【鉄スクーターを選んだ理由】こだわりのスクーターショップに勤務する畑清一さんの場合

高校がバイクNGだったため、最初のバイクを手に入れたのは19歳の時。ちょうどその頃、親が営む路面店のカフェを移動販売に切り替えようとしていた時期で、その店内にオブジェとして鎮座していた「ベスパ50S」の行き場がなくなり、宙ぶらりんになっていたとか。そんな折、たまたまその50Sにまたがってみた畑さんは「コレだ!」となり、鉄スクーターのオーナーになったという。

いまどきのバイクにない2ストのフィーリングが面白い

「もともと車の整備士になりたくて高校はそうした勉強のできるところに通っていました。50Sは不動車でしたが、せっかくなら自身で復活させようと、自分でバラしてレストアすることにしたんです。車両を手に入れたのが高校3年の3学期。進路も決まっていたから時間があったのと、お金がなかったからというのもあります」

どうしていいか分からなくなるとインターネットで調べて3カ月ほどかけて動くようにした。整備士学校に通う足として乗り、その後、目標通りに四輪ディーラーのメカニックとして働き出すと、主に通勤の足として使っていたという。

「乗っている間2度ほど事故に遭って、その度に修理して乗っていました。とはいっても、事故後修理に着手するまでの間、他のバイクを増車して乗ったりしていました。ただ、放置しているとなぜか乗りたくなるんですよ。それでその度に修理していたんです」

診断機で一発で不具合が見つかる今時のバイクとは違って、手探りで問題点を見つけたり、エンジン自体をいじれることも魅力になっているという。

四輪ディーラーは3年ほど働いたが、業務内容に疲れ、これからどうしようかと悩んでいた時に、ちょうどお客さんとしてお世話になっていたスクーターショップ「ベネ」に誘われたこともあって、現在はベネのメカニックとして日々鉄スクーターと接している。そんな畑さんにハンドチェンジ鉄スクーターの魅力を聞いてみた。

「ハンドチェンジの鉄スクーターが搭載している2ストロークエンジンの感覚がたまらないんです。だから、乗れない期間が続くとその感覚を体感したくなる。それが50Sを修理して乗り続けていた理由です。空冷2ストローク単気筒の荒いけれど頑張って稼働している感じに引きつけられるんです。今時の4ストロークエンジンに比べたら単純で、走るためだけの機構というのもいい。
それに、やっぱりハンドチェンジの操作が楽しい。いじるところでは、今時の電子制御の入ったバイクは診断機を使えば不具合の場所がすぐ解明できますが、そういった機能が一切ないため、一から探りながら問題の場所を見つなければならない。そういったプロセスも大変ですが楽しいんです」

20代半ばでヴィンテージスクーターにずっぽりハマっている畑さんの今後に大いに期待したい!!

LAMBRETTA(SIL) GP200

いちユーザーとしてベネに出入りしていた時に参加したショップツーリングで、当時のスタッフがSIL製のランブレッタGP200で先導していたのを見て、初めて「ランブレッタ」の存在を知った。「純粋にカッコいいなと思いました。その後、社員になってから会社のストックヤードでこのGP200を見つけて、安く譲ってもらったんです。ランブレッタは見た目が長く見えるところがいいですね。ハンドルまわりを移植した以外に、エンジンや足まわりは基本ノーマルですが、カーサトロニックで12V化していて、エンジンのかかりが格段に良くなってます。パイプフレームが入っているのとドライブチェーンが使われていることもあって、ベスパと比べて一般的なバイクに近い乗り味です」

バイクに乗る友人とツーリングを楽しんでいる。新潟まで行ったこともあり、その際もノントラブルで走り切ったとか。

もともとは丸いヘッドライトが装着されていたが、好みに合った角張ったライトにしたいとハンドルまわりを交換。そのため車体と色が合っていないのはご愛嬌。

燃料は混合給油仕様のため、シート下の収納スペースには携帯用オイル計量ボトルと2ストオイル1リットルを2本備えていて、出先での給油に対処している。

シート下収納スペースの下にインドのSIL(SCOOTERS INDIA LTD.)製であることが分かるエンジンと車体ナンバーの入ったプレートが貼られている。

不動車のレストアからスタートした畑さんの鉄スクーターライフ

人生初のバイクが不動のベスパ・50Sという、スタートからして普通のライダーとは違っていた畑さん。50Sは事故の度に修理してランブレッタに乗り換えるまで所有し続けていた。最初に動くようにする時点で、排気量アップ&キャブレター換装、足まわりの移植など自分で作業していたというからすごい。

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愛嬌のあるフォルムに、ハンドチェンジ式ギアを備えた少しクセのある乗り味。今、「ベスパ」をはじめとしたヴィンテージスクーターが一部で盛り上がりつつあるのをご存じでしょうか? バイクの知識がある方なら、絶版となって久しい上に、価格も高騰しているとあって“現実に乗る”のは難しそう……と尻込みしてしまうかもしれません。でも、今の若い子たちは「そんなの関係ない!!」と、いっさい躊躇することなく購入していき、多くの場合はこのカテゴリーならではの魅力に面白さを見出し、深みにハマっていくといいます。ボディは樹脂ではなく、鉄でできていることから、「鉄スクーター」とも呼ばれるこのジャンルは、長きに渡ってベテランバイク乗りからも支持されてきた層の厚いカテゴリー。つまり、それだけ奥が深いということです。魅力に気がついたら最後、抜け出せない沼が待っているのかも――!? というワケで、さまざまなモデルが存在する鉄スクーターの見分け方や人気モデルの紹介はもちろん、実際のオーナーの声などを紹介した他、現在新車で購入できるモデルの紹介など、さまざまな切り口で鉄スクーターの魅力に迫りました。今まさに、鉄スクーターが気になり始めた人に捧げる入門書的な一冊です!! 購入はこちら!

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
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ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
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