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アップル50周年。その来し方、行く末

アップルの歴史はドラマのようだ。50年前、スティーブ・ジョブスとスティーブ・ウォズニアック、2人の若者が創業した会社は、50年を経て世界のトップ企業の一つとなった。そして、我々の愛する製品を作り続けてくれている。4月1日に50周年を迎えるアップルの歴史と現在地、そしてこれからを考えてみた。

1976年って、どんな時代だった?

アップルの創業は1976年4月1日。最初のMacintoshの発売は1984年だが、その前にアップルI、II、Lisaなどの製品を作っていたのはご存知の通り。

1983年発売のLisa。

筆者は当時のことはまったく知らないのだけれど、 Lisaが出たのは1983年だから、筆者的にはガンプラブーム真っ盛り(笑)。スターウォーズで言えば『ジェダイの帰還』を見ていた時代。そう思えば、ガンダムもスターウォーズもMacさえも存在しないような時代に、よくコンピュータを描いたものだ。

この頃、京都のパソコン少年だった筆者は、シャープのPC-1261や、X1 turboなんていうパソコンを寺町の電気屋街(当時、四条寺町下るが京都の電器屋街だった)で手に入れて、BASICでのプログラミングに没頭していたが海の向こうでLisaやMacintoshがうぶ声を上げていたとはまったく知らなかった。なにしろ、インターネットもなかったから、海外のことなんて知りようもなかったのだ。

1984年、あなたは何をしていましたか?

そして、Macintoshの登場!

これはご存じのように、1984年なのだけど、8年後の1992年に、筆者が東京のバイク雑誌(ライダースクラブ)の編集部に転がり込んだ時、デスクの上にあったのは同じ9インチディスプレイを備えた、後継機種であるClassic IIだった。Classic IIの発売は1991年だから、割と最新機種があったわけだ。当時の先輩に「このパソコンは80万円もするんだ。お前の給料(13万円でした)よりずっと高いんだから、壊すんじゃねぇぞ!」と凄まれたことを思い出す。この小さな画面を見つつ徹夜で原稿を書いたり、テトリスをしたりしていた。

ちなみに、OSは6.0.7、原稿を書いていたソフトはEGWORD 5.0、IMEはEGBRIDGEだった。以来、IMEはずっと辞書を引き継ぎながらEGBRIDGE系を使っていて、今もかわせみを使っている。

ともあれ、以来、ずっとMacを使っているんだから、50年のうちの34年はお付き合いしているということだ。

iPod、そしてiPhoneの登場

その後、自宅用にPerforma 5210、続いてPowerBook 2400cを買って、以来ずっとノート型のMacを乗り継いでいる。

iPodとの出会いは今も覚えている。

たまたま、同窓会があって新宿に行ったのだ。すると、意外なことに目の前にあったさくらやに発売されたばかりのiPodが山積みになっていた。同窓会が始まるまでまだ時間があったので、ついiPodを買ってしまい近くのカフェに入って、これまた買ったばかりだったPowerBook G4のiTunesと同期させ、音楽を聴けるようにしたことを思い出す。

その時に思ったのは、ディスプレイがあり、CPUとストレージ、クリックホイール、FireWireというインターフェイスを持つこのデバイスは、単体で「小さなコンピュータじゃないか!」ということだ。「FireWireでキーボードを接続できたらいいのに!」と思ったものだ。

その想いがかなうまでには、さらに6年の歳月が必要だった。

iPhone発売という歴史的瞬間を迎える頃にはすっかりアップルファンになっていて、たしか衝撃的なプレゼンテーションは深夜の編集部で見ていたと思う。

しかし、iPhoneは日本で発売されなかったので、iPod touchを買ってお茶を濁した。iPhoneを手に入れたのは翌年のiPhone 3Gの時。この時は、前日の夕方から表参道のソフトバンクに並んで買った。実に懐かしい思い出だ。

特別なアクセシビリティ、教育、環境への取り組みと、リテールストア

アップルがユニークなのは製品だけではない。

印象的なのはこの広告。

「障害を持つ人は、多くを期待されないことが多いから、それに抗える強い意志が必要になることを知っている。私たちはそういう考え方を理解している。そして力になれるように調整されたコンピュータを用意している。ぜひ、障害のある人に『できること』について、考えを聞かせて欲しい……」というようなことが書かれているのだが、これはアップルのアクセシビリティに関する思想をよく表している。

とってつけたような障がい者対応ではなく、アップルのアクセシビリティはそのDNAなのだ。

同様に教育についても、環境についても、アップルは「タテマエ」でやっているのではなくて、本音で「世界を変えよう」とチャレンジしている。本音で取り組んでいるから、人の心を動かすのだ。

2030年、創立54年の年には、アップルは実質カーボンフットプリントをネットゼロにしようとしている。コストがかかっても、それが必要だと思っているからアップルはそうするのだ。

リテールストアの取り組みもユニークだった。

Apple Storeも始まりはiPodと同じ頃、つまり2001年で、日本の銀座にできたのは2003年。当時は、家電量販店に行くと、MacはWindows機の片隅に置かれていて、店員もMacのことを知らないことが多かったから、その対策なのかな……と思っていたが、今こうしてカタチになってみるとそうではなかった。

アップルのメッセージを100%伝える場所が必要だったのだ。

世界には、500店舗以上のApple Storeがあり、多くの場所で最高の購入体験を得られるようになっている。製品の情報を100%提供してもらえるし、別に他の店で買ってもいいと言われる。また、故障しても、使い方が分からなくてもサポートしてもらえる。こんな店は他にない。

世界のいろんな場所にあるApple Storeは建築としてもユニークで、筆者は海外に行くとその土地のApple Storeに行くのを楽しみにしている。

これまでの50年、これからの50年

アップルが始まって50年。
Macintoshが登場してから42年。
iPodが登場して、Apple Storeができてから25年。
iPhoneが発表されてから19年。
ジョブズが世を去ってから15年。

ガレージで生まれた基盤型のコンピュータがVision Proに到達するまで50年。

2076年に至る、これからの50年にはどんな変化があるのか、楽しみでならない。

なお、アップルはこの月末に創業50周年を祝うイベントを世界中で開催している。基本的には過去を振り返らない(未来の製品についてもコメントしてくれないが)アップルにしては珍しい、特別なイベントだといえるだろう。

日本では2026年3月27日(金)の午後7時からVirtual Artist のMori Calliopeによる「創造性とテクノロジーの祝典」と題したライブイベントをApple 表参道で行う。

パ⁠フ⁠ォ⁠ー⁠マ⁠ン⁠ス⁠:Mori Calliope – 創⁠造⁠性⁠とテ⁠ク⁠ノ⁠ロ⁠ジ⁠ー⁠の祝⁠典
http://apple.co/mc

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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