ハーレー乗りに最も愛されるジーンズ。鐵馬乗りのジーンズは道具であるべきという「IRON HEART」哲学

世に数多のブランドがある中で「ハーレー」というキーワードにこだわりをもち、プロダクトを展開する。そんな『クラブハーレー』とも浅からぬ親和性をもつブランドをピックアップしてじっくりと深く掘り下げていく。初回はハーレー乗りに最も愛されるジーンズを作り続ける「アイアンハート」。ヘビーオンスデニムのパイオニアでありながら、世界を見据え常に新しい可能性に挑戦していくメイドインジャパンブランドの現在地。

アイアンハート代表・原木真一さん|広島県出身。90年代よりパタンナーとして活躍し、さまざまなジャパンデニムブランドに携わる。2003年、46歳のときにアイアンハートをスタート。根っからのハーレー好きでもあり、試作品を作っては自身の愛車でテストを繰り返し、細かな修正を行っている。

常に「無骨」であるというアイアンハートのアイデンティティ

いまやハーレー乗りの定番として根付いているヘビーオンズジーンズ。極厚なデニム生地をバイク乗り仕様のジーンズにアレンジしたパイオニアが、アイアンハートである。このバイカージーンズが生まれた背景には、ディレクターの原木さんが、90年代からさまざまなリプロダクトデニムブランドに携わってきた経験と、バイク乗りとしての矜持があった。

「僕の中で、ブランド設立時からバイク乗りのジーンズは、〝ファッションの前にギアであるべき〟だと考えています。ライダースジャケット同様に、万が一のときのために、安全なものを身に着けた方がいいじゃないですか。ただハーレーにおいては、アメカジで乗るのが、最もかっこいい。そこで辿り着いたのが、タフなヘビーオンスデニムを用いて、ライディングに適したパターンを落とし込み、醍醐味であるエイジングを楽しめるジーンズだったんです。ブランドを始める前から、ヘビーオンスデニムの存在は知っていました。いまも大切なパートナーなのですが、90年代から親交の深い岡山県のデニムファクトリーがあって、彼らがヘビーオンスデニムを世界で初めて作ったんです。そこから二人三脚で、本来のジーンズに負けないようなエイジングした表情や、耐久性、肌触りなどを試行錯誤して、現在も続く21オンスセルビッジデニムが生まれたんです」

ヘビーオンスデニムが世に出てきた当初は、通常のジーンズと比べて、色落ちが悪いというイメージが先行したのも事実。その既成概念を覆したのも、アイアンハートである。

「うちのオリジナルデニムは特殊なんです。経糸、緯糸ともに単糸にした綾織りがデニムの定義なのですが、うちの場合は厚みとソフトな肌触りを実現するために、緯糸に双糸を使っているんです。双糸というのは2本の糸を撚り合わせたもので、糸を太くするだけでなく、強度があって、コシも出るからはき心地が向上するんです。そして何よりもエイジングした際の表情にもこだわっていて、お客様が愛着をもっていただけるように配慮しています。少しでも長く愛用してほしいとの思いから、ライフタイムギャランティーを付け、いつでもリペアを受け付けているんですよ」

アイアンハートが世界中のハーレー乗りから支持されている一番の理由は、原木さんが愛をもってユーザー目線で作り込んだ機能美だろう。創業から20年以上経ってもアップデートを続け、常に究極の完成度を誇っている。

“ヘビーオンス”を牽引するアイアンハートのフラッグシップ「21oz SELVEDGE DENIM」を解剖

これまで多くの銘品を輩出してきたアイアンハートだが、そのフラッグシップモデルが21ozセルビッジデニムを用いた「634S」。その徹底された作り込みは、芸術の域に達している。

634S 21ozセルビッチ ストレートジーンズ 3万4100円

全世界でロングセラーとなっている名作ジーンズ。貴重な21ozのセルビッジデニム。体の線に合わない脇の膨らみや、お尻の余りを極力取り去り、スッキリしたストレート。昔ながらの縫製仕様で、強度も高い。

バックポケットのステッチは左右非対称になっており、左右でIとHを表現。また右のバックポケットは屋号の頭文字であるWのステッチ。

この記事を書いた人
チューバッカ沼尾
この記事を書いた人

チューバッカ沼尾

旅好き元バックパッカー

1981年式の元カメラマンでパックパッカー。バイクは2007年にクラブハーレー編集部に配属になってから興味を持ったクチなので、遅咲きといえば遅咲き。ただ、旅をするのにこの上ない乗り物と知りドハマり。現在に至る。愛車は1200ccボアアップの2011年式XL883。
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