イタリア・パルマで誕生。世界屈指のベルト「Anderson’s」、その生まれる場所へ

1966年、イタリア北部に位置する美食の街・パルマで創業したベルトメーカー「アンダーソンズ」。装いを完成させる“名脇役的存在”のベルトをメインとする稀有な存在にして、世界的な評価を獲得する某ブランドのプロダクトはどのように生まれるのか。その魂が宿る自社工場に足を運んだ。

イタリア・パルマの地に宿る60年の歴史とクラフトマンシップ

世界屈指のベルトメーカーとして名を馳せるアンダーソンズは、今年で創業60周年を迎える。最高品質の革だけを採用したレザーベルトはトラッドスタイルを引き締める、我々にとっていつかは手に入れたい憧れの存在だ。生産におけるすべての工程は、イタリア・パルマの自社工場で、ハンドメイドにて行われる。

機械化が進む現代において、時代に逆行しているようにも思えるが、社長のリカルドさんは「効率化を優先することは考えたことがない」と断言する。同ブランドの従業員は工場勤務が30数名、オフィス勤務が約10名という少数精鋭。世界各国で愛され続ける理由は“クオリティの追求”にほかならない。

革の選別、裁断、トリミング、打ち抜き、ステッチング、刻印、糸始末、コバ処理、仕上げ……。アンダーソンズのベルトが一本完成するまでに、100を超える工程があると言われている。そこにはクオリティだけではない“何か”が宿っている。それは長年の歴史により培われてきたノウハウ、ベルト専業というニッチなフィールドで生き残るための設備投資や職人の教育、そして彼らのモノづくりに対する誇りがそうさせているのだろう。

「60年代のイタリアは車産業が隆盛していましたが、いまはドイツや日本といった他国を追いかける立場です。どの業界でもクオリティと進化を追求しなければ廃れてしまう。昨日よりも今日、今日よりも明日という姿勢で今後もモノづくりと向き合っていきたい」とリカルドさん。彼の言葉を聞くと、アンダーソンズのプロダクトに宿る“何か”の答えが少しわかった気がした。

コバ塗り後にベルトを乾かしている様子。アンダーソンズはレザーベルト、ウーブンベルト(ゴムメッシュベルトなど)の大きく2種類のベルトを製造しており、年間で作るベルトは約20万本に及ぶ。

レザーの状態確認、裁断、ライニングの貼り合わせ、縫製、バックルホールを開ける作業、コバ塗り、ブラッシングなど非常に細やかな工程があるなか、そのほとんどが職人の手作業で行われている。

2代目社長のリカルドさん。彼のポリシーは、「make it good,make it better,start again」。常に良いものを目指し、時に初心に戻る。この姿勢がアンダーソンズの歴史を紡いできた。

アンダーソンズのレザーベルトには、最高品質の革だけが採用される。例えば、最高級のカーフを作ることで有名なタンナー・アノネイ社は、エルメス傘下でありながら、いまもアンダーソンズにレザーを供給し続けている。長年の歴史とクラフトマンシップが信頼につながっているのだ。

革の裁断面に塗料を塗るコバ塗りは、①塗る→②乾かす→③ブラッシングという工程をなんと5セットも行う。塗料をしっかり浸透させるために手間暇を惜しまない。上は過去にOEMを手がけたブランドの膨大な数の刻印。

【Anderson’s×2nd】スペシャルなコラボが実現!

ブランド初期から存在するアーカイブをベースに2ndが別注した特別なベルトが完成。上品なブローグのデザインと黒と茶のコンビが特徴だ。詳しくはCLUB 2ndをチェック!

【問い合わせ】
エスディーアイ
TEL03-6721-1070

この記事を書いた人
みなみ188
この記事を書いた人

みなみ188

ヤングTRADマン

1998年生まれ、兵庫県育ちの関西人。前職はスポーツ紙記者で身長は188cm(25歳になってようやく成長が止まった)。小中高とサッカーに熱中し、私服もほぼジャージだったが、大学時代に某アメトラブランドの販売員のアルバイトを始めたことでファッションに興味を持つように。雑誌やSNS、街中でイケてるコーディネイトを見た時に喜びを感じる。元々はドレスファッションが好みだったが、編集部に入ってからは様々なスタイルに触れるなかで自分らしいスタイルを模索中。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

無垢の金属、輝く伝統。純金や純プラチナを使った「市松」の究極の逸品

  • 2026.09.25

純金や純プラチナなど、純度100%の軟らかい金属をアクセサリーにするためには非常に高い技術が必要だ。それを可能にするのが「市松」。約30年にわたって培った“叩く”技術が可能にする唯一無二のリングの輝きに迫る。 熟練の技なくしては完成しない究極の逸品 原材料高騰の影響もあって、希少性が高まっている純金...

今季ワードローブに加えたいアイテムを厳選紹介! 「EIGHT-G」で秋支度。

  • 2026.10.04

秋の装いが楽しくなる季節。ミリタリーやワークといったアメリカ由来の実用服をベースに、素材やディテールへこだわりを詰め込んだエイトジーの新作から今季のワードローブに加えたいアイテムをピックアップ。 (右)ジャケット110,000円(TMJ2615)、シャツ23,100円(8LS-81)、ジーンズ24,...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

Pick Up おすすめ記事

「FIRST ARROW’s」秋の銀祭り。

  • 2026.10.10

ようやく暑さも和らいでオシャレが楽しめる秋の到来とともに、ファーストアローズから届いたこの秋にオススメのアイテムがコチラ。稲妻を模した「ライトニング」シリーズから定番品まで、お気に入りのアイテムとともに更なるスタイルアップを目指せ! Pendant メインとなるモチーフのチョイスはもちろん、単品なの...

歴史に残る空軍服を、いま再び。機能美が息づく「中田商店」のモーガンメンフィスベル

  • 2026.10.02

メンフィス・ベル号の機長、ロバート・K・モーガン氏との交流から始まったモーガンメンフィスベルは第二次世界大戦期の空を支えたフライトウエアを現代に蘇らせる中田商店のオリジナルブランド。極限の環境で求められた機能と、色褪せない完成されたデザインが魅力の航空服を紹介する。 R.A.F. Irvin She...

本格派でコスパも優れる「Amber Threads」のライトアウターで秋を始めよう!

  • 2026.10.05

古着店「DOSTYLE」を運営する「ドラマ」が手がける気鋭のアメカジブランド「Amber Threads」。“トレンドとヴィンテージを融合したアメカジスタイル”を掲げる同ブランドはバリエーション豊かなライトアウターを展開する。ヴィンテージをベースとした本格派でありながらコストパフォーマンスにも優れる...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。