次に注目すべき古着とは? アメリカの皮肉たっぷりなグッドプリントTシャツが面白い

古着ブームは留まることを知らず、ヴィンテージは枯渇、値段高騰も甚だしい。そんな世間でスポットライトを浴び始めたのが、これからヴィンテージになりうる1970年代以降の「ネクストヴィンテージ」。ここでは、そんな古着たちを深掘りする。第12回目は、 アメリカの皮肉たっぷりなグッドプリントTシャツをご紹介。

今回注目するPrint T-shirtとは?

ロックや映画Tといった人気カテゴリーは価格が高騰し、以前のように気軽に楽しめる存在ではなくなった。そんな状況のなかで、次にどんなTシャツを選ぶべきか悩む人に提案したいのが、掘れば掘るほどに面白いプリントTシャツ。古着店オーナーが最近注目しているアイテムから、まだ注目されていない隠れた一枚までを3週に渡り紹介する。前回は新聞の風刺漫画Tを取り上げたが、第3週目はとにかくシュールで皮肉の効いたプリントTシャツ

SUN SPORTSWEAR

ボディいっぱいに大きく入る大胆な絵柄とカラフルな色使いを得意とする「Sun Sportswear」。80s後期から90sに「ルーニー・テューンズ」や「ガーフィールド」などのキャラクターTシャツも製作していたブランドである。同年代のTシャツが並ぶ中でも、ここのデザインはポップさが際立ち目に付きやすい。

6600円(ドラセナ吉祥寺本店TEL0422-26-9366)

8250円(ノーウェイ ホームTEL047-778-2121)

5900円(エウーゴTEL04-7168-7771)

襟下のタグは、上の白Tに付く単色のタグと「SUN」の文字が3段でグラデーションするものが存在する。プリントの文字にはシュールなネタが多いが、ポップに描かれたクマなどのキャラクターで可愛く表現される。さらに、プリントの入るボディは白だけでなく様々な色を使用する点も特徴である。ターコイズのTシャツには全米野生生物連盟のコピーライトが入り、通常であれば景色や動物をリアルに描くところを、イーグルの顔と文字で独自のデザインに仕上げている。

PUT ME ON

かなりシュールなデザインが多い「PUT ME ON」。絵柄を見て「どういうこと?」と疑問に思い、文字を読んでクスッとさせる引き込まれるデザインが特徴である。襟下にオリジナルのタグは付かず、絵柄の下などに小さく入るコピーライトで確認が可能。その末尾に年号が入り、多くは90s初期のものである。数年しか製作されていない可能性があると考えると、より欲しくなる存在だ。

1万1000円(ステップアヘッド高円寺店1号店TEL03-6454-6511)

5500円(ミスタークリーンTEL090-2206-1755)

off the mark

1987年に始まったマーク・パリシによる漫画である。イラストのタッチは日本の漫画にも似ており、私たちでも親近感がわく。多くの作品はグリーティングカードのデザインとして採用され、人気を博した。数は多くないが、こうした作品の一部はTシャツ化されたものも存在する。プリントの絵柄の中には「off the mark」のロゴが入るため、探す際の目印として覚えておくとよい。

7590 円(ガソリンTEL03-6454-6310)

8690円(コモンTEL0471-66-5433)

SHOEBOX

グリーティングカードをはじめ、マグカップやタオルなど様々なアイテムを製作しヒットさせた「SHOEBOX」。Tシャツも数多くリリースしており、日本の古着市場でもたびたび目にする。人や動物が不思議な行動をする一コマが描かれ、思わず気になってしまう。注目するなら、まだあまり見つかっていない今のうちである。

9900円(Take TEL電話番号非掲載)

1万890円(ジャンピンジャップフラッシュTEL03-5724-7170)

1万890円(ドラセナ吉祥寺本店TEL0422-26-9366)

6050円(ドラセナ吉祥寺本店TEL0422-26-9366)

6600円(ドラセナ吉祥寺本店TEL0422-26-9366)

8800円(ココロTEL0422-27-6959)

後半のTシャツに登場しているお婆ちゃんは、「SHOEBOX」を代表する人気キャラクターだ。帽子にコート、サングラスまでいつもオシャレな装いながら、どこかコミカルな行動をとるのが魅力だ。彼女をはじめ、登場する人物たちの服装や車にはオールドスタイルな雰囲気が漂い、古着好きの心をくすぐる。

さらに作中に登場する動物たちも愛嬌のある表情を見せ、シュールながら憎めない存在感がある。ゆるい線で描かれるイラストや、必ず緩いフォントを合わせるデザインワークなど、全体に統一感を持たせつつブランドらしさを崩さない姿勢も◎。ボディの多くは「シルバーマウンテン」のコットン100%や、「ステッドマン」や「オニータ」のコットン50%・ポリエステル50%のものが多い。

大体が白ボディだが、先に紹介したもののように赤ボディが使われるのは「SHOEBOX」の中でもかなり珍しい。襟下にオリジナルのネームタグは付かないため、判断する際はプリント下などに入るコピーライト表記で確認が必要だ。また、デザインが非常に似ている「CAROUSEL CREATIONS」というブランドのTシャツも存在するので、もし見つけたら比べてみるのも面白い。

(出典/「Lightning 2025年11月号 Vol.379」)

この記事を書いた人
原田学
この記事を書いた人

原田学

断然古着主義

1972年京都府生まれ。『2nd』『Lightning』『CLUTCH』 を支えるスタイリスト。『2nd』での連載は通算200回を超え、現代の古着市場のリアルな声を反映したスタイリングには定評がある。ヴィンテージやアンティークへの深い知識を持ち、素材や背景を理解したコーディネートにファンも多い。自らの“好き“を詰め込んだ私的アーカイブ『the SUKIMONO BOOK』は、ファッション業界内でも愛読者の多い。
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