MotoDaHEAD ライカとハーレー。「第11回 上野のトシ」

「上野のトシ」といえばちょいと知れた男。ロックンロール一筋、上野公園で日曜日に踊るロックンロールチームのリーダーである。とても一途な男で、愛車の「スポーツスター」は28年前に新車で購入してから現在までずっと乗り続けているのだという。そんなトシさんに会いに行った。

元田敬三|1995年、路上(street)にて話しかけて撮らせてもらうスタイルで撮影をスタート。いまだ変わらず、主にフィルムカメラで撮影中。近年、ハーレーに乗りながら路上(road)にて気になる人や風景を発見したら急停車! カメラは人と出会うためのパスポートなのだ

ハーレーというバイクは乗る人の性格が反映されるもの

その日は晴天だったが、一緒に走れないので、スポーツスターを自宅のガレージからJRの線路沿いまで押して移動し撮影開始。ガンメタ寄りのシルバーで硬派な外装、バックステップにS&S製のキャブレターを装着するという、走る気満々な仕様だ。

話を聞くと、もともとは峠を攻めるような乗り方が好きでヤマハの2ストバイクに乗っていたという。納得だ。そして「クールス」に憧れてハーレーに乗るぞ! ということになり、選んだのが峠も攻めることのできる小柄なスポーツスターだったそうだ。購入当初は低いハンドルでカフェレーサースタイルであったが、このバイクにはアップハンドルが似合うからと今のスタイルに定着したという。

同じ敷地に愛車の「フェアレディZ」もあるというので見せていただいた。外見同様、バイクもクルマもすべて整っている。無駄がなく硬派でとてもシンプルだ。彼自身も話していても余計なことはいっさい言わず、一本筋が通っているのがわかる。ほんのたまにジョークを飛ばして笑う表情がまた愛くるしい。本当にハーレーというバイクは乗る人の性格が反映されるもので、車種やカラー、パーツ、全体の方向性など何百何千とスタイルがあるところも魅力だ。

さて撮影タイムとなり、バッチリとリーゼントに革ジャンでキマっているトシさんにカメラを向ける。写真を撮らせてもらうのは実に10年ぶりぐらいかな。カメラを向けるとサングラス越しにガンを飛ばすようにこちらをグッと見つめてくる。こちらも負けないように睨み返してシャッターを切る。静かな時間が流れ、10分ほどで緊張は解けて撮影終了となった。

その日の午後は上野公園で仲間と踊るというので同行した。到着すると日曜日ということもありイベントが開催されていて、たくさんの屋台が出店されて盛り上がっている。たまたま知り合いのロックンローラー、森仁君がDJとしてステージでロックンロールを回していた。最初は静かに傍観していたトシさんも5曲目ぐらいからいても立ってもいられずにダンスに参戦。いい汗をかいて気持ちよさそうだった。

バイクとクルマとロックンロールが本当に心底好きなんだなあ。こういう一途な男に惹かれてしまうのだ。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年2月号」)

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ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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