熟練の技なくしては完成しない究極の逸品
原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金や純プラチナ。これら純度100%の金属を使ってアクセサリーを製作するのは至難の業である。なぜなら、18金などの合金に比べると純度100%の素材は非常に軟らかく、リングなどの形にするためには強い圧力をかけて密度を高める必要があるからだ。さらに、機械ではなく手作業で、となるといっそう難度は高くなる。そんな時間も手間もかかるものづくりを、実直に続けているのがアクセサリーブランドの「市松」だ。
約30年前、シルバー980リングの製作からブランドの歴史をスタート。表面を金槌で叩くことによって生まれる独自の表情が「市松」の特徴である。そして、その延長線にあるのが、純金や純プラチナを使った作品。“叩く”を極めた末に、柔らかな金属の強度を保ちながら成形する、という極めて難度の高いものづくりを実現できるようになった。シルバーにはない独自の輝きを放つ純プラチナ。それらとはまた異なるマットな表情が魅力の純金。それぞれに、「市松」だけでしか得られない“本物”の輝きを放つ。

「市松」ならではの象徴的な凹凸をいっそう上質な雰囲気に見せる純プラチナ。そして、マットな表情ながら、手作業ならではの絶妙なニュアンスが魅力的な純金。左上/[3.0㎜ プラチナストレートリング]22万円〜 左下/[3.6㎜ プラチナストレートリング] 22万円〜 右上[3.6㎜ K24ストレートリング]35万2000円〜 右下/[2.5㎜ K24ストレートリング]352000円〜
1本の地金から、唯一無二の作品へ

1.素材の種類に関わらず「市松」のアクセサリーは、1本の地金から作られる。これをオーダーに合わせたサイズにカットし、金槌で叩くことによって平たく伸ばす。下準備が終わると火入れの工程へ。

2.形を整えるためには火入れによって、軟らかくする必要がある。金属の種類によって変わる火入れの匙加減にも、もちろん技術と経験が必要。続いて木槌でリングの形に整え、継ぎ目をロウ付けする。

3.いよいよ「市松」の代名詞である“鎚目打ち”の工程へ。一定のリズムが工房内に響き渡る。いくら熟練の職人でも、軟らかな無垢の金属は、この工程の途中で割れてしまうことも少なくないという。

4.ここでは解説しきれなかった工程も経て、リングが完成。職人技が詰まった1本は、他にはない高級感を放つ。最後に、オーダーに合わせて刻印を入れたり、バフがけなど仕上げの工程を行う。
同じ技法で約30年。真似できない職人技
湘南にある工房で、創業から約30年にわたって製作に携わる職人、坂入大士さん。シルバー980のリング製作から始まった「市松」は、彼の技術とこだわりによって成熟を極め、純金属を使ったアクセサリー製作に至るまで製品ラインナップの幅を広げてきた。誰にも真似できない彼の技あってこそ、「市松」の伝統工芸的な美しさが完成する。

フルラインナップが揃うベルーリア鎌倉店
鎌倉にある「ベルーリア」は「市松」のサンプルが豊富に揃うオーダーサロン。熟練のスタッフによる接客のもと、サイズ計測のうえオーダー。古民家をリノベーションした空間でじっくりと一生モノを吟味する時間は唯一無二の特別な体験となる。

【問い合わせ】ベルーリア鎌倉@belluria神奈川県鎌倉市長谷2-20-32TEL0467-22-256612:00〜18:00 不定休(要予約)@ichimatsu_accessory
Photo/Kazuya Hayashi Text/Shuhei Takano 問い合わせ/ベルーリア鎌倉TEL0467-22-2566
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