カフェレーサーの起源となった【“ROCKERS”って何!?】~オーナー編②

今から60年以上も前に作られたバイクだということが信じられないほどピカピカな1962年型ノートン・ドミネーターに乗るSammyさん。もともとバイクが好きだったという彼が「ROCKERS」の世界にのめり込んでいったきっかけを聞いた。

自分的にはROCKERSが一番カッコいい! 流行らないのが分からない

「子供のころからバイクが好きでした。オートバイのプラモデルが流行っていて、文房具屋さんでは ケニーロバーツのポスターを売っていたりしました」

昔からバイクに興味があったというSammyさん。高校生になったころ、街で見かけたヤマハの「SR」に衝撃を受けたという。

「当時はアメリカンが全盛でした。そこで初めてセパハン、アルミタンクのSRを見たんですよ。細くて、小さくて、速そうで、一発で心を持っていかれました」

さらに、ROCKERSが登場する漫画『バイクメ〜ン』を知った。主人公ではなく、ライバルが乗るバイクに惹かれたという。

「悪役がノートンの『ドミネーター』に乗っていて、こっちの方がカッコよく見えたんです。以前はドミネーター99に乗ったこともあったんですが、どうしても『650SS(※漫画の悪役が乗っていたモデル)』に乗りたかった。でも日本ではノートンは数が少なくて、欲しくてもなかなか出てこない。それでも諦めずに探していたら、2年ほど前にようやく見つけました」

念願かなって手に入れた愛車は、ノートン「コマンド」用の2リーディングブレーキへ換装したものの、それ以外はほぼオリジナルの姿を維持している。

「カスタムしちゃう人が多いんですが、自分はほぼノーマルのままが好きなんです。この独特なハンドルもタンクもシートも、全部ひっくるめてカッコいい!」

トライアンフほど華やかではないが、少し野暮ったい雰囲気がノートンの魅力だと語る。

「興味をもったころ、日本でロカビリーリバイバルみたいな感じでネオロカビリーが流行った時期と重なって、音楽とモーターサイクルがリンクしていきました」

ROCKERSはSammyさんにとって“一番カッコいい”存在だ。

「正直、なんで流行ってないのか分からない(笑)。どこか品があってイギリスらしい雰囲気が、自分にハマったんだと思います」

NORTON 1962 Dominator 650SS

トライアンフの「スピードツイン」に対抗するために開発されたシリーズ。排気量は500〜750㏄まであり、650㏄モデルは1962〜67年に生産。スタンダードとデラックス、スポーツスペシャル(SS)が存在する。ほぼノーマルだが、フロントはコマンド用の2リーディングブレーキに換装している。

メーター類はイギリスのスミス製。スピードメーターはライトカバーに埋め込まれて一体式に。タコメーターはハンドルにマウントされている。

ストレートのラインを強調するタンクは、純正のリプロダクト。クロムメッキされたロゴエンブレムとニーグリップパッドが備えられている。

650㏄空冷 OHV垂直2気筒エンジンを搭載。2基がけの大口径アマル製モノブロックキャブレターには、アルミのエアファンネルが装着されている。

両サイド2本出しのテーパードマフラーは、一見シンプルなデザインだが、サイレンサーの下部がストレートになっているところが特徴的。

スタッズで装飾されたラリー製レザージャケットを着用。フロントジップのアクセサリーは、エッソボーイのパロディで、EDDIE-Xさんのオリジナルアイテム。

リーバイス510のブラックスキニーに、ルイスのレーシングブーツをコーディネート。トライアンフのスタッズベルトは、経年変化でロゴが消えるほど愛用。

\人気の“カフェレーサー”をもっと知るならコチラ/

低く構えたセパレートハンドルにシングルシートを備えた「カフェレーサー」と呼ばれるカスタムは、いつの時代も根強いファンに支えられてきた人気のスタイルです。しかしこのジャンル、「何だか意味はよく分からないけれど、カッコよさそう……」と、スマートな語感からオシャレなジャンルと捉えている人は多いかもしれません。もしかして“バイクに乗ってコーヒーを飲みに行くこと!?”。――スタイルが多様化している現代においてはそれも正解ですが、実際のところ、そのルーツはかなり野蛮で、1950~60年代にイギリスで、エネルギーを持て余したバイクに乗る不良たちが深夜営業のカフェに集まり、夜な夜な違法で危険な公道レースをしていたことに由来します。しかし時を経た現代では、カルチャーも発展し、メーカー各社からそれを模したバイクが発売され、高い人気を得ている他、人それぞれの解釈から実にさまざまなカフェレーサーが誕生しています。それ故にSNSでは“これはカフェレーサーじゃない”といった論争もたびたび巻き起こる、謎多きスタイルでもあるのです。そこで「そもそもカフェレーサーとは!?」という基本知識にはじまり、現在人気のスタイル、さらには販売されている新車まで詳しく解説。実際のオーナーや人気ショップの最新カスタムなどを通じて、さまざまな切り口で百花繚乱な“現代カフェレーサー”の魅力をひも解いていきます。カフェレーサー好きならずとも必見の永久保存版です!!購入はこちら!

