懐かしのパイクカーで平成初期な気分を楽しむ|1989 NISSAN PAO【今の気分はこの一台。】

バブル景気の頃の日本には今では想像もできない変わったクルマがたくさん存在した。そんな中でも代表として取り上げられるのが、日産のパイクカーだ。レトロスタイルデザインの元祖であり、第一弾のBe‒1に続く第二弾として登場するのが、今回紹介するパオだ。

1989 NISSAN PAO

ちなみにその後もフィガロ、エスカルゴなども販売されたが、パオは5人乗りのハッチバックで、生産台数も限定しなかったため、パイクカーの中で最も台数が多く、今でも人気が高いモデルとなっている。丸みを帯びたボディや外ヒンジのドア、丸いテールライトなど、レトロな外観が特徴だが、内装もシンプルな白いステアリングと、単眼の大型メーター、麻風のシート生地、レトロなフェイスの専用オーディオなど、とにかく徹底してこだわっているのが特徴だ。

今回紹介するのは、パイクカーを専門に扱う神奈川県のオレンジロードで販売中の89年式パオだ。実はパオは同時代のK10型マーチをベースにしているため、エンジンや足回りといったパーツは比較的入手も可能。さらにこの個体はキャブレターや足回り、ステアリング周りを最近リフレッシュ済み。あえて今パイクカーをチョイスすることで、30年以上前のバブル時代の雰囲気を味わってみるのも楽しそうだ。

Specification:

全長:3740mm
全幅:1570mm
全高:1470mm
ホイールベース:2300mm
エンジン:水冷直列4気筒
排気量:987cc
燃料供給方式:キャブレター
駆動方式:FF
税込車両価格:286万円

ダッシュ中央にはレトロなデザインのエアコンコントロールスイッチと、多車種流用で一時期人気となった専用オーディオが見える。

ホイールはシンプルなスチールタイプにセンターキャップが備わる。タイヤは145/80R12という現代のクルマからは想像もできない小さなサイズ。

シートは麻風の生地を使ったシンプルな形状。丸みを帯びた車体の内部は、コンパクトながら5人が快適に移動できるスペースが確保されている。

シンプルなダッシュに2本スポークのホワイトステアリングというレトロなダッシュ周り。ダッシュ下に小物を置くことができる棚がある。

リア側面の窓は上下二分割構造で、中央をヒンジとして下半分が外側に開く構造。エアコンも備わるが、三角窓とセットで車内はクーラーなしでもかなり涼しい。

エンジンは同時代のマーチと同じMA10S型直列4気筒の987cc。現代の感覚だと心許ないが、750kgという軽いボディゆえに十分なパワーとなる。

レトロなだけでなく、効率的に車内に走行風を取り入れる三角窓を採用したもの大きな特徴。ミラーは三角窓のフレームとボディからステーでマウントされる。

リアゲートはまずガラス部分を上に跳ね上げてから残りを下に開く構造。ラゲッジスペースもしっかり確保されている。テールランプは丸目が3つ並ぶ。

【DATA】
オレンジロード
神奈川県横浜市都筑区池辺町3245-1
Tel.045-929-3344
10時〜19時
水曜、第二&第四火曜休
https://orange-road.co.jp

(出典/「Lightning 2026年9月号 Vol.389」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

  • 2026.09.17

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。 イタリア・パルマの地に宿る6...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

Pick Up おすすめ記事

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

トラッドの相棒にドゥニームのジーンズを! ウエアハウスが1988年のクラボウデニムを再現

  • 2026.09.17

1980〜90年代に日本のセルビッジジーンズの先駆けとして一世を風靡したデニムブランド「ドゥニーム」。同ブランドの創業当時のレシピをもとに、再始動を手掛けたのが「ウエアハウス」だ。彼らの徹底的な研究・解析によって生み出された至極の1本は、まさにオーセンティックそのもの。そして、本当の意味での“良い色...

究極のクラシックを背負う。英国発バッグブランド「Billingham」のカメラバッグ『System-1』

  • 2026.09.24

英国生まれのバッグブランド「ビリンガム」。そして同ブランドを代表するモデル[システム-1]。"用の美"を極めたその実用性とルックスは昔も今も、服好きの心を捉えて離さない。 “機能美”を極めたクラシックバッグの筆頭 創業は1973年。写真を撮るのが大好きだったという創業者のために妻がカメラバッグを手作...

いつもの装いに、頼れる履き心地。この秋は、コートスニーカーとチロリアンシューズがあればいい

  • 2026.09.18

トラッドな装いになら、足元はやっぱり品よくいきたい。でも、履き心地だってこだわりたい。そんな欲張りな気分に応えてくれるのが「ロックポート」。クラシックな佇まいと快適さを両立した2足を紹介する。 品よく履けて、しっかり快適 「お洒落は我慢」とは言うけれど、格好よさも履き心地も譲れない。そんなわがままに...