私たちは、ペットボトルで飲み物を飲んでいていいのだろうか?
日本で1日にどのくらいのペットボトル飲料が飲まれているかご存知だろうか? その数はなんと7,670万本。
日本人すべて平均して、1週間に4.3本のペットボトル飲料を飲んでいるという計算になる。日本全体で年間に287億本。日本は比較的リサイクル率が高いが、ゴミとなるのが42億7千万本。尋常ではない数である。

マリコさんは新聞社でキャリアを積んだ後、フリーランスとなり、リモートで仕事をしながら沖縄で過ごした時期があったという。その時、ビーチに打ち上げられるペットボトルゴミの多さに衝撃を受けたのだそうだ。

「ほんの数分間の自分の満足のために、地球にほぼ永久に残るゴミをばらまいていいのだろうか?」
マリコさんは周囲の人に聞いてみた。危機感を持っている人は少なくなかった。気候危機やゴミ問題など、実は多くの人が「自分も何かしたいけれど、どうすればよいか分からない」と思っていた。 すでに実践者がいるため、そうした人たちから学べる場をまず作ろうと考え、イベントを開催した。なんと一度目から100人もの人が集まった。そこからコミュニティが広がっていった。
課題解決するために、iPhoneアプリを開発
ペットボトルの数を増やさないようにするためには、みんながマイボトルを持つようにするべきだ。そうした運動はあるが、意外とマイボトルは普及しない。

マイボトルを持つ人がリフィル(継ぎ足し)できる場所が多くあれば、マイボトルを使う人が増えるのではないだろうか? 実はリフィル可能な場所はあるのだが、それが共有されていない。分かりやすく見ることができないのが問題なのではないだろうか?
そこで、マイボトルにリフィルできる場所を共有できるアプリを作ることになった。

マリコさんと仲の良かったエンジニアや学生が集まって、空いてる時間を共有して、フリーのコワーキングスペースに集まってプランを練った。スマホアプリも作ったことがなかったので、仲間の協力がなかったら不可能だったという。

そうして出来上がったのが『mymizu』というアプリである。ユーザーは自分の近くにどこで水をリフィルできるかを探すことができ、リフィルできる場所を共有することができる。提供できる店舗や企業は自らアプリに登録できる。公共の場所などでリフィルできる場所は、ユーザーが自分で登録することもできる。

どうすれば使ってもらえるのだろうか?
もちろん、課題は少なくはない。
最初のうちは、どうやって多くの人に知ってもらうか? どうやって企業やお店に登録してもらうかが課題だった。
折りしも2019年の秋でラグビーのワールドカップが開催されるタイミングだったので、「ワールドカップ観戦に来日する人は、水の補給に困るに違いない」と思って、ワールドカップで来日する人向けにSNS展開した。その予想は当たって多くのラグビーファンがシェアしてくれた。

水の補給は海外からの旅行者が困るポイントなので、海外の旅行サイトなどでも数多く紹介され、今ではインバウンドで来日する人の定番アプリとして紹介されることも多いという。
SNSで話題になることは多く、企業から協力の申し出も数多くあった。ドトールや、IKEA、ヒルトンホテルなどでも給水できるという。また、実際にはアプリを運用するためにはサーバー費用などさまざまなコストもかかるが、それらをサーポートしてくれる企業も現れた。
ランニングする人は水を必要とするということで、Nikeとのコラボも実現した。
「水をそのまま飲みたくない」という人のために、オーストリアのスタートアップ『Waterdrop』とのコラボも実現した。味を凝縮したタブレットで、水にいれると味をつけることができる。もちろん、自然由来の素材で砂糖を含まない。

リフィルする場所は公共の場所であれば各人が登録でき、お店であればお店自身が登録できる。来た人がリフィルしてもよいとお店が自ら申し出て登録することができる。また、浄水か普通の水道水か、冷水か温かいお湯も供給されるのかなども分かるようにしている。
登録スポットを増やすためにボランティアで協力してくれる人も現れたし、協力したり、スポンサードしてくれる企業も増えた。しかし、まだまだ課題は少なくない。
目指すは社会変革だ。
筆者が幼い頃は缶ゴミや吸い殻を道端に捨てる人がたくさんいたが、それは今や恥ずかしいことになり、日本ではそんなことをする人はほとんどいない。
いつかペットボトル飲料を飲むことが恥ずかしいことになるかもしれない。プラスチックゴミのない世の中へ社会を変えるために、mymizuの活動は続く。
まずは、アプリをiPhoneにダウンロードしてみよう。
mymizu
https://apps.apple.com/jp/app/mymizu/id1480535233mymizu/
(村上タクタ)
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