サンダンスがソフテイルを選ぶ理由【レトロモッド編】

1982年に東京で創業された歴史を振り返ればわかるとおり40周年を迎えた“ソフテイル”というモデルの誕生から現在まで継続してさまざまなカスタムを生み出してきたサンダンス。ここでは同店がこれまで創り上げ、それぞれを確固たるものとしてきた独自の“スタイル”について改めて解説してみたい。今回はレトロモッドの歴史を振り返る。

36年前に切り拓いたレトロモッドの世界観

一見するとリジッドのように見えて、実はリアサスを備えるソフテイルというモデルだが、その特徴を捉え、サンダンスが生み出したのが一連のレトロモッド。俗にいう旧車レプリカである。

ちなみにサンダンスが最初にこの手の車両を製作したのは88年ごろのことで、当時はまだFXSTSスプリンガーソフテイルが市場に登場したばかり。もちろん、このモデルの外装を単純に換えただけでは、旧きよき時代の姿となるわけもなく、パーツのサイズ感やマウント位置、再現する年式の細かなディテールなどがZAK柴崎氏のこだわりによって具現化されたものとなっている。

その流れから92年には『スーパーパン』を製作し、翌年にはオリジナルのロッカーカバーを備えた『スーパーナックル』開発に至るのだが、ここからサンダンスのリバース・エンジニアリングが始まったといっていいだろう。当然、エボのレトロモッドも姿を再現しただけに留まらず、フライホイールをヘビーウエイト化し、『ハーレーらしい』フィーリングが追求されているのはいうまでもない。

旧車の姿でありながら決して耐久性も犠牲にしない……これもサンダンスの変わらぬ流儀である。

SUNDANCE RETRO MOD

1980年代に旧車レプリカを製作

純正リジッドより約2インチ長いソフテイルフレームのバランスを考慮し、タンクやフェンダーの配置、フォーク長などを決定することで88年に製作された旧車レプリカ。いま見るとエボエンジンであることが逆に新鮮である。

エボ・ソフテイルでハイドラの姿を再現

細かなディテールワークや車体全体のバランスを追求することで見事に56年式ハイドラグライドを再現するこのマシン。86年に登場したヘリテイジソフテイルとは明らかに違う全体の空気感、旧車らしい佇まいには素直に唸らされる。

1992年にスーパーパンヘッドが登場

STD製ヘッドやS&Sケースなど単体で流通されていたパーツを組み合わせ、デスビギアをはじめとする不足部品を新たに製作することで92年に誕生したスーパーパンヘッドもエボソフテイルがベース。まさに歴史的な1台である。

オリジナルロッカーで得たさらなる“旧車感”

ショベルヘッドに適合するオリジナルのロッカーカバーを開発し、より旧車感が高められたスーパーナックルは93年に登場。この38年式FLレプリカをはじめとする車両を製作した功績はもっと業界内外で評価されて然るべきだろう。

独自の解釈でカスタムされた旧きよき“オリジナリティ”

克明に旧車を再現したものだけに留まらず、あくまでもレトロな空気感を活かし、カスタムを手がけることもサンダンスの真骨頂。この“エクスキャリバー”も1930年代のハーレーをイメージしながら、オリジナリティあふれるスタイルに仕上げられる。カスタムとしても見事なでき映えだ。

細かなディテールワークでチョッパーライクな姿を実現

外装カスタムとソフテイル用スイングアームキットでショベルライクなイメージで仕上げられたスーパーXR-TCも独自の解釈でカスタムされた1台。エイプハンガーやコブラシートでチョッパーライクな雰囲気としながらもエンジン、足まわりともに最高峰の走行性を誇る。排気量は2030㏄。

2030㏄の排気量を誇るまことに“スーパーなグライド”

ショベルFXEの姿を再現しつつも2030㏄スーパーXR-TCを搭載するこのマシンも“究極のレトロモッド”といって過言ではない1台。後軸120psを発揮するエンジンはもとより、トラックテック内蔵のフロントまわりやブレーキの強化なども、実にサンダンスらしい。

現在の技術で再現されたロボヘッド・ローライダー

スーパーXRとはまた違う形で、1シリンダーに1ポートという理想的なエンジンレイアウトをもつ“ロボヘッド”を搭載するこのマシンもエボ・ソフテイルがベース。純正加工の外装やスイングアームキットでショベル・ローライダーを再現した姿は見事につきる。

こだわり溢れる旧車シートの数々

ソロサドルやバディシートなど旧車用純正と見まごうフォルムを持ちながら、あくまでも現在の技術で生産されるシート類もサンダンスの人気商品。こだわりが伝わる縫製とシート表皮の上質ななめしは他と一線を画す上質な高級感を誇る。まさに逸品である。

ソフテイルに30年代風のシートを装着するTバーマウントもサンダンスは用意。こうした箇所へのこだわりも高い完成度を生む所以だ。

エボ・ソフテイルにソロサドルをマウントするためのブラケット。ノーマルフェンダー用とフラットフェンダー用の2種類を用意する。

ナックルのフォルムを克明に再現

ナックル時代の分割タンク、そのフォルムを克明に再現したコチラのパーツは、そもそも2000年に登場したスーパー“リアル”ナックル用として開発されたもの。当然、既存の社外タンクとは一線を画すこだわりがあふれる。

