Timekettle W4 Plus
https://www.makuake.com/project/timekettle-w4plus/

AIが崩しつつある言葉の壁
多くの読者の方より、筆者の方が日々言葉の壁を感じているかもしれない。
海外取材に頻繁に出かけているので英語が堪能だと思われることもあるが、筆者は英語は不得意。旅行するのに不自由するほどではないが、実は取材はちょっと厳しい英語力。もちろん、これが中国語となると全然分からない。
そのため通訳の方にお世話になったりすることも多い。通訳の方を介して喋るのも、いろいろコツが必要で、どこで言葉を区切るかとか、英語で喋っている先方を見るのか通訳の方を見るのかなど、時々に必要なスキルや経験値もある。最近はスマートグラスを使って先方の話を理解したり、AirPodsの翻訳機能を使ったりすることもあるが、これはこれでいろいろと工夫が必要だ。
いつも、英語や中国語が自由に扱えればどんなに便利だろうかとは思う。中国で10年前に創業し翻訳デバイスを専門に作ってきたTimekettleのデバイスがどれほど実用的なのか発表会に行ってみた。説明してくれたのは、深圳ブランディープの山内佑太さん。中国語の会話のデモをサポートしてくれたのは、TimekettleのRaynaさん。

相手と片耳ずつ分け合って話す
デバイスの名前はW4 Plus。これには4つのモードがある。分かりやすいのは『1対1通訳』で、2人がイヤホンを片耳ずつ装着し、それぞれの言語で話すと、相手の耳に翻訳が届く。端末の画面を交互に見せる手間を減らし、相手の顔を見ながら話せるというわけだ。ケース自体がパカッと2つに分かれるのはユニーク。そこからお互いにイヤーピースを取り出して利用する。

相手にイヤホンを渡さず、自分だけが装着する『切替通訳』もある。聞くときは耳で通訳を受け、発言するときはアプリを「話す」に切り替える。会議や講義など、相手の話を理解しつつ、こちらの意見も伝えたい場面を想定した機能だ。

さらに、電話やWeb会議の双方向通訳、音声・動画の翻訳にも対応する。通話相手にはW4 Plusも専用アプリも必要ないという。海外の相手に「まず、このアプリを入れてください」と頼まずに済むのは助かるだろう。
ただし、利用にはスマートフォンかタブレットの専用アプリが必要で、翻訳機能はパソコンに対応しない。
専門用語の翻訳にも強く、議事録も作成可能
翻訳を担うのは、独自の『Babel OS 3.0』だ。オンラインでは52言語・106アクセントに対応(2026年10月7日現在)し、オフラインでは13組の言語ペアを利用できる。ただし、オフライン利用には言語パックの事前ダウンロードが必要だ。

気になるのは、専門分野と文脈への対応である。IT、製造、環境・エネルギー、医療・バイオの4分野に合わせた翻訳が可能で、会話の前後関係を踏まえて用語や表現を整えるという。日常会話は通じても、製品の仕組みを説明し始めた途端に意味が怪しくなる、という場面で役立つかもしれない。
会話中にはAIが要点をまとめ、終了後には議事録を作成する。話を理解するのに精いっぱいで、メモを取る余裕がない。そんなときに内容を振り返れるなら、取材や打ち合わせの心強い相棒になりそうだ。今回の日本向けモデルでは、通訳、同時要約、AI議事録に追加の月額料金はかからない。
集音には骨声紋センサーと2基のマイクを使い、『VoiceFocus』によって周囲の雑音を抑える。展示会のように騒がしい場所でも話し手の声を捉えるための工夫だが、その効果は実際の取材現場でも確かめてみたいところだ。
単に翻訳を任せるだけでなく、AI言語チューターと会話の練習ができるのも面白い。そりゃ、最終的には話せた方がいいものね。

サブスクなしの買い切り型なのがうれしい
最近はAIにまつわるサブスクが多くて、月額負担がツライという人も多いだろう。しかし、W4 Plusは無制限で永久に利用できる買い切り版。これは嬉しい。特に筆者のような状況でも、海外取材のある月とない月があるので、毎月サブスクを払うのはもったいない気がするが、買い切り型なら、たまに使うような状況でも大丈夫だ。

反面、サービスがずっと安定して提供されるのか心配な気もするが、これまで10年事業を続けているTimekettleなら信頼できるんじゃないかとは思う。
集音能力などはかなり高い、一方会話のテンポには慣れが必要
で、実際に使ってみてどうだったのか。短時間の体験では、利用はシチュエーション次第かな……という印象だった。

たとえば、先方が商取引などで、こちらと熱心に話したいと思ってくれているような状況なら、互いにW4 Plusを受け渡して、会話を始めるということも可能だろう。逆に、相手が望んでいないような状況で無理に交渉事をするというようなシチュエーションだと利用は難しいと思う。あくまで相手が会話に積極的でいてくれることが前提ではある。
日本語と英語・中国語は語順が違うので、どうしても話し終わってから翻訳に入ることになる。そのため会話のテンポはなかなかスムースにはならない。
今回の体験だけで翻訳精度や使い勝手を判断するのは難しいが、速度重視のモードではどのぐらいスムーズに話せるか? 専門用語はどのぐらい理解できるのか? 質問を重ねたときに文脈が保たれるのか? 要約や議事録が、あとから原稿を書く際にどの程度助けになるのか? 筆者としては、そのあたりが気になるところ。
一般販売予定価格は6万7999円。4万7599円のリターンは10月9日午前10時59分までの24時間限定で、配送は2027年1月末より早くの予定だ。一般販売は2027年の2月初旬から。
iPhoneや、AirPodsの翻訳で十分なのか? 専用機であるW4 Plusを持つ価値があるのか? このあたりは利用頻度や状況にもよると思うが、デバイスをお借りしたので、改めて試用してレポートしてみたい。
(村上タクタ)
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