東京生まれのウエスタンブランド。研ぎ澄まされたミニマリズム

東京の中目黒に拠点を構えるTHE LETTERSは、愚直なまでにウエスタンウエアを追求する実力派ブランドだ。ただ間違ってもウエスタンブランドではなく、その男らしさや色気をうまく取り組んだコレクションを展開。そのアウトプットは、都会に馴染むようにモダンであり、ミニマル。ヴィンテージを深く理解した上で、生地やパーツを1から作り込み、独特なバランス感覚でファッションとして成立させる編集力が魅力である。

The Letters Designer/向田雄一|1981年生まれ。福岡県出身。地元のセレクトショップを経て、上京後にNUMBER(N)INEへ入社。2012年に独立し、THE LETTERSをスタートさせた。

東京だからこそ表現できるウエスタンがあると思った

一言にウエスタンウエアと言っても千差万別で、派手な衣装もあれば、太陽や雨にさらされた淡いデニムまである。中目黒に旗艦店を持つTHE LETTERSはオーセンティックなウエスタンを中心としながらも、ミニマルで東京らしいモダンなスタイルに昇華している。その狙いをデザイナーの向田さんに聞くと腑に落ちた。

「10代の頃はモードに夢中でした。上京後にドメスティックブランドに入った際に、ヴィンテージを組み合わせている先輩たちが多く、そこで視野が広がりました。12年に独立したのですが、数年経った時に友人のヴィンテージバイヤーに同行して、観光では行かないようなアメリカを回ったんです。それぞれの土地にカウボーイがいて、街によって着こなしが違っていたんです。その感覚で自分のベースである東京なら、どんなウエスタンスタイルになるのだろうという想像を具現化したのが、今のスタイルですね。東京でも浮かないようなミニマルなデザインの中にも、しっかりとカウボーイのタフさや男らしい色気を落とし込んでいます。あとは生地ですね。基本的に1からオリジナルで作っていて、パーツも型から作ります。メイドインUSAにはない繊細も東京らしいウエスタンスタイルではないでしょうか」

アンティークの馬の置物。ホースシューなどもブランドのアイコンのひとつであり、ボタンやリングでモチーフにしている。

非常にシンプルでコンテンポラリーな空間に、生地からこだわったコレクションが並ぶ。ウエアだけでなく、シルバーアクセサリーや本格的なブーツも展開。一つひとつに時間を掛けて作っているので、けっして型数は多くないが完成度は高い。

【DATA】
THE LETTERS
東京都目黒区青葉台3-17-10 1F
Tel.03-6427-0280
12PM-7PM Close:Irregular
https://the-letters.net

Favorite Vintage

近年、価値が上昇しているウエスタンジャケットは、様々なタイプを所有。その中でも個性的な2着をピックアップ。左はH BAR Cで、レアなオリーブはメーカー不明。

馬とホースシューを組み合わせたデザインが目を引くポンチョ。ウールを用いたブラケットがベースになっており、カウボーイがアウターとして着用していた情景が浮かぶ。

ヴィンテージ市場で人気があるウエスタンブーツメーカーであるTONY LAMA。ミントコンディションで、ホワイトとブラックのモノトーン。色褪せない魅力を放つ。

なんとも迫力のあるフリンジジャケットは随所にハンドステッチが入っており、70年代頃の流行を感じるデザイン。タグが付いていた形跡があるが、ブランド名は不明である。

LEEのカウボーイ柄を筆頭にウエスタンモチーフの絵柄がプリントされたヴィンテージのバンダナ。日々、ヴィンテージショップに通っており、何年もかけて集めている。今回は定番のレッドとネイビーに絞った。

Original Products

チマヨベストを彷彿とさせるデザインにオリジナルのウールリネン生地。インナーは得意とするレーヨンのオープンカラーシャツ。ベスト¥66,000_、シャツ¥57,200_

定期的にリリースしているレザーパンツも象徴的な存在。今回はイタリア産のホースハイドスウェードで、あえてワイドシルエットのワークパンツに仕上げた。¥181,500_

ショート丈のワークジャケットをベースにオリジナルのスラブコットンツイルと胸にホースシューモチーフの引き手でアレンジしたカウボーイトラッカージャケット。¥74,800_

十八番のウエスタンジャケットとパンツのセットアップ。古着だとポリエステルが多いが、上質な強撚糸ウール生地に。ジャケット¥132,000_トラウザーズ¥69,300_

(出典/「CLUTCH Magazine 2026年8月号」)

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