故障は突然に
1カ月半ほど前。とあるビッグサイトでの取材の最中にカメラが動かなくなった。

その取材は、だいたい撮影し終わっていたし、それ以降は首からカメラを提げたままiPhoneで撮影して切り抜けた。まぁ、今や別にiPhoneだとダメだっていうこともないのだが(事実、iPhoneで撮影しているメディアの方はいっぱいいらっしゃる)、普段使い慣れたEOS R6 Mark IIが動かないというのはなんとも不安だ。電源を入れ直したり、電池を抜き挿ししても回復しない。

カメラの表示は『Err 20』。調べてみると、シャッター系の故障らしい。
何度電源を入れ直しても、復活しないので、さっそくキヤノンサービスセンター銀座に持って行くことにした。一般には、家電量販店などの購入店舗に持ち込んだり、宅配修理という手もあるのだが、仕事の道具だし、一刻も早く、最良の修理を行いたい。だから、筆者は仕事道具のiPhoneやMacが壊れたら、銀座か、表参道か、大手町のApple Storeに行くし、カメラが壊れたらキヤノンサービスセンター銀座に行く。家族が病気や怪我をした時に、『最良の医療を受けさせたい!』と思うのに近いかもしれない。的確な判断をもらえた方が、こちらとしても早く対処できる。

筆者は、取材でカメラを使うが、自分的には『カメラマンである』という意識はない。
筆者にとって、『カメラマン』とは、雑誌屋時代に仕事を頼んでいた、超絶撮影が上手い人たちだ。その仕事を目の当たりにしていたので、取材で写真は撮るものの、とてもではないが自分が『カメラマン』であるとは恐れ多くて言えない。
だがしかし、現実には写真を撮る機会は多いし、EOS R6 Mark II(本体価格31万円)と、EOS R10や、6〜7本のレンズ、合計100万円近い機材を使って仕事をしている。プロではないとはいえ、カメラが壊れると、仕事が滞る。ある意味、おまんまの食い上げである。
フリーランスになってしばらくして、EOS R6 Mark IIをメインカメラにすることおよそ3年半。一応、EOS R10を予備として用意はしているが、今回のトラブルで、EOS R10では、いろいろと性能が不足するということが分かった。

キヤノンサービスセンター銀座での診断では、やはりシャッター機構のトラブル。修理とともに、オーバーホールも依頼するということで、代金予想は5万8850円。他にも細かいトラブルが見つかった時のために6万5000円の代金まではかかってもいいという話をして、カメラを預けた。
壊れていたのはシャッター機構ではなく、メイン基板だった
予想に反して、シャッター機構のトラブルではなかったそうで、もっとお金がかかるが修理を続行していいか? という電話が2回掛かってきて、次第に修理金額が上がってきた。しかし、仕事に使うんだから、いくらかかろうと修理せざるを得ない。
さらに、筆者の帰省や、キヤノンサービスセンター銀座の夏季休業なども重なって、けっきょく修理完了して、筆者が受け取りに行くまで1カ月半ぐらいの時間が流れた。幸い、世の中も夏休みムードで、発表会も少なくて助かったが……それでも、EOS R6 Mark IIのない日々はいろいろと不自由だった。
そして、やっと修理が完了したEOS R6 Mark IIを受け取りに行くことができた。
壊れていたのは、シャッターユニットではなく、メイン基板だった。

スタッフの方に話を聞いたが、筆者の取り扱い方が悪かったとか、雨やホコリが入ったとか、衝撃で壊れたとかいうことではないらしい。もし、そうであれば今後はもっと気をつけようと思った。とはいえ、仕事で使うので、何らかの理由で衝撃を受けることはあるのだが……。ともあれ、「何らかの理由でメイン基板が壊れたが、取り扱いが理由ではない」とのことだった。

メイン基板は交換。なので設定は全部消えてしまった。シャッターユニットは、8万7000回使われていたが、こちらは問題なかったので、交換しなかったとのこと。EOS R6 Mark IIのシャッターユニットは40万回の動作できるらしく、今後も当分問題なく使えるとのこと。
その他、一部の部品に曲がりがあったらしく、それも交換され、さらにファームウェアがアップデートされていた。
プロとしてカメラを使うなら、オーバーホールも大事
その他、冒頭にも書いた通り、追加料金を払ってオーバーホールもしておいてもらった。
あんしんメンテ
https://canon.jp/support/repair-index/after-support/maintenance
そもそも、プロカメラマンの人を見ていると、非常に頻繁に、メンテナンス、オーバーホールに出している。センサーへのホコリの付着や、接点の汚れ、センサー位置のズレなど、さまざまな原因で性能が低下するようだ。筆者はこれまで一度もメンテナンスに出していなかったので、これを機会にお願いしたのだ。

オーバーホールしてもらうと、6カ月間、機能保証もされる。
オーバーホールの内容はこんな感じ。

点検部位はこちら。

プロのカメラマンはこういう点検を頻繁に行ってもらって性能を維持している。
筆者はプロなのか、プロじゃないのか?
一応、筆者も仕事で使っているのだから、定期的にこういうメンテナンスを行うべきなのだろう。
実は、キヤノンはCPS(キヤノン・プロ・サービス)として、こうしたサービスを年払いの定額で行う仕組みがある。しかし、CPSはプロとして仕事をしていると認められないといけないし、ボディを3台以上持っている必要があるなどのルールがある。
しかし、CPSに入っていれば、このようなトラブルで修理に出した時に、代替機を借りられるなどのサポートもある。筆者がCPSの入会資格を満たせるかどうかはともかく、入会するためにもう1台ボディを買ったら、逆に代替機は必要なくなるのでは? というジレンマもる。
今回の体験から考えると、APS-C機ではなくフルサイズ機がいるし、メインマシンと同等のパフォーマンスを期待するとなるとR8でも厳しい。順当に考えるとEOS R6 Mark IIIを買うべきなんだろうけれど、Mark IIIは42万9000円とまったくかわいげのない価格だ。価格から言うとEOS R6 Mark IIをもう一台買うべきなのだろうか? でも、これを買っちゃうとCPSに入って代替機を借りられるようにする……という意味は薄れる(プロサービスでメンテしてもらえる意義は大きい)。
しばらく悩みは尽きなさそうだ。
(村上タクタ)