強烈な個性を放つビューエルカスタム【4カム・ハーレーの奥深き世界】

斬新なアイデアや造形の美しさを競うショーバイクと、スピードを追い求めるレーサー。相反する二つの要素を、一台のBuellで成立させること。それがMAGAMIに掲げる「シュアショット」の挑戦である。レースのための性能とショークオリティの美しさを高次元で融合。サーキットを本気で走るためのショーバイクだ。

サーキットを舞台とする走るショーバイク

「ホットロッドカスタムショー」のベストを経験するトップビルダーの一人、「シュアショット」が作り上げたビューエルレーサー。ショーバイクにおいても走行性能を犠牲にしないのがビルダー相川さんのポリシー。それをより高いレベルの現場で実践するために作り上げた「レースを走るショーバイク」が〝MAGAMI〟である。

ベースはビューエルS1W。ストックで100馬力を超えるホットなモデルだが、約20年前、自身が所有し、4カムエンジンの面白さを教えてくれた思い出深いモデルなのだという。骨格はS1Wをベースにプロアーム化し、S1の弱点といえるクランクケースマウントのリアサスペンションをシート下でフレームマウントに変更。リンケージを正確に計算してワンオフで作り上げる高度なノウハウ、技術が詰め込まれたディテールである。

また、オイルラインの配管やタイラップを使用しないクリップ留めの処理など、細部の仕上げに至るまでショークオリティを追求。デザインと機能、どちらも妥協しない姿勢こそがシュアショットのカスタムマナーであり、このマシンが近い将来、サーキットで結果を残し、シュアショットの哲学と技術力の高さを証明する姿に期待が高まるばかりだ。

SHURESHOT/相川拓也さん

1998 Buell S1W MAGAMI|Buellのホットモデルをカスタムレーサーに

相川さんの4カム好きの原点であるS1Wをベースに、ハイクオリティなカスタムワークとスピードを同時に追求する一台。カスタムショー前にMAX10のレースに参戦し、4位入賞。今後セッティングを煮詰めてさらにハイレベルなクラスに挑み、ハイレベルな走るショーバイクの実力をサーキットで証明する予定だ。

ストックで101馬力(カタログ値)を誇るS1Wをベースにスクリーミンイーグルのレーシングカムをインストールし、強化バルブスプリングに変更。バンクを意識したチタンマフラーはワンメイドで等長と軽量化を実現。

シートレール、シートカウルは高強度のアルミ7N01材を使用したワンメイド。シートカウル下部にオイルタンクを装備。

バックステップは、シフトリンケージがステップの上に設けられたM字リンクによって、バンク角を稼ぐレーシーな仕様。

エンジンは1200ccの排気量を変更することなく、FCR41φキャブレター、ショートファンネルを装備。

強度と軽さのため外装は2mm厚のシートメタルからプレス整形したワンメイド。天地が薄く、直線的なラインが特徴である。ワンオフのトップブリッジにセットするハンドルは、現場で角度調整が容易なクリップオンタイプを装備。

レーシングブロス製BISHOP43フォークをセットするトップブリッジ/アンダーブラケットはビレットのワンメイド。肉厚だが裏面を肉抜きして高強度と軽量化を実現。ホイールはDUCATI 1100Sのマルケジーニ鍛造ホイールを採用。

通常S1のリアサスペンションは腹下でクランクケースマウントだが、レースユースではケースに負担がかかるため、シート下でフレームマウントに変更。スペースのためにオフセットしているが正確な動きのリンク比を計算して、リンケージを製作して装着。

スイングアームはドゥカティS4Rのプロアームを使用するが、チェーンラインをスポーツスターの右側に合わせるため、上下反転させて補強を車体に合わせてリメイク。カスタムのクリエイティビティとサーキットのための走行性能を両立するディテール。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年8月号」)

この記事を書いた人
CLUB HARLEY 編集部
この記事を書いた人

CLUB HARLEY 編集部

ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

Pick Up おすすめ記事

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

ニューヨーク・ブルックリン発! 作業服由来のデイリーウエアはこう着こなす。

  • 2026.09.16

創業1904年、高層ビルの建設が相次ぐ当時のニューヨークでリアルワーカーに向けて、作業服を提供していた「ブルックリンオーバーオール」。そんな確固たる出自に由来する男服は、カジュアルウエアとして現代にDNAを継ぐ。 旧きよきデザインと生地づくりで飽きのこない王道のワークスタイル 40年代の個体をベース...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...