いまが買いドキ!? ちょい旧ハーレー調査隊が、今回は「FLSTSBソフテイル クロスボーンズ」を調査!

ヴィンテージハーレーの佇まいに憧れはあるものの、本物のヴィンテージは値段がケタ違いだし、正直メカ知識のない私にとって現実的ではない。だからこそ手間のかからない現代の車両でありながら、スプリンガーフォークを備えた「FLSTSBソフテイル クロスボーンズ」がと~っても気になる。そこで「クラブハーレー調査隊」の諸君、クロスボーンズが実際にどうなのか調査してほしい。よろしく頼むぞ。

隊員A宮|ハーレーの歴史やカスタム系のネタが得意分野だという真性のバイクオタ。愛車は69カマロとXR1000

隊員N尾|ハーレーそのものより、実は周辺の文化やファッション系のネタに通じる隠れミーハー。愛車はXL883改1200

FLSTSBソフテイル クロスボーンズの平均価格は? セールスポイントはいかに?

N:今月の調査は「ソフテイル クロスボーンズ」に決まりました‼

A:おぉ~、ハーレーが純正採用した最後のスプリンガーフォークのモデルだね。クロスボーンズ以外にもこのフロントフォークを装備したモデルは存在するが、これはスプリンガーがリアルタイムで採用されていた1940年代当時のカスタムを現代に再現した、玄人好みのモデルなんだ。

N:当時のカスタムとは⁉

A:前後のフェンダーを短くカットして、フランダース製のハンドルに交換した「ボバー」というスタイルのことだよ。これは30~40年代のレーシングマシンを真似たもので、その当時大流行したんだ。映画『乱暴者(あばれもの)』に登場する改造ハーレーは、ホントにクロスボーンズそっくり。ヴィンテージのカスタムに憧れているなら、オススメのモデルといえるね。では、さっそく調査を始めよう。

―1週間経過

N:おなじみの「バイク王」さんに聞いたところ、平均価格は【170万1600円】だそうです。

A:いまや絶版のスプリンガーフォークモデルにしては意外と安いような……。実際はどうなの⁉

N:全体のタマ数は決して多くないのですが、その割にハードなカスタム車も少なくなくて、高い個体は300万円台を超えるものもありました。ノーマルの面影があるものに限定すれば、安い個体で110万円台、高い個体で180万円台。なので170万円前後がリアルな平均値になると思います。

A:なるほど~。私はカスタムされているか否かや、コンディションに重点を置いて調査したのだが、確かにカスタマイズされている車両は多かった。中でも、この車両のアイデンティティにもなっているサドルシートを通常のスプリングのないものへと交換している個体が目立った。純正の雰囲気が好きな人は、販売車両にノーマル部品が付いているのか否かは確認したほうがいいかも。コンディションは走行距離が1万キロ前後と2万キロを大きく超える個体が半々といったところで、ほかの中古車と同じぐらいといえるだろう。そもそも中古車販売店には、あまりにもひどい個体は流通していないからね。しかし販売終了から14年が経過して、自信をもって販売できるいい状態の個体が減っているのもタマ数が少ない原因になっているようだ。だから極上車を見つけたら即買い‼ それがクロスボーンズを購入する秘訣だよ。

調査協力SHOP
Beat&C世田谷店203
東京都世田谷区等々力2-6-2
TEL03-6432-3480
https://www.8190.jp/wish/ds/beat
営業時間:10時30分~19時、10~19時(土、日、祝)
定休日:火曜、第3水曜

人気のスプリンガーフォーク採用モデル!! 排気量アップなどのカスタムにも注目!!

価格:240万円
年式:2009年モデル
走行:8129km
※Beat&C世田谷店にて販売されていたが現在は売約済み

FLSTSBの平均価格:170万1600円※「バイク王」が2024年12月~2025年11月末までに販売した車両本体価格の平均値

【セールスポイント①】排気量アップしたエンジンを搭載

ノーマルの車両は1584㏄の「ツインカム96」を搭載しているが、この個体はスクリーミンイーグル製のキットで1801㏄まで排気量を拡大。パンヘッド風のロッカーカバーに交換していることも特徴だ。

【セールスポイント②】「スプリンガー」を採用した個性的なフロントまわり

フロントには、むき出しのスプリングが迫力のスプリンガーフォークを採用。これは1940年代までのハーレーに純正採用されていた旧いサスペンションの現代版で、レトロな外観のまま性能を向上させたものだ。

【セールスポイント③】専用設計のシートで雰囲気抜群

ヴィンテージハーレーを彷彿とさせるサドルシートは、2本のスプリングを備えた本格的なもの。これはクロスボーンズ専用に設計されたもので、スプリンガーフォークと合わせてクラシカルな雰囲気を醸し出す。

【調査報告①】そもそも「スプリンガーフォーク」とは!?

