俺とモノ。「Stevenson Overall Co.」代表・多賀谷さんの“アガる”モノたちを紹介する散財日記。

日々の生活での「買い物」は重要なキーワードであり、モノを買うことでテンションが上がることが、買い物の本質だと語るStevenson Overall Co.の代表であり、デザイナーである多賀谷氏。ヴィンテージのワークウエアにインスパイアされたプロダクツを独自のセンスで再構築する。素材、縫製のみならず、ディテールワークまで緻密に計算されたプロダクツが真骨頂。テンションを上げるための買い物とお酒は必須で、好きな銘柄は菊正宗純米。そんな氏が日々の中で手に入れた「アガル」モノたちを紹介する散財連載。

HONDA XL250S

1970年代、オフロードバイクの主流は軽くてパワフルな2ストローク車だったが、HONDAは4スト単気筒のXL250で世界制覇を目論んだ。1978年に登場したのがその後継となるこのバイク。23インチ大径フロントホイール。およそ50年も前の車両とは思えないほどのグッドコンディション。

MITCHELL PATTERN CAMO TROUSERS

アメリカ軍でテントなどに使われたミッチェルパターンと呼ばれるカモフラージュ生地。ベトナム戦争時にはローカルメイドでジャケットやトラウザーズが作られた。ヴィンテージとしては当然のことながら希少種。タイガーストライプ同様、ミリタリーファンの心を熱くさせる。

TAILOR MADE GUAYABERA

沖縄の宜野湾市、国道58号沿いのヴィンテージ家具や雑貨の店が立ち並ぶ。この界隈では刺さるアイテムに出逢える確率は抜群に高い。メキシコの民族服グアヤベラは本来、単色のシャツだが、これはRUGGED GLORYがメキシコのテーラーに別注したクレイジーパターン。

VINTAGE AUSTRIAN ALPINE BOOTS

19世紀にオーストリアで創業したLUDWIG REITERというブーツブランドは、登山靴や軍靴など、質実剛健なブーツを作り続ける数少ない同国のブーツメーカー。このブーツは雪山での浸水を防ぐノルウェイジャン製法で作られた。ブランド名は確認できないが、その作りから、同ブランドと確信した。

WOODEN FOLDING BENCH

ヴィンテージ雑貨や古道具がかなり充実しているという情報を得て、埼玉県の狭山蚤の市に行ってきた。出店者の質が高いフリマなのに、それほど混んでおらず、公園の広々としたスペースも気に入った。そこで数々のアイテムを購入したが、中でもイチオシは1930年代のアメリカ製折り畳みベンチ。おそらくオークの無垢材で作られた。

HANDCRAFTED LEATHER CEREMONIAL MASK

ラ・ティグラーダはメキシコのゲレーロ州チラパで毎年8月に行われる祭り。人々はジャガーに扮して農地を走り回り、豊作を祈願する。そのジャガーのマスクはなんとオールレザーで、馬の尻尾を植え込んでヒゲを表現している。これも沖縄を訪れた際に宜野湾のRUGGED GLORYで購入。我が家のオブジェとして迎え入れた。

FLY ROD & REEL

同じヘリテージファッション業界の盟友であるマイク・ホッジスが、アジアの旅の途中で我が家に滞在。彼の趣味は渓流釣りだ。埼玉の釣具店で、コストパフォーマンスの高いタックルを見つけ興奮していた。さらにその時、彼が私に買ってくれたことで、突如、渓流釣りを始めると宣言することになった。

VINTAGE BAND TEE / PUBLIC ENEMY

アメリカのヒップホップ/ラップグループ「PUBLIC ENEMY」のTシャツ。青春時代にアメリカを転々としていた頃に、よく聴いていたが、いまとなっては彼らのTシャツもヴィンテージ古着として扱われていることに、少し戸惑いを感じるが、様々な思い出が甦る。懐かしい友に再会したような気分になり、買わずにはいられなかった。

(出典/「CLUTCH Magazine 2026年8月号」)

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