FXRとダイナ、違いとは?
FXRフレームはシート下がトライアングル形状になっていることが特徴。また、フレームのマウント支持点数、そして構造も後年のダイナグライドフレームとは異なる。これが今なおFXRが「ハンドリングマシン」と呼ばれる理由のひとつで、スイングアームを両側から固定しているために、コーナリング中に車体がねじれるような動きを抑制し、安定感が強いというワケだ。しかし、当時の走り屋から熱い支持を集めたものの、単に見た目のカッコよさを求める人からは敬遠される傾向にあった。シート下にサイドカバーを備えたルックスが“らしくない”と不評だったのだ。そこで開発されたのがダイナグライドフレーム。
シート下のゴツいトライアングル形状のパイプワークを省略しても問題ない強度をコンピューターで導き出して設計したため、強度はむしろFXRより向上。さらに、4速フレーム時代と変わらぬカッコよさをも実現したというワケだ。
アナタならどちらを選ぶだろう。実はこれがとても悩ましい……。
FXR|シート下のトライアングル形状が特徴

ダウンチューブ下部にある左右をつなぐプレートに、ラバーを介してエンジン前部を固定。対してリアは、エンジンとミッションをボルトでつないでほぼ一体化し、ミッション後部に軸受けを設け、スイングアーム左右をラバーではさみ込む【3点支持】が特徴。これにより後輪の安定感が強く、レスポンスの良い操縦性を実現する。

構造上、エンジンを強度メンバーにできないため、スクエア断面のメインフレームを採用することでフレーム単体での強度を飛躍的に向上させた。


フレーム前方にある左右のダウンチューブをつなぐプレートにラバーを介してエンジンをマウント。エンジンの振動をラバーによって吸収する。

スイングアームのピボット部は、エンジンにがっちりと固定されたミッション後方に設置。左右のラバーで振動を吸収する。


ホイールは9本スポークの旧型キャストでブレーキはシングルディスクを採用。フロントフォークはダイナと同じ径39㎜だがキャスター角は立ち気味の設定だ。


リアショックはダイナより若干長く、立ち気味に装着されている。取り付け位置の関係でスイングアームも短く見えるが数値的には大きく変わらない。最も異なるのはプライマリーケースの長さだ。

DYNA|4速フレーム時代のシルエットを実現

シート下にあった三角形のパイプワークが排除されたことが大きな特徴。またダイナ独自のアイソレーターという部品を介してフレームにエンジンを搭載。スイングアームの左右にラバーを備えたFXRフレームとは異なり、ダイナではリアをミッション下部の1点で支える構造を採用。前後【2点支持】となっている。

FXRフレームはスイングアームピボットの両端の2点にラバーを備えていたが、ダイナはミッション後部の下側を1点で支持している。

ボルト留めするための芯材が入ったゴムを、鉄板で挟み込んだ構造へと進化している。フロント、リア共にこの構造のマウントを利用して支持する。

FXRと同様にスクエア断面のメインフレームを採用するが、メイン後ろ側をピボット近くまで伸ばすことでフレーム単体での強度を増している。


単にフレームとエンジンの間にラバーを介した構造から、構造を見直したマウントへと進化。これによってさらに快適に、そしてスポーティな走りを実現した。


1995年モデルからホイールは13本スポークを採用。しかし日本仕様はワイヤースポークが標準だった。フロントフォークはダイナの方が長く、若干寝かせた設定だ。


アクスル位置がリアショックより後方になった他、サス自体も寝かせて装着されていることが分かる。プライマリーケースが長いためエンジン左側もボリュームある印象だ。

※編集部員が実車を計測しているため数値には誤差があります。
(出典/「
text/T.Amemiya 雨宮武 illustration/H.Tanaka 田中斉
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