アップルのプレスリリースはこちら(現時点では日本版は公開されていない)
https://www.apple.com/newsroom/2026/04/tim-cook-to-become-apple-executive-chairman-john-ternus-to-become-apple-ceo/
また、ティム・クック氏からアップルとしては異例のコミュニティレターが発表された。
https://www.apple.com/community-letter-from-tim/
どうなる? これからのアップル
ジョン・ターナス氏への交代は長らく噂されていたものだし、アップルも『取締役会は全会一致でこの人事を承認し、綿密な長期的後継者計画プロセスを経て決定』したものだと発表。ティム・クック氏就任時のような周囲からの批判の声は少なそう。
「ジョブズの代わりは務まらない」など、批判の声の多かったティム・クック氏の就任だが、終わってみれば2011年から15年間というアップル史上最長の期間CEOを務め、その間にiPhone、iPadを成長させ、Apple Watch、Vision Pro、AirPodsやApple TVなどのサービスを拡充させた。その間にアップルの売上は4倍、時価総額は約11倍に成長した。歴史上もっとも大きな成功を収めたCEOのひとりと言っていいだろう。
セールスやオペレーション部門からCEOにステップアップしたティム・クック氏に対し、新CEOに就任するジョン・ターナス氏はハードウェア・エンジニアリング担当SVPからの昇進となる。多くのハードウェアの開発を指揮してきたジョン・ターナス氏の就任で、アップルの戦略がどう変化していくのか楽しみだ。

ジョン・ターナス氏は2001年のスティーブ・ジョブズ時代にアップルに入社。歴代のiPadや、AirPodsの開発に携わっており、MacのApple Silicon移行においても重要な役割を果たしてきたと言われている。反面、家族やプライベートに関する情報は公開していない。ティム・クック氏は2014年に同性愛者であることを公開し、アップルがジェンダー問題、人種問題に関する多様な方向性を示すのに大きく貢献してきた。プライバシーや環境問題に関してもティム・クック氏のリベラルな姿勢はアップル独自性を強く象徴してきたといえるだろう。このあたりがどう変化していくのかも注目したい。

ジェンダーや人種、環境問題といえば、現アメリカ政権との方向性の違いは大きく、舵取りの難しい問題ではあったが、ティム・クック氏は持ち前の調整力と現実的な判断力によって、企業としての立場を大きく損なうことなく、自らの価値観をにじませるかたちで発信を続けてきた。ティム・クック氏が今後も『特定分野の業務を支援』とされるのは、おそらくこうした現アメリカ政権や中国の習近平政権とのやりとりが含まれるのかもしれない。
ティム・クック氏を追い続けた10年間
筆者は、2010年からアップルの取材をスタートしているが、ジョブズに会う機会はなかったので、flick!、ThunderVoltの取材で目にするのはずっとティム・クック氏の姿だった。Keynoteで壇上に上がる姿はもちろん、新製品のタッチ&トライでは、多くの場合会場に姿を現し、製品を触って見せていた。現地に取材に行くようになったのは、2016年秋のiPhoneからなので、おそらくその時に初めて『生ティム・クック』の姿を見たと思う。
一番最初に身近に相見えたのは2018年にiPad(第6世代)の発表会(文教分野での機能性をアピールするために高校で行われた)でシカゴに行った時で、取材後の夜、市内のApple Michigan Avenueに行ったら、突如ティム・クック氏が現われ、一緒に写真を撮ってもらえた。その後も、2022年のWWDC(マスクをしている写真)、同じく2022年の秋のiPhone発表時に一緒に写真を撮って短い挨拶を交わす機会に恵まれた。

印象的だったのは、昨年秋の来日時で、筆者はバンダイナムコへの表敬訪問、アップルジャパンでのアプリデベロッパーのプレゼンテーション、横浜の綱島Apple YTCでのサプライヤーのプレゼンテーション、Apple銀座リニューアルオープン、Apple梅田訪問の5カ所でティム・クックを取材することができた。

特に、綱島Apple YTC訪問では、1時間半ほどひとつの部屋にご一緒することができ、一挙手一投足を取材できた素晴らしい時間だった。
思えば、あの来日は、我々日本のアップルファンにティム・クックが別れを告げる時間だったのかもしれない(少し、そんな予感のする訪日だった)。
今後、ティム・クックCEOを取材する機会が減るのは残念だ。ジョン・ターナス氏を取材する機会はあるのだろうか? 9月に就任ということはWWDCはまだティム・クック氏がハンドリングし、iPhoneの発表会からジョン・ターナス氏が舵を取るカタチになるのだろうか?

ジョン・ターナス氏については、あまり接する機会がなかったので、今後機会があれば、ぜひ皆さんにその様子をお伝えしたいと思う。
(村上タクタ)
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