銀幕に登場したFXRチョッパー

1991年、日本では翌年に公開された映画『ハーレーダビッドソン&マルボロマン』の劇中で主演のミッキー・ロークが走らせたマシンもFXR。今でもレプリカが製作されるほど一部でカルト的に人気がある作品だが、この一台は現在、東京の東久留米市に店舗を構える「ヘブンズガレージ」の前田一朗氏が「イージーライダース」在籍時に手がけたもので、ご覧の通り細かなディテールまで見事に再現。時代にひとつの影響を与えたこうした車両の存在も、FXRというモデルの神話的な人気、その要因のひとつかもしれない。

2001 FXDWG2 CVO Switchblade

99年から展開されるメーカー カスタムのCVO、その方向性を決定付けたといっても過言ではないのがコチラの「スイッチブレード」。本物の金箔をあしらったゴールドリーフやオーストリッチ(ダチョウ)革のシート、そしてウィリー・Gデザインによるタンクコンソールなど、すべての装備が豪華絢爛だが日本への正規輸入はナシ。ちなみに我が国へCVOが上陸するのは02年以降である。
2002 FXDXT

ハイトの高いウインドシールドを備えたカウルに化学繊維製サドルバックなど、現在のシーンで人気の装備を持つ「スーパーグライド Tスポーツ」だが、当時は不評につき、わずか3年で生産を終了。これも無常な時代の流れ、か。
2003 FXDWG

エボ時代の93年に登場し、翌年まで日本へ正規輸入されたが、ラバーマウントFX全モデルがダイナとなった95年より導入が見送られた「ワイドグライド」。遠いフォワコンが起因となる大柄なポジションゆえ、多くの日本人にフィットしなかったのも理由だが02年より日本向けのラインアップに復活。この100周年モデルも無事、我が国の土を踏む。
2006 FXD

エボ時代から直進安定性に不安が残る初期のフレームをこの年で刷新。ダイナ全モデルがEFI&6速化され、2007年には排気量を96cu-inに拡大。ついに完成の域を見る。
2012 FLD

長きに渡る歴史の中でついに「FL」の名を冠したモデル、「スイッチバック」が登場。ショベルFLを彷彿とさせるスタイルは時流の“レトロモッド”らしさを感じさせる風格だ。
2014 FXDF

79~81年までベーシックなモデルの代名詞だった「ファットボブ」が08年にダイナで復活。130幅の16インチフロントタイヤを見る限り、ショベル時代と違う解釈がモデル名の由来かもしれない。
2015 FXDL

前年にカタログから消えていた「ローライダー」がこの年に復活。79年式を彷彿とさせるツートーンの配色や05年以来の採用となるヘッドライトバイザーなどマニア心をくすぐる仕様である。
2017 FXDLS LOW RIDER S

数あるモデルの中でハイパフォーマンスをうたい、16年より展開される「S」シリーズの中で、絶大な人気を誇る「ローライダーS」はH-D社に勤務する日本人デザイナー、ダイス・ナガオが自らの進退をかけて世に送り出した入魂の一台。企画の際、既にダイナフレームの生産終了が決まっていた故、社内から反対意見もあったそうだが、結果、スクリーミンイーグル ツインカム110を搭載するマッシブなスタイルが市場に受け入れられ、発売当時はタマ数不足になるほどに大ヒット。ラバーマウントFX、その有終の美を飾った。
ラバーマウントモデル、その実力をボンネビルで証明する男たち
97年にオリジナルの挟角60度の「スペクター」モーターをチョッパーガイズ製FXRフレームに搭載し、非公式ながら252.8㎞/hを記録したアラン・スピュース氏や2011年、愛車のFXRで「FIM1650M-PGクラス」に初挑戦でレコードを樹立した「マルマス」の水谷カズトシ氏、そして自らがもつ世界記録を26年8月30日に塗り替え、「3000APS-PBFクラス」で233.742mph(373.987㎞/h)を叩き出したラスベガス在住の日本人ビルダー、Hiro Koiso氏の06年型FXDなど、世界最速を求める舞台、ボンネビルでもラバーマウントモデルは大活躍。極限の速度の中で圧倒的なパフォーマンスを証明する。


(出典/「
text&photo/M.Watanabe 渡辺まこと