アメカジラバー、愛すべき野球映画を語る。|『メジャーリーグ』×Lightning編集長・松島親方

ベースボールを題材とする映画は数多く存在する。そこで、野球映画に一家言あるアメカジラバーたちの最も影響を受けた作品を“偏愛全開”で語ってもらった。今回登場するのは、Lightning編集長・松島親方。小学生の時にベーブ・ルースの伝記をきっかけにずっとヤンキースの帽子を被っていた。MLBは10試合近く観戦しているという。

あの曲が流れると、やっぱりいい映画だなと再認識するね|メジャーリーグ(Major League)

「高校生の時かな。映画『メジャーリーグ』が公開されて、物凄い勢いでプロモーションをかけているもんだから、サッカー漬けの毎日を送っていたのに、この野球映画のために映画館に行ったんだよ。いわゆるスポ根バンザイ系で、ジャイアントキリング的なストーリーが進行していくのだけど、驚愕の展開が待ち受けるわけではなく、観てる側の期待を裏切らない、テンポが良くて気持ちのいい映画だった。

舞台はオハイオ州クリーブランド。ここに本拠地を置くインディアンズ(現ガーディアンズ)は長らく優勝から遠ざかっていたので、地元ファンの興味は薄れ、新任のオーナーはクリーブランドの雰囲気が気に食わず、私利私欲のために別の都市に移転させようと考えていたんだ。そのことが選手に伝わると、チームの結束が固まり、オーナーの意向とは真逆に一気に連勝を積み重ねて、何十年ぶりに優勝争いできる順位にまで勝ち進むっていうのが大枠のストーリー。

ここで映されるクリーブランドのファンと、野球場の雰囲気は何度観ても最高だと思うね。こういうアメリカのリアルな日常の中に野球が溶け込んでるシーンを観て、『メジャーの野球場はこんな感じなのか』と当時高校生の俺は思いを馳せていたよ(笑)。

ちなみに、お気に入りの登場人物は、イナズマカットの髪型でハーレーを乗り回す、いかにも80年代のヤンキー感が漂うリッキー・ボーン。150キロを優に超える速球が武器の投手なんだけど、コントロールが悪くて暴投ばかりのノーコンピッチャー。視力が悪いことに気付かず、十分に見えていないまま投げていることを監督が気付くんだ。本人のスタイルとは対照的なメガネを強制的に着用させられるようになってからチームの快進撃を支える重要な戦力となるんだけど特にラストシーンの活躍には痺れたね。九回にピンチの場面で『ワイルドシング』の登場曲を背景に、マウンドに向かう場面は劇中でも一番興奮するシーンだし、多分、一度観た方なら全員共感してくれると思うよ! ベタだけどスポ根はこれがいいんだって思えたな。

最初に掛けていたメガネはブラウンのフレームだったんだけど、このクラマックスシーンで登場した時は、フレームが変わっている。その細かい自分仕様っぽさが笑える。そんな細かい演出の多さも楽しいんだよ。映画全体を通して解釈が難しい場面があるわけではないから、純粋にエンタメとして楽しめるし、年齢を重ねれば感情移入できる登場人物も増えるという意味では、どの年代が観ても十分楽しめる名作映画だと思う。

あと、ひとつ言っておくと、俺はこの『ワイルドシング』が流れる九回のシーンが好きだからリッキーの名前を挙げただけで、80年代当時のあのヤンキー風のスタイルには全然憧れてなかったから勘違いしないでくれよ(笑)。映画をきっかけに、俺の中でインディアンズは他のMLB球団より親しみがあったチームだったのだけれど、ご存知の通り、2022年に文化的配慮の観点から『ガーディアンズ』にチーム名が変更されてしまった。そのタイミングで何かインディアンズをモノとして手元に残しておきたいと思い購入したのが、古着の『チャンピオン』のヘンリーネックシャツなんだよ。通称トリコタグの80年代のもので『メジャーリーグ』の公開年も89年でギリギリ80年代だから、俺の中で映画にまつわる一着としてこじつけておく(笑)」

(出典/「Lightning 2026年7月号 Vol.387」)

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松島親方
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松島親方

買い物番長

『Lightning』,『2nd』,『CLUTCH Magazine』男性スタイル&カルチャー誌の統括編集長。ロンドンのセレクトショップ「CLUTCH CAFE」のプロデューサーも務める。 物欲を満たすためには海をも越え、全地球規模で買い物を楽しんでいる。
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