましょうと語り合っていたんです。ちょうど節目を迎えるあたり、始めるなら今だなと。

幸田 昨年の頭から構想がスタートして、形になるのは本当に早かったですね(笑)。今まで何度もモノ作りを共にしてきたし、互いに美学や生き様にリスペクトがあるから、阿吽の呼吸で物事を進めることができたんです。

菊地 クリエーションの方法は実にシンプルで、互いにやりたいことを持ち寄り、話し合いながら形にしていっています。ただ僕はハットのプロで、幸田さんは洋服のプロ。WILD AT HEARTは洋服がメインなので、幸田さんにディレクションをしてもらっています。

幸田 WILD AT HEARTの基本コンセプトは、“ハットをもっとも映えさせる洋服”。THE FAT HATTERのハットは旧きよき時代のアメリカを体現しているので、おのずとアメリカンクラシックな世界観になっていきましたね。自分の中では、菊地くんがもっとも似合う洋服であることを大切にしています。そこにはハットひとつに魂を込めてきた菊地という男への尊敬があります。

菊地 そこは幸田さんがよく考えてくれていて、僕が着ない洋服は一切作りません。例えば今シーズンのラインナップで、もっともヘビーなアウターがチェスターコート。僕は車通勤だからダウンジャケットは必要ないし、、そういった無理のないアプローチでコレクションを構築しています。

幸田 トレンドを意識して売れるものを作ろうなんて発想は一切なくて、あくまでもハットに合うデザインであり、クラフトマンでもある菊地くんが動きやすい機能性、ユニフォームとしても使える耐久性の方が、このブランドには必要な要素なんですよ。

菊地 だからコレクションの数も厳選しています。自分たちが納得しないものを出すつもりはありませんし、ディーラーさんの数もかなり絞らせてもらっています。展示会という従来の形式も考えておらず、商品ができる度に各店舗からオーダーを受けるという形にしています。

幸田 本物とはなにか、偽物とはなにかを自分たちにも投げかけ、嘘のないモノ作りをしようと話し合っています。本質的なモノ作りをしたいというのが、ブランドの根底にありますね。だから少ロットでもオリジナルで生地も作るし、工場も一流を選ぶ。妥協したモノ作りはしたくない

菊地 これまでは表現方法がハットだけでしたが、洋服が入ったことで相乗効果があり、より我々の世界観を体現することができるようになったと思っています。

幸田 ハットを含めたトータルコーディネートを提案できるようになったのは大きいと思います。互いに良い影響を与えられる存在でありたい。

菊地 スタッフにも大きな変化がありましたね。店頭では実際にユニフォームとしてWILD AT HEARTを着ているんです。これまでスタッフそれぞれでスタイルがバラバラだったのですが、良い意味で統一感が出ましたね。

幸田 これからも実直にモノ作りをやっていくので、今後にご期待ください。

WILD AT HEART Director 幸田大祐(右)|1978年生まれ。北海道出身。原宿でショップスタッフなどを経て2009年に独立。GLAD HANDの創設者であり、現在はWILD AT HEARTを筆頭に様々なブランドを手掛ける。

THE FAT HATTER Owner 菊地章仁(左)|1981年生まれ。栃木県出身。文化服装学院を卒業後、大手帽子メーカーに就職。25歳という若さで独立。2016年には原宿でTHE FAT HATTERの旗艦店をオープン。

WILD AT HEART 2025 Autumn Winter

Shop Jacket “TRADE MARK”

アトリエコートやショップコートと呼ばれるウエストベルト付きのワークウエアをジャケット丈にアレンジ。THE FAT HATTERのユニフォーム的な役割も果たすため、汚れの目立たないチャコールグレーの杢生地を使用。背面にはWILD AT HEARTの刺繍が入っている。¥65,780_

Herringbone Wool Coat “LUCKY”

重厚なウールヘリンボーン生地を贅沢に使い、タフさと品格を兼ね添えたチェスターコート。生地の存在感と精緻な仕立てにより、際立った存在感を放つ。クラシックなハットとも好相性で、冬の街を颯爽と歩く大人の装いにぴったりである。¥74,800_

Chino Trousers

2タック入りのチノトラウザーは、デニム生地を使うことで、上品さと耐久性を兼ね備えている。動きやすさを考慮した太めのクラシックなシルエットで、2プリーツなので、ゆったりとした腰回りに。タックインしてもバランスが良い。¥29,700_

Hat Pattern Open Collar L/S Shirt

ファーストシーズンより人気を集めているオリジナルのハットパターンを落とし込んだレーヨンツイルのオープンカラーシャツ。春夏は半袖のみの展開であったが、今シーズンはロングスリーブを展開。¥32,780_

【問い合わせ】
THE FAT HATTER
Tel.03-6450-6506
https://thefathattershop.com

(出典/CLUTCH Magazine VOL.101 2025年11月号」)

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