『ピッティ・ウオモ』から見えてきたスタイリングのトレンドとは?【Vol.5 着こなしのキーワード編】

去る6月16〜19日。イタリアはフィレンツェにて開催されたメンズドレスファッションの祭典『ピッティ・ウオモ』。毎年1月と6月の年2回開催される世界最大級のメンズファッション展示会にして、世界各国からファッショニスタが集まる重要イベントだ。会場に集まった世界中の洒落者たちを目当てに各国のメディアやフォトグラファーがSNAP撮影をするのが同イベントの風物詩であり、彼らの装いは世界的なメンズファッションの流行や傾向を教えてくれる重要な資料となる。我々2nd編集部もこのイベントに十数年ぶりに参加し、100人以上ものSNAPを撮影した。その中からカテゴライズし、全5回に分けて紹介する。最終回となる第5回は着こなしのキーワード編をお送りする。

キーワードは「ベースボールキャップ」、「ローファー」、「ワントーン」

まずいちばんに目を引いたのはベースボールキャップを取り入れているファッショニスタがあまりにも多かったということだ。長年ピッティ・ウオモに足を運んでいるという日本のファッション業界人からも近年、ベースボールキャップがトレンドになっているとは聞いていたが、正直ここまでとは思っていなかった。ベースボールキャップはどちらかというとアメリカントラッドやアメリカンカジュアルというテイストのアイテムであるため、ここからもヨーロッパにおいてアメリカンスタイルが注目を集めているということがうかがえる。

次に足元について。圧倒的に多かったのはローファーやデッキシューズといった着脱が楽なカジュアルな革靴であった。ドレススタイルといえば、やはりフォーマル度の高いシューレースの付いた革靴が一般的ではあるが、近年のカジュアル化の影響もあってか、ドレスからカジュアルまで、幅広いスタイルでローファーのような軽快な革靴が着用されていた。カジュアルシーンにおけるトラッド回帰もその理由のひとつだろう。昨年4月に発売した2ndでは「ローファー時代、到来」と題し、革靴の中ではややカジュアルな部類に入るローファーを特集したが、その傾向が世界的なものであることを再確認することができた。

続いてはトレンドというわけではないが、着こなしのテクニックとして多く見られた“ワントーン”。40度近い気候ということもあって、ホワイトからベージュ、ブラウンのゾーンでのワントーンコーデが多く見られた。やはりコーディネイトの色数を絞ることで、洗練された印象を醸し出し、装い全体の統一感を出してくれるというメリットは大きい。主張しすぎない“粋”な装いを目指すのであれば、ワントーンコーデはぜひとも取り入れてみてほしい。

以上のように、ベースボールキャップ、ローファーのような軽快な革靴、ワントーンコーデというのがイベント会場の来場者たちをみて感じた装いのキーワードであった。改めて、世界各国のブランドが集った展示ブースやファッション関係者たちの熱量や装いへのこだわりを肌で感じ、本当に良い経験となった。我々が標榜し、身近な存在でもあるアメリカンスタイルがこんなにもヨーロッパのファッションシーンで根付いているということを知ることもでき、様々な国や地域のプロダクトやスタイルをミックスしていく楽しさを再認識。6月のピッティ・ウオモは夏の装いが中心であったが、次回の来年1月開催ではコートやレザージャケットなどの重厚感のある装いを見ることができるはず。機会があれば、冬のピッティ・ウオモにも足を運び、取材をしてみたいと思う。

ピッティ・ウオモのイベントの様子やインフォメーションについては、公式インスタグラムで随時更新されているので、トラッド、カジュアル、ドレス、どのジャンルでも服が好きという方はぜひチェックしてみてほしい。

ピッティ・ウオモ公式インスタグラム
https://www.instagram.com/pittiuomo_official/

ピッティ・ウオモ公式サイト
https://uomo.pittimmagine.com/en

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

Pick Up おすすめ記事

名作[ハリケーントップ]誕生から40周年! 「CHUMS」の「ハローウェア」が再登場

  • 2026.09.23

「チャムス」の名作[ハリケーントップ]の誕生から40年を迎える今年、「ハローウェア」が再登場する。そのコレクションを紹介する前に、まずはブランドが歩んできた歴史を紐解いていこう。これまでの歩みを知れば、「ハローウェア」をもっと楽しめるはずだ。 ハロー、懐かしくて新しいチャムス サングラスを川に落とさ...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

毎日に、最良の定番。B.V.D.の「GOLD」は昔ながらの良さと、いま欲しいバランスを兼ね備えたTシャツ

  • 2026.09.16

長く愛されてきた定番には、変わらない理由がある。B.V.D.の「GOLD」もそのひとつ。肌着として培ってきた心地よさをそのままに、今の気分で一枚でも着られるリラックスフィットが加わった。昔ながらの良さと、いま欲しいバランス。その両方を備えた、新しい定番のかたちを見ていこう。 変わらない着心地にゆとり...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...