ハーレー社は1907年モデルからフロントにセイジャー社製のサスペンションを採用していたが、エンジン性能が向上して最高速度がアップすると、このサスをもとに上下に2種類の太いスプリングを配置したタイプ、いわゆる多くの人がイメージする「スプリンガーフォーク」へと進化した。このフォークは1930年代からすべてのモデルに装備され、1948年まで純正採用された。1949年モデルから現代的な油圧ダンパーを備えたスライドフォーク、「テレスコピックフォーク」へと進化し、スプリンガーフォークは過去のシステムとなったものの、「スプリングがむき出しの迫力ある見た目がカッコいい」とカスタムシーンでは現在も重宝されていたのだ。

スプリンガーフォークの仕組み

後ろ側の「リジッドフォーク」と前側の「可動フォーク」を下部のリンクアームで連結。可動フォークが上下に動くと、その上にあるバネで衝撃を吸収する。2種類のバネを同一線上に配置し、上下のバネが逆方向に伸縮することでサスの動きを安定化している。

現代のフォークは……

内部に油圧ダンパーとスプリングを備え、インナーチューブがアウターチューブに出入りして伸縮。その動きが望遠鏡に似ていることから、テレスコピックフォークと呼ばれている。

1948 パンヘッド|1948年モデルまで採用されたフロントフォーク

パンヘッドエンジンが登場した1948年モデルが最後のスプリンガーフォーク採用モデルとなった。そのためパンヘッドの中でも特別な存在であり、ファンからは「ヨンパチ」の愛称で親しまれている。

【調査報告②】現代によみがえったスプリンガーモデル

かつてのスプリンガーフォークは、ストローク量が少ないほか、路面からの衝撃がスプリングだけで収まらず、後ろのリジッドフォーク側にも伝わってしまうために、最悪フォークが折れてしまうというトラブルもあった。そこで、十分な強度を得るためにコンピュータを駆使して再設計。材質も柔らかく、密度の高い軟鋼を使用することで折れにくくした現代のスプリンガーフォークが1988年に登場。これを初めて採用したのが「FXSTSスプリンガー ソフテイル」だ。さらに1997年にはフロントに16インチホイールを採用した「FLSTSヘリテイジ スプリンガー」が登場。これは先に登場したスプリンガーフォークと同じものではなく、16インチホイール用に再設計した専用フォークを装備していた。

1988 FXSTSスプリンガー ソフテイル

1984年に登場したソフテイルフレームを活かし、1960年代に流行したチョッパーを実現するべく、スプリンガーフォークを現代の技術で復刻。21インチのフロントホイールやファットボブリアフェンダーを採用した本格スタイルのファクトリーチョッパーだ。

1997 FLSTSヘリテイジ スプリンガー

実際にスプリンガーフォークを採用していた1940年代のハーレーをモチーフに前後16インチホイールやディープフェンダーを採用。フリンジの装飾を施したシートやサドルバッグ、左右2本出しマフラーを装備して重厚な雰囲気に仕上げている。

この記事を書いた人
ポイズン雨宮
この記事を書いた人

ポイズン雨宮

真性バイクオタ

単気筒や2気筒のいわゆる“エンスー的なバイク”が大好きな真性オタ。中でも70sアメリカを感じさせるモーターカルチャーを特に好む。XR1000と1969年型カマロを所有し、その維持に四苦八苦しつつも実は喜んでいるドMでもある。カフェレーサー好きでもあり、フェザーベッドフレームのH-Dを作りたいと絶賛夢を膨らませ中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

東洋エンタープライズが手がける「ゴールド」。高品質な素材選びに一切の妥協なし。

  • 2026.10.20

1965年に創業した日本屈指の老舗メーカー東洋エンタープライズ社が手がける〈ゴールド〉。同社が得意とするヴィンテージへの膨大な知見と技術力の高さを活かしつつも上質にモダナイズしたものづくりに定評がある。着用時のシルエットはもちろん、高品質な素材選びに一切の妥協をしないこと。それこそがシンプルな服に深...

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

メイド・イン・ノーサンプトンを貫く英国靴の筆頭「Crockett & Jones」のモノづくり

  • 2026.10.21

革靴の聖地であるノーサンプトンにて1879年に初声をあげた〈クロケット&ジョーンズ〉。英国靴を語る上で欠かすことのできない同ブランドのモノづくりの現場に足を運んだ。 一足の革靴に宿る147年の歴史と誇り 革靴産業の一大拠点として名を馳せる英国・ノーサンプトン。中世から靴職人が集まり、17世紀には軍用...

Pick Up おすすめ記事

ヒートツイードとは? 軽くて薄くて暖かい、英国派に捧ぐ革命ツイード

  • 2026.10.26

〈トラディショナル ウェザーウェア〉が誇る人気シリーズ、ヒートツイード。英国ツイードのオーセンティックな雰囲気はそのままに、驚くほど軽く、保温性の高いオリジナル生地。一度味わうとやみつき間違いなし! 英国らしくも、軽くて暖かなツイード生地は現代的ヘビーデューティ素材の最適解である。 【コート】ブラン...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...