【アメカジの基礎知識】トラッド由来のBDシャツ、ブレザー、レジメンタルタイ、ローファーの知っておきたい豆知識

BDシャツにブレザー、レジメンタルタイ、ローファー。柄やディテールの由来から着こなしのセオリーまで、一見何気なく見えるものにもそれぞれ意味があり、それを知ることもトラッドを楽しむ醍醐味だ

BDシャツの話

トラッドスタイルに欠かせない定番のひとつ、ボタンダウンシャツ。普遍的なアイテムだが、その細かな作りにも注目だ。BDシャツの顔ともいえるのが、襟元に生まれる美しいロール。襟先をボタンで留めることで首元からふっくらと立体的なカーブを描く。また前立てのボタン数も襟元の開き具合を左右するポイントであり、一般的な7つボタンのほかに6つボタンが存在する。

BDシャツの元祖とされるのが〈ブルックスブラザーズ〉。ポロ選手が襟先をボタンで留めていたことに着想を得て誕生。

タータンチェックとは

スコットランドにルーツを持つ柄、タータンチェック。もともとはクランと呼ばれる氏族ごとに、異なる格子柄を用いて所属を示す役割を持っていた。日常用、正装用、狩猟用など用途によっても柄が使い分けられ、その1つひとつに名前が付けられている。現在ではその意味合いを超え、シャツやジャケット、パンツから小物まで幅広く用いられるファッションの定番柄に。

右のブラックウォッチは、英国陸軍の連隊に由来。左のドレスゴードンはゴードン氏族の正装用タータンであったことから。

アイビーからプレッピーへ

1950〜60年代に一世を風靡したアイビーは、70年代後半になるとプレッピーへと派生。アイビーリーグの弟分ともいえる、名門大学への進学を目指す私立の中等教育学校であるプレパラトリースクールの学生たちが、親世代から受け継いだアイビーの定番を色を取り入れたりルーズに着たりと若者らしく自由に着崩したスタイルだ。

トラッドの歴史

1920年代のアメリカ人が英国ファッションに憧れ、その服装を模倣したことから発展したアメリカのトラッドスタイル。1950年代には東海岸の名門大学、アイビーリーグの学生たちの装いを背景にアイビールックが隆盛した。その文化は日本にも伝わり、1960年代に若者を中心に浸透。本場のスタイルを研究して日本人なりの解釈を加えることで、やがて「アメトラ」と呼ばれる独自の文化へと発展していった。

8つの名門校

アイビールックの源流は、名門8大学からなるアイビーリーグの学生たちの装い。ハーバード、イェール、プリンストン、コロンビア、ペンシルベニア、ブラウン、ダートマス、コーネルから成り、富裕層の子どもが多く在籍した。彼らのキャンパスでのスタイルは1960年代には日本でも注目を集め、アイビールックとして発展した。

着こなしのルール

トラッドの着こなしには、数多くのルールが存在する。その背景にあるのが、日本で独自に発展したアイビー文化だ。本場アメリカの学生たちの装いを研究し、日本ではその特徴をひとつずつ整理して型として体系化。シャツやジャケットの選び方から、ボタンの留め方、靴との合わせ方まで、細かなセオリーが共有されていった。こうしたセオリーを知ることもトラッドというスタイルの楽しみ方のひとつだ。

ネクタイを代表する柄のひとつ、レジメンタルストライプ。アメトラにおいてはボルドー、ネイビー、ゴールド、グリーンが基本色とされる。英国式と米国式ではストライプの向きにも違いがあり、英国では正面から見て右上から左下へ走る「左下がり」、アメリカでは反対の「右下がり」が基本。一説では、英国式の左下がりは、生地に伸縮性を持たせるため斜め45度のバイアスで裁断したことに由来するともいわれる。

シングルとダブルの起源

ブレザーには、シングルブレストとダブルブレストで異なるルーツが存在すると言われている。シングルは1877年に英国ケンブリッジ大学のボートクラブが真紅のユニフォームを着用し、その姿を見た観客が「炎のようだ(Blazer)」と例えたという説。一方ダブルは1837年にヴィクトリア女王の訪問を控えた英国軍艦ブレイザー号の艦長が、水兵たちにメタルボタン付きのネイビージャケットを着せたという説が有力だ。

(出典/「Lightning 2026年10月号 Vol.390」)

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