この記事を書いた人
タンデムスタイル編集部
この記事を書いた人

タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

19世紀から英国紳士に愛され続ける世界最高峰のハンドメイド傘

  • 2026.10.19

年間を通じて降水頻度が高い英国において傘は必需品。ひいては英国紳士を象徴するプロダクトのひとつだ。その中でも、旧くから英国王室や上流階級の紳士たちに愛されてきたFOX UMBRELLAS(フォックス アンブレラズ)は最上級の存在である。 手作業から生まれる圧倒的な造形美 真のトラッド好きは服だけでな...

原毛から生地まで。一貫生産を守る英国生地の名門「ムーン」とは?

  • 2026.10.19

服を突き詰めていくと辿り着くのが生地。トラッド好きなら一度は耳にしたことがあるであろう英国の名門が「ムーン」だ。羊毛から紡績、染色、織布を一貫して行う英国最後の生地メーカーが誇る伝統のモノづくりに迫る。(写真は、生地の製造において重要な“織り”の工程。タテ糸とヨコ糸をゆっくりと交差させ、チェック柄が...

遊び心とヘビーデューティ! 「ジムマスター」のアウトドア&ミリタリー

  • 2026.10.18

ほどよく力の抜けたカジュアルウエアを展開するカナダ生まれの「ジムマスター」。その真骨頂は、実は骨太なアウトドア&ミリタリーにある。ヘビーデューティな機能美を日常着へと昇華させる秘訣は、「ジムマスター」らしいほんのすこしの遊び心! カラフルな配色の裏に確かな実用性あり! 【右】主役は厚手のボアジャケッ...

HISTORY OF B.V.D. 着心地を追求した150年

  • 2026.10.20

1876年、ニューヨークで誕生したB.V.D.。風を通すゆったりとした肌着から、水着、街や休日を彩るシャツまで。その歩みを貫くのは、日々を心地よく過ごすための工夫だ。時代ごとの広告や製品を手がかりに、着心地を追求してきた150年をたどる。 HISTORY OF B.V.D. 1876年 ニューヨーク...

金子ノブアキが着る【REDKAP × FREAK’S STORE】

  • 2026.10.21

長い歴史を持つワークウエアブランド〈レッドキャップ〉と〈フリークス ストア〉のコラボアイテムを金子ノブアキが今の感覚で着こなす。年齢を重ねたからこそ楽しめる服のこと、ブランドが持つ哲学のこと、そしてこれから大切にしていきたいこと。45歳を迎えた金子さんに、ファッションと生き方について話を聞いた。 タ...

Pick Up おすすめ記事

東京・入谷にできた靴づくりの新聖地「THE ZINE FOOTWEAR CLUB.」にメディア初潜入!

  • 2026.10.18

「ブラザーブリッジ」や「シュアブーツ」を手がける「ザ ジン フットウェア」。店舗と企画・縫製工場がひとつになったいわば“本拠地”を入谷に新設した。メディア初公開となる、その全貌に迫る。 メーカーでもあり店舗でもある新拠点 弊誌の読者であれば、おそらく「ブラザーブリッジ」という革靴ブランドはご存知であ...

気鋭のアイウエアブランド「CUBITTS」が描く、クラシックとモダンの共鳴

  • 2026.10.19

18世紀から20世紀にかけて眼鏡産業の世界的な中心地であったものの戦後、衰退の一途を辿ったロンドン。この地で2013年に創業した「キュービッツ」は当時を彷彿とさせるクラシックスタイルをモダンに昇華させた独自の世界観を築く気鋭のブランドだ。 伝統と現代とを繋ぐアイウエアの研究所 「キュービッツ」は伝統...

メイド・イン・ノーサンプトンを貫く英国靴の筆頭「Crockett & Jones」のモノづくり

  • 2026.10.21

革靴の聖地であるノーサンプトンにて1879年に初声をあげた〈クロケット&ジョーンズ〉。英国靴を語る上で欠かすことのできない同ブランドのモノづくりの現場に足を運んだ。 一足の革靴に宿る147年の歴史と誇り 革靴産業の一大拠点として名を馳せる英国・ノーサンプトン。中世から靴職人が集まり、17世紀には軍用...

世界最高峰のニットメーカー「JOHN SMEDLEY」が編むもの。

  • 2026.10.20

イングランド中部、リーミルズの自社工場で240年以上前からニットウエアを作り続ける〈ジョン スメドレー〉。1784年に創業した同ブランドが編んできた歴史と伝統が息づく場所で彼らが編むものとは。 240年の伝統と魂が息づくファクトリー 英国のトラッドブランドとして群を抜く歴史を持つのが〈ジョン スメド...

「BEORMA」140年の伝統を受け継ぐ、英国屈指のレザークラフト

  • 2026.10.21

英国トラッドを語るうえで欠かすことのできない存在がレザークラフトだ。140年の歴史とクラフトマンシップを受け継ぎ、現代のスタイルにも馴染む唯一無二のプロダクトを生み出す〈べオーマ〉は、その筆頭となりうる存在だ。 熟練職人の魂宿る伝統のレザークラフト 英国中部の小さな町・ウォルソール。革加工・馬具産業...