【“カフェレーサー”に惹かれる理由】個性的なドゥカティ・ベベルに乗る野村佳史さんの場合

「カフェレーサーに乗るようになって、自然とウエアにも気を使うようになりました。バイクだけがカッコいいというのもイマイチな気がして、革ジャンやブーツ、ヘルメットにもこだわったりして。もしかすると、カフェレーサーはジェントルなライダーを養成するバイクかもしれないですね(笑)」

膨大な知識と収集癖でこだわりの一台が完成!!

野村さんの愛車は、NCR仕様の「MHR」。この「NCR」とは1978年の「マン島TTレース」でマイク・ヘイルウッドが駆って優勝したマシン「NCR900TT-1」のこと。これを記念してMHR(マイク・ヘイルウッド・レプリカ)が発売されたとあって、NCRはいわば〝本物〟。これに近づけることがMHRオーナーの、かつての定番カスタムだったのだ。野村さんの愛車は、単に本物に近づけるのではなく、かといって邪道な方向性に走るのでもなく、自分のオリジナリティを入れつつ、当時モノの部品を多用することで、「かつて本当にこんなレーサーが走っていたかも……」と思わせるスタイルを目指した、いわば変化球系NCR。これをほぼすべて自分で仕上げたというから驚きである。

「そもそもはバイクの師匠でもある方が所有していたもので、ずっとその方のバイク屋で眠っていた車両なんですよ。『場所と道具は貸すから自分で直して乗るなら譲ってもいいよ』と言ってくれまして。それを半年かけて自分で走れるようにしました。

ネットでは見つからない情報も多いので、購入してからは本当にたくさん調べて、古い雑誌や昔のカタログで勉強しながら、国内はもちろん、世界中のオークションサイトを眺めました(笑)。そこで出会う部品も一期一会なので、当時モノのカスタムパーツはもちろん、部品で困ることがないよう消耗品やスペア部品などなど、一念発起して買い漁ったんです」

そんな血がにじむような日々があってこそ、この完成度というワケだ。ここまでの男に養成するイタリアンカフェ……、恐るべし。

DUCATI 1980 MHR

MHRを手に入れたからには細部までこだわったNCR仕様にしたいと、野村さんがコツコツと当時の部品などを集めて自分の手で仕上げたこだわりの一台。野村さんはヤマハ「SR」でオートバイいじりを覚えたクチだが、このMHRでさらに一段レベルが上がった(深みにハマった!?)とか。「見た目がカッコいいことも重要ですが、最近は速さにつながる美しさだったり、機能美にこそ魅力を感じます」。

加工して形状を変更したイモラカウルを装着。ヘッドライトは当時モノのマーシャル製四輪用フォグを使用。

マスターはレーシングブレンボを採用。アジャストできるレバーはケニーズ製でクラッチ側もそろえている。

フリマで入手したタンクシート一体式のNCR外装はワンオフ品。メナーニ製キャップを2つ備えた耐久仕様。

テールの両サイド部に取り付けられているのは、耐久レーサーに装着されるチェッカーランプというもの。

左出しマフラーは定番のベルリッキ2into1。バックステップはアルミ削り出しのNCRタイプに交換している。

ノーマルステムを使用してチェリアーニ製Φ38㎜フォークに換装。これによりキャリパーを前付けできる。

キャブレターはデロルト製PHM40。エンジンはノーマルだがいずれ自分でチューンしようと考えているとか。

リヤサスはマルゾッキ製ストラーダに交換。チェーン引きはNCRタイプ一体式。ホイールはカンパニョーロ。

パーツに関する知識量がハンパない野村さん。MHRを購入してから古いバイク雑誌やドゥカティ関連の洋書、当時のパーツカタログなどを入手して読み漁ったという。

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低く構えたセパレートハンドルにシングルシートを備えた「カフェレーサー」と呼ばれるカスタムは、いつの時代も根強いファンに支えられてきた人気のスタイルです。しかしこのジャンル、「何だか意味はよく分からないけれど、カッコよさそう……」と、スマートな語感からオシャレなジャンルと捉えている人は多いかもしれません。もしかして“バイクに乗ってコーヒーを飲みに行くