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EOS R6 Mark IIユーザーの編集長にとって、Mark III買い替えるべき商品か?

3年前に、キヤノンのEOS R6 Mark IIを購入して以来、ThunderVoltのほとんどの写真は本機で撮影している。自分はカメラマンではないけれど、少しでも見やすい写真を撮るように心がけている。「ThunderVoltの写真って、きれいですよね」と言われるとしたら、それはEOS R6 Mark IIのおかげだ。

ところが、新製品『EOS R6 Mark III』が登場した。プロの仕事の道具として考えるなら、当然買い替えるべきなのだが、生憎懐具合が寂しいタイミングだ。EOS R6 Mark IIIは42万9000円。安くない。即座にMark IIの中古売却価格を調べたが、追い金が27万円ほど必要だ。

キヤノンの広報さんが、嬉々としてカメラをお貸し出し下さったので、試してみることにした。キヤノン社内でも前回のレビューはユーザー目線だったと好評なのだそうである(そりゃそうだ。ユーザーだから(笑))

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内部の変更は大きいが、外観イメージは踏襲

初代も良い製品だったが、2代目は傑作だった。当然、3代目はその傑作を超えようと、作り込まれている。

キープコンセプトの熟成ということで、Mark IIIは Mark IIとほぼ同じデザイン、操作系を踏襲している。目をつむって触れるとまったく分からない。

しかし、よく見るとMark IIは軍艦部が別体パーツだったのが、上部一体式のパーツになっているなど、まったく新たに設計されていることが分かる。ボタン周りの盛り上がりなど、細部の形状も違う。

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まったく新たに設計してるのに、あえてMark IIとほぼ同じ形状に見せているのは、それだけMark IIの評判が良かったからだろう。

実際、10日間ほどお借りして、自分のMark IIの代わりに日常の取材に使っていたのだが、新型を使っていることを忘れるほど使い心地は変わらなかった。買い替えてもまったく違和感なく使えるということだ。

画素数向上が最大の変更点だが

Mark II → Mark IIIの最大の変更点は、約2,420万画素から約3,250万画素にセンサー解像度が上がったこと。撮れる写真は、6000×4000ピクセルから、6960×4640ピクセルに向上している。

センサーサイズが同じで、画素数が向上したら、センサー1画素の受光量が減り暗所性能が下がる。また、読み出さなければならない情報量は多くなるから、連写性能が下がる。

それを技術的改善で、連写性能は維持し、暗所性能もなんとか近いレベルを維持したということだ。

このあたりをどう受け取るかが、EOS R6 Mark IIIに買い替えるべきかどうかの大きなポイントになると思う。もちろん、他の小さな変更であれ、自分の使い道に合うなら、それは買う理由になると思うが。

日常使用では、ほとんど違いは感じない

日常的に使っていると、筆者のレベルではEOS R6 Mark IIとMark IIIの差はほとんど分からない。正直、EOS R6 Mark IIで問題ないと感じる。

(RF45mm F1.2 STM、焦点距離45mm、F1.2、1/1600、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark III)

解像度が高くなったところで、こうしたウェブサイトに掲載される写真の解像度は非常に低く、圧縮がかかっている。たとえば、このdig-itの写真の掲載解像度は1000×667だ。多くのウェブメディアがこのぐらい(中には「横3000ピクセル以上で下さい」とおっしゃるメディアもあるが)。

紙の本を作っている時には、350dpi以上が原則だったので、A4見開きの写真には計算上約6000ピクセル必要になる。EOS R6 Mark IIではギリギリということになるが、そもそも自分で撮った写真を本で見開きで使うことはない。そんな写真ならカメラマンに任せる。

というわけで、実際のところ、筆者は今回実現した解像度は必要としない。みなさんはどうだろうか?

(RF45mm F1.2 STM、焦点距離45mm、F1.2、1/160、ISO100、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark III)

唯一必要とするのは、クロップして使う場合だ。たとえば、遠過ぎるところにいるティム・クックを撮って、その写真を大きくトリミングして使う場合には解像度があった方がいい。足で寄るのが基本とはいえ、そういう時には、取材用の席が指定されていたりするのだ。

そういう場合は、たしかにEOS R6 Mark IIIは有利だろう。

厳密に比べると、たしかにMark IIIの方が解像感が高い

解像度と、暗所性能を試すために丸の内で夜景を撮ってみた。

まずはEOS R6 Mark II。

(RF24-105mm F4-7.1 IS STM、焦点距離24mm、F4、1/60、ISO6400、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark II)

続いて、EOS R6 Mark III。

(RF24-105mm F4-7.1 IS STM、焦点距離24mm、F4、1/60、ISO6400、EV±0、カメラ: EOS R6 Mark III)

うーん。筆者の目ではほとんど変わらない。厳密に言えば違うのだろうけれど、少なくともウェブに掲載するサイズでは違いは分からないだろう。

では、ThunderVoltの掲載サイズ1000×667でピクセル等倍になるようにクロップしてみよう。

まず、こちらがMark II。

そして、Mark III。

ちなみに両方を等倍で切り出すとIIIの写真の方が解像度が高いから表現する範囲が狭くなるので、IIを等倍で切り抜き。IIIをそれと同等のエリアということで切り出した。つまりIIIの方が多くのピクセルで撮ったエリア(を圧縮してる)ということになる。

ここまで拡大すると、多少差が出る。写真に写ってる下から2番目のフロアの服のディテールが細かく見えるし、その上のフロアの天井もIIIの方がきれいに見える。しかし、差はこのぐらい。解像度対決では、筆者の使い方では、決定的な差ではないように思う。

登録人物優先AFは、用途によってはとても便利

もうひとつ特徴的なのは、EOS R6 Mark IIIでは人物の顔を登録して、その人物を優先して追いかけることができる。

たとえば、子どもの運動会や学芸会で、自分の子どもを優先してフォーカスさせるとか、スポーツで撮りたい選手を追い続けるということができる。

ラグビーやサッカーだと、活躍選手の顔を撮ろうとすると、ディフェンダーの背中の方にピントが引っ張られてしまうことがよくある。自分のチームの注目選手を登録しておけば、撮影しやすいのではないだろうか?

というわけで、またクリーンファイターズ山梨と、その敏腕広報である鈴木正義さんの協力を得て検証した。

こちらは、明らかにMark IIIに優位性がある。

登録した選手を追い続けてくれるのは非常に撮りやすい。

この写真ではディフェンスに走る、奥のキニヴワイ・ベイタタ選手を追いかけている。
球出しをする木村高大選手。サントリーから移籍してきたスター選手だ。

レンズはRF100-400mm F5.6-8 IS USMなので、それほど手前の選手がボケてないが、もっと明るいレンズを使えば、手前の選手をボカしていい感じの写真が撮れそうだ。

スポーツ写真では、非常に役に立ちそうな機能だ。

懐事情さえ改善されれば欲しいところ……

というわけで、EOS R6 Mark IIIは非常に魅力的だが、筆者の使い方としては「Mark IIはまだ戦える」「追加で27万円は無理」という結論に到達した。

もちろん、仕事として写真を撮ってる身としては、3年間酷使したカメラを交換しておいた方がよいということはよく分かっている。そういうことも含めて、買い替えるべきなんだろう。

しかし、イスやiPhone 17 Proを買ったり、カタールにF1を観に行ったり、18年も乗ってるクルマの車検に40万円ほどかかったり、という個人的な懐事情もある。つまりは、タイトルの疑問に応えるなら買い替えるべき……なのだが資金がない。お仕事お待ちしています……というのが結論だ。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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