FXEタンクをアルミでアップデート

FXEタンクのフォルムを克明に再現しつつアルミ・ウォーターフォーミングで製作されたコチラも、実にサンダンスらしいプロダクツ。表面のうねりや凹凸も皆無なため、NOパテでペイント可能なクオリティを誇るうえ、車体の軽量化にも貢献する。

多彩なハンドルバーもサンダンスのこだわり

年代ごとに細かく変わる純正ハンドルの曲線をイメージし、多彩なラインアップのハンドルを用意するサンダンス。それぞれ30~50年代のハンドルをモチーフとするものの、あくまでもエボ以降のモデルに合わせたサイズ感、実用性が与えられているのも大きな特長だろう。純正スイッチボックスに対応したディンプルありと旧車的なディンプルなしを用意する部分も、実にサンダンスらしい配慮だ。

マフラーは旧車らしい重低音を実現

旧車のシガーサイレンサーのフォルムを再現しつつも音質にこだわったマフラーもサンダンスらしい製品。エボ・ソフテイル専用設計の蛇腹エキゾーストパイプも用意する。

(出典/「CLUB HARLEY 2024年10月号」)

この記事を書いた人
CLUB HARLEY 編集部
この記事を書いた人

CLUB HARLEY 編集部

ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

憧れのアメリカンハウスに住む! 「SUNNY SPOT」の家づくりを徹底解剖

  • 2026.10.09

福岡・沖縄を拠点にアメリカンな家を作り続ける「サニースポット」。住む人のライフスタイル考慮しつつイメージする憧れの生活を実現する、そんなこだわりの家を手に入れたお宅を訪問! 広い土地を贅沢に使う、カリフォルニア風の平屋[ 石川邸 ] もともとアメリカンなものが好きだったという石川さん。家を作るに当た...

時間を重ねて、ヴィンテージになる。「RAGGY CLOTHING」の何年先も、格好いいと思える服

  • 2026.10.02

時代が変わっても、色褪せない格好よさがある。「ラギークロージング」が大切にするのは、流行に左右されない普遍的さ。アメリカンカジュアルの王道を、いまの時代に自然に着られる1着へと仕立てる。 旧きよき服を現代の日常に アメリカンカジュアルの王道を見つめながら、現代の日常に馴染む服を作る「ラギークロージン...

労働者やアウトドアマンに愛された実用服。「ウエアハウス」のフランネルシャツ

  • 2026.10.02

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 糸そのものから再現し旧式の織り機を用いて製作 フラン...

全16色! 10年以上のロングセラーを誇る「HEATH」の名作ネルシャツが超人気なワケ

  • 2026.09.30

秋冬のアメカジ服の定番、ネルシャツ。横浜のセレクトショップHEATHが手がけるオリジナルブランドBLUE PORTのネルシャツが10年以上のロングセラーを誇るとのことで、その人気の秘密に迫る。 【理由①】優れたコストパフォーマンス ディテールやシルエットにもこだわった高いクオリティに対して、なんと税...

Pick Up おすすめ記事

「FIRST ARROW’s」秋の銀祭り。

  • 2026.10.10

ようやく暑さも和らいでオシャレが楽しめる秋の到来とともに、ファーストアローズから届いたこの秋にオススメのアイテムがコチラ。稲妻を模した「ライトニング」シリーズから定番品まで、お気に入りのアイテムとともに更なるスタイルアップを目指せ! Pendant メインとなるモチーフのチョイスはもちろん、単品なの...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

Why Banana Republic? 2nd編集部イチ押し「バナナ・リパブリック」アイテムと、ブランドの魅力を徹底解説

  • 2026.09.16

1978年にアメリカ・カリフォルニア州で創業したバナナ・リパブリック。クラシックとモダンが共存する唯一無二のスタイルや歴史を紐解くことで、我々が彼らのプロダクトを手に取るべき“理由”が見えてくる。(記事をご覧いただいた方への特典を最後に紹介しています) [caption id="attachment...

TRUE SWEATWEAR, MADE IN JAPAN. “未来のヴィンテージ”となる究極のスウェット。

  • 2026.09.29

スウェットやTシャツを中心に、高品質なプロダクトを創り続けるジャパンブランド「RIDING HIGH」。生地や糸より前の“綿”から開発するなど、徹底的なモノづくりの姿勢は国内外で高い評価を獲得している。そんな彼らが生み出すプロダクトは、すべてメイド・イン・ジャパンである。 [caption id="...

日本の技で蘇る、旧きよきアメリカンベーシック。100年前の起毛機を使った「DISCUS」のスウェット

  • 2026.09.18

「ディスカス アスレチック」の「MADE IN JAPAN」プロジェクト。和歌山で受け継がれる約100年前の起毛機とそれを支える職人の技。そのこだわりから生み出されるスウェットの魅力を追った。 スウェットの裏側に宿る百年起毛 1973年、アメリカで誕生した「ディスカスアスレチック」。その歴史を日本の...