mutalk 2
https://ja.shiftall.net/products/mutalk2
頼むから、カフェで大声でビデオ会議するのは控えて欲しい
「カフェで会話するのはOKなんだから、ビデオ会議はNGってことはないはず」「だって、他に場所がないんだから、しょうがねぇじゃねぇか」などさまざまな意見があると思う。
ルノワールだとOKだけど、スタバはNG。じゃ、CAFÉ de CRIÉは? とか、東京はOKだけど、横浜だとNGとか、そこはムードや雰囲気、マナー……など種々の要因がからみ合う。地方都市は人の密度が低い分、ビデオ会議はNGなところが多いと思うのだがどうだろう? 東京は人が多すぎて、なし崩し的にOKになっているところが多い気がする。
実際、諸外国は電車の中での音声通話はOKのところが多いけど、日本はNG。つまり、諸外国ならカフェで会議はOKなのかもしれないし、私が神経質のかもしれない。
しかし、カフェで会議する人が全員、mutalk 2を使っていれば問題ないのだ。もしくは、カフェに常備しておいて、ビデオ会議を始めた人には強制的にmutalk 2を付けさせればいい……。
というのは、もちろん、暴論であるのは分かっているが、ひと時の安らぎを求めてカフェに入った時に、会議で部下をガン詰めしているオジサンが隣の席だった時は、「オレの安らぎはどうなるんだ……」と絶望的な気分になる。というか、あなたの会社の社外秘がダダ漏れですよ、とも思う。mutalkを常備して、会議してるオジサンに付けてくれるカフェがあれば、そこに通うのになぁ……。
ちなみに、筆者は、旧型のmutalkを購入して持っている(都内で会議する必要性が高くないので、愛用とまではいかないが)。
最大の違いは音声品質の向上
新型がアップデートされたポイントはいくつかあるが、要約すると旧型に対して、マイク音質が良くなったということになる。
マイク音質の向上のための改良点は多岐に渡るがまとめると次の3点。
音質向上のポイント1:マイクの取付位置が変わった
まずは、マイクの取付位置が変わった。
従来製品はスポンジの奥にあったのだが、今回のモデルは手前に来るようになった。
ちなみに、消音機構、つまりバイクやクルマの排気管のサイレンサーのように回曲した構造はこれよりもっと前の部分にあって、そこはあまり変わりない。
スポンジは消音のためではなく、空気や唾液などが当たって出る音を消すためについているらしい。声自体は、構造的なサイレンサーによって消音される。
音質向上のポイント2:ノーズカバーマウスパッド追加
次に、従来モデルと違って鼻の部分をカバーする新しい『ノーズカバーマウスパッド』が追加されるようになった。
マウスパッドという名称は混乱を招くが、mouse padではなく、mouth padである。つまり、口の部分を覆うゴム製のカバー。
これが、従来モデル同様の口だけを覆うタイプに加えて、鼻も覆うタイプも付属するようになったということ。
従来モデルは鼻は外に出ていたから、鼻から出る音はマイクに拾われず、鼻をつまんで話しているような声になったが、新型のノーズカバーマウスパッド(つまり鼻も覆うタイプのマウスパッド)は、鼻からの音もマイクに伝えることができるので、自然な声が伝えられるようになったということ。
しかしながら、鼻と口を覆った状態で呼吸もせねばならず、その呼吸は上に設けられたワンウェイバルブを通じて行う。
「すぐに慣れますよ」と言われたが、筆者は息苦しさを感じた。呼吸に抵抗があるのが苦手なのだ(体験ダイビングをした時にも息苦しく感じた)。もっとも、ビデオ会議などで使うなら、話す時だけ口に当てればいいことなのだが。
音質向上のポイント3:専用通信ドングルの採用
従来モデルはワイヤレス通信にBluetoothを使っていたが、専用通信ドングルを採用、音声入出力の高ビットレート化に対応、さらに低遅延も実現した(音声出力約20ms/マイク入力40ms)。
実は、Bluetoothのイヤフォン出力はともかくとして、マイクの音声伝達ビットレートは決して上質なものではなく、Bluetoothを使っている限り、音声の高音質化には限度があった。そこで、専用のドングルを使うことで、ビットレートの向上を実現したというわけだ。
ちなみに、従来通りのBluetoothも使えるし、USB-Cの有線接続(USB Audio)も使うことができる。多彩な接続方法で利用できるというわけだ。
また、イヤフォンの方は本機に有線接続して使用することもできるし、パソコンであればマイクをmutalk 2、イヤフォンはAirPodsなど別のBluetoothイヤフォンを接続して使うこともできる。
実は、一番使われているのはオンラインゲームのボイスチャット
筆者はゲームをしないし、自宅では仕事部屋を持っているので、イメージする主な利用用途はカフェでのビデオ会議だったが、実際には自宅での利用も多いそうだ。
特に、オンラインゲームでボイスチャットする時は、ゲームの勝ち負けがかかっているので興奮して大声になりがち。ワンルームや、逆に家族との同居環境だと、夜中にオンラインゲームのボイスチャットで叫んで、近所迷惑になったり、家族と揉めたり……というような話も多いと聞く。というわけで、真夜中のオンラインゲームのボイチャにピッタリなのだ。
また、時差のある国とのビデオ会議で、夜中に家族を気遣いながら話す際にも便利だという。
今回の取材は、Shiftallの本社にお邪魔して、代表の岩佐琢磨さんにお話をうかがった。
岩佐さんが身に着けているのは、Shiftall製の超高解像度・超軽量VRヘッドセットMeganeX(メガーヌエックス)と、操作パネルをフリップできてキーボード入力時などにも邪魔にならないFlipVR。Shiftallでは、先鋭的なVRユーザーのためのデバイスもいろいろと開発、販売している。
……という写真では、岩佐さんがどんな人か分からないので、いちおうデバイスを着けていない写真も。
筆者や岩佐さんのように、デバイスの日常使用に抵抗がないタイプの人は、カフェでmutalk 2を着けてビデオ会議できるが、一般の人がそうもいかないというのは分かる。
しかし、実際に利用してみると、自分が話すタイミングだけ口に押し当てるという方法もあるし、案外カフェでの利用にも無理がない。
カフェでビデオ会議する機会の多い方、夜中にオンラインゲームのボイスチャットで叫ぶ機会の多い方には、ぜひmutalk 2の利用をご検討いただきたい。たいていご本人はその迷惑さに気が付いていないことが多い……という意味では周りの人が勧めてあげるとか、カフェなどで備品として用意するというのもいいかもしれない。ビデオ会議用の個室のない狭い会社内でビデオ会議する際にも便利だろう。ぜひ、自分の生活を振り返ってmutalk 2がフィットするシーンがないか、考えてみて欲しい。
(村上タクタ)
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