まさかの空冷スポーツスター復活! ベテランに愛され続けている4カム・ハーレーの奥深き世界。

ハーレー社が5月に発表した成長戦略の中で喜ばしいビッグニュースが舞い込んできた。まさかの「空冷スポーツスター」の復活である。それを記念して、現在は失われてしまったままの伝統の「4カム・ハーレー」について詳しく掘り下げていこう。ビッグツインとは異なる軽快で心躍るフィーリングを再び堪能できるなんて!! ベテランをも歓喜させる4カムの魅力とは――!?

4カムって何のこと!?

バルブごとに独立したカムを備えたハーレーエンジンのこと。シンプルなメカニズムの「サイドバルブ」に採用された。その後、ハーレー社が本格的にレース活動を始めると、カムのギアを吸排気ごとに入れ替えるチューニング技術が発展。サイドバルブから「OHV」にバトンタッチしても、カムに対してプッシュロッドをまっすぐに配置できることから、ストレスなく高回転まで回すことができた。いわば、スポーツモデル向きの仕組みなのだ

SIDE VALVE(サイド バルブ)|カムが直接バルブを開閉

OHV(オーバー ヘッド バルブ)|プッシュロッド(棒)がカムの動きをロッカーアームに伝えてバルブを開閉

5分でわかる! 4カム・ハーレー進化の軌跡【SIDE VALVE(サイド バルブ)編】

1929 D|サイドバルブ最初のモデル

サイドバルブのVツインエンジンを初採用したモデルで、当時のラインアップとしては小さい750㏄という排気量から「ベビーツイン」と呼ばれた。後のWLのルーツ的な存在だ。

1934 VLD|1200㏄でパワフルなモデル

排気量は1200㏄とWLより大きく、1930年から1940年まで生産されたモデルがVL。中でもこのVLDは圧縮比の高いエンジンを搭載したスポーツ仕様。カラーリングも豪華だ。

1941 GA|3輪仕様の実用車

1932年から1974年と、実に42年もの長い間販売されたのが排気量750㏄の「サービカー」。警察をはじめ、中小企業が商品運搬に使用するなど実用車としてのニーズを開拓した。

1948 WL|750㏄の最もベーシックなモデル

1937年に登場し、1952年まで販売された最もシンプルなモデル。排気量は750㏄で、これをベースに軍用車のWLAや、WRをはじめとしたレーシングマシンが開発された。

1938 U|1340㏄の最大排気量モデル

最大排気量の1340㏄を採用し、1936年から1945年まで生産されたUL。ダブルクレードルフレームやシート下のオイルタンクなど、同年代の「ナックルヘッド」に通じる装備だ。

1952 K|レーシングハーレーのルーツ

ハーレー初のリアサスを備えた新設計フレームに、ミッション一体式のコンパクトなサイドバルブエンジンを搭載。ハンドクラッチとフットシフトを採用して英国車に対抗した。

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
この記事を書いた人

ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...