
ロンジンとは? 価格の割に圧倒的なポテンシャルを持つ
実用ヴィンテージの狙い目である40~60年代製。つまりプロダクトとしては約70年前のものなので、日々実用するらならば、本格的に設計・製造されたものが望ましい。もちろん予算に余裕があれば、ハイブランドから選ぶのが無難だ。しかしお手頃にヴィンテージを楽しみたいとなると、ブランドの選定が重大だ。もちろん「IWC」や「オメガ」も悪くない。しかし、やや高くなったと感じる人も多い。その点、「ロンジン」は、穏やかなポジショニングを維持している。
二次流通市場における影響は未知数であるものの、プロダクトの確かさに比して、非常に割安感があるのは確かだ。それはムーブメントを見れば良く分かる。40~60年代の「ロンジン」は圧倒的に重厚なオーラを纏う。ディープな愛用及び鑑賞に応えるだろうポテンシャルを備えており、狙って損はない。
ロンジンが、いい理由(9L編)
歴史的名作に肩を並べる堂々たる面構え

一説には「パテック・フィリップ」の「Cal.9-90」(Cal.とはキャリブレーション)やインターのCal.87に比肩すると唱える人もいるロンジンの「9L」(写真は薄型の「9LT」)。当時の角型ムーブメントとしては大きめのテンプを搭載しており、安定した歩度を維持することから、高い実用精度にて信頼を得た。
耐久性を考慮した念入りの設計に黄金期の栄光が滲む

輪列の受けなど、各パーツは分厚く耐久性を考慮した仕立てを追求。受け板は歯車の配置に合わせ曲線的にカットされるだけでなく、しっかり面取りも施されている。金のシャトンと合わせて鑑賞に堪える景色を作り出す。また、巻き芯には交換を前提とした保護カバーが付き、長年の安定した巻き上げを確保している。
長谷川さん私物の名作ロンジン
Cal.9LT


「ロンジン」の「cal.9L」(写真は薄型の「9LT」)は、1930年代後半〜50年代頃にかけて製造された、「ロンジン」黄金期を支える角型の名機。優れた実用性を誇る
Cal.23ZS


「Cal.10.68Z」の設計を受け継ぎ、ブラッシュアップされた伝説的名機が「23Z」である。「23ZS」はそのセンターセコンド版。
狙うべき、ロンジンの名作時計

(左から)
Cal.30CH
歴史的にロンジンの本質はフライバック式クロノグラフにあると言える。名機「cal.13ZN」は希少すぎるが、「cal.30CH」は予算に余裕があるなら一考すべき世界遺産。この1本は、なんと純正の箱、ギャラ付き。178万円(スイートロード川崎本店TEL044-544-8177)
ULTRA-CHRON
1960年代から時計業界は自動巻き・スピード化の時代に入る。ロンジンは1966年に「cal.431」を載せた「ウルトラクロン」を打ち出し話題に。また2022年には復刻版も登場し、アイコンとしての認知を広げた。13万8000円(スイートロード川崎本店TEL044-544-8177)
Cal.12.68Z
確実な設計と優れた耐久性で人気の「cal.12.68Z」。「cal.23Z」に先立ち1930年代から生産された手巻きの名作だ。民生用はもちろん、その高精度からミリタリーや天文台コンクールモデルにも搭載された実績を持つ。20万9000円(ダイワ時計店TEL046-221-0895)
Cal.23Z
手巻きの傑作として著名な「cal.12.68」が27mmサイズの機械であるのに対し、この「cal.23Z」は23mm。耐久性重視の設計思想はそのままに、やや小ぶりゆえ角型や薄型などのケースにも対応する懐の深さも良い。24万8000円(ジャックロードTEL03-3386-9399)
(出典/「2nd 2026年7月号 Vol.219」)
Photo/Nanako Hidaka, Norihito Suzuki Text/Tsuyoshi Hasegawa
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