MotoDaHEAD ライカとハーレー。「第14回 車輪中毒」

1995年、大学在学中に写真家を志し、独学で写真を始めた当時、たまたま路上でニコンのカメラを持った青年がいたので「写真をやろうと思うねんけどまずは何をやればいいかなあ?」と訊くと、その青年は「ロバート・フランクとウィリアム・クラインの写真集を見ろ」と勧めてくれた。

元田敬三|1995年、路上(street)にて話しかけて撮らせてもらうスタイルで撮影をスタート。いまだ変わらず、主にフィルムカメラで撮影中。近年、ハーレーに乗りながら路上(road)にて気になる人や風景を発見したら急停車! カメラは人と出会うためのパスポートなのだ

30年経った現在も都市の路上で写真撮影をしている

すぐに大型書店で写真集を見たのが衝撃で、それはストリートスナップというドキュメンタリー写真だった。これしかない! といった調子で、大阪の心斎橋や難波、アメリカ村をほっつき歩いては、人物の写真を撮りまくり、写真の沼にハマって行くのだった。小鳥が最初に見たものを親だと思うかのように。

ロバート・フランクの1958年出版の伝説的写真集『THE AMERICANS』にはニューヨークのナンバープレートが付いたハーレーが写っていたり、黒人男性がタンデムするパンヘッドだったりが掲載されており、スイス人ロバート・フランクが当時見た黄金期のアメリカではキャディラックのようなクルマやジュークボックスと等しく、ハーレーもアメリカの象徴と写っていたようだ。

その後もダニー・ライアン写真集『THE Bikeriders』は再販されたものを購入し、穴が開くほど見たものだ。当時21歳だったダニー・ライアンは1960年代にシカゴにあるMCに自らが入り込み撮影したバイカーの写真集だ。2024年には映画として上映されて話題となった。

また日本人では、長濱治氏が1981年に出版した『地獄の天使』では生々しい1960年代のバイクギャングの実態に迫り、映画よりも生々しくバイクギャングの日常を映し出している。また多くのページに話し言葉のキャプションが添えられてこれが実にチャーミングで人と形を表している。

このような先人の写真集があるからこそ自分を燃やし、30年経った現在も都市の路上で写真撮影をしているのは間違いない。東京のストリートを歩いていても四六時中路駐のバイク、走行しているバイク、特にチョッパーなんぞは大好物で、すぐにカメラを向けてしまう。

日曜日の表参道にてチョッパー2台が走っている様はまるで映画『EASY☆RIDER』から飛び出して来たかのような光景だった。

ある時は族ヘル、ライダースに身を固めたライダーがヴィンテージのトライアンフでまさに走り出そうか、という瞬間に出くわした。

またある時、パリの街角ではハーレーを模したメリーゴーランドに遭遇し、大興奮したのだった。原宿のローラー族の写真も長年撮り続けている。いつかハーレーやバイクに特化した現代版『THE Bikeriders』写真集を制作してみたいものだ。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年8月号」)

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ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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