たまには歩きやすいブーツってのが欲しくなるんだよな(モヒカン小川)

「アウティングシューズって聞くと、運動靴を想像するかもしれない。でも俺はこれ、“休日に履くための革靴”だと思ってるんだよな。ワークブーツほど仕事っぽくなくて、ドレス靴ほど気取ってもいない。つま先近くまで通った紐で足を包み、細身のフォルムでどこへでも行ける。100年前の人も、きっとこういう靴を履いて、街の外へ遊びに出たんじゃないかな。
実際、当時の靴屋では、ワークシューズとは別にアウティングシューズが並んでいた。仕事のためだけじゃない。散歩でも、スポーツでも、休日の外遊びでも履く。今みたいに用途別の靴が細かく分かれる前の、いわば頼れる万能選手だよな。ランドネの面白さは、そこをただの古い形として写していないところ。サイドを大きな一枚革で取り、つま先近くまで伸びるレースで足全体を包む。足首だけを固めるワークブーツとは、考え方が違う。しっかり締められるのに、見た目は軽快。この細身で高いレースアップに、スポーツ靴の血筋が残っているんだよ。
デニムでも軍パンでもいいけど、これは重厚に見せるためのブーツじゃない。履いて、歩いて、日常をより楽しむためのブーツだ」


ヴィンテージウエアを熟知する後藤洋平と、靴の造詣が深い鈴木理也が手がけるザ・トゥーモンキーズ。古い靴に残る意匠を掘り下げ、1足を今の足元へ再構築する。

1880年代のスポーツシューズに源流を持つランドネを、約3㎜厚の丘染め茶芯レザーで別注。つま先近くまで続くレースアップと1枚革のサイドが、足に沿うような軽快な履き心地を生む。履き込むほどに黒の奥から茶芯が現れ、自分だけの表情に育つ。110,000円
古のスウェットの機能を侮ることなかれ(松島親方)

「俺はスウェットを見ると、まず首から肩にかけてのフライスに目がいく。普通なら首回りのリブで終わるところを、こいつは肩まで大きく使っている。動画では帽子をかぶったまま頭を通したんだけど、そのときに首元がちゃんと受け止めてくれた。帽子を脱がずに済む、これが地味にうれしい。フライスは頭を通す場面で窮屈さをなくし、着れば肩周りや腕を動かしやすい。見た目の切り替えじゃなく、着る人の動きに寄り添うためのパーツなんだよな。
袖口と裾のフライスも、手首と腰をただ絞るだけのものじゃない。身頃のふくらみを受け止めて、着たときの全体の収まりを決めている。で、胸と背中のVガゼットはフライスとは別の話。首元の動きに余地をつくりながら、負荷が一点に集まらないように支える、いわば縁の下の力持ち。脇下のガゼットも同様で、腕を前に出したとき、生地が突っ張らないよう逃げ道をつくっている。つまりこの一着、切り替えがデザインのように見えて、全部に着やすさの理由がある。シンプルに見えて、先人の知恵を詰め込んだ機能服なんだよな」

ライブ配信では、松島親方がブラウンのスウェットにまつわる思い出を披露。それは意外にも学生時代のエピソードだった。気になる方は「ライトニング編集後記LIVE/Vol.267」を今すぐチェック!


首から肩へと続くフライス、前後のVガゼット、脇下のガゼット。約100年前のフットボールウエアに備わった機能的な意匠を、奥深いブラウンとオートミールの同系色で現代的に仕立てた。29,700円
(出典/「Lightning 2026年11月号Vol.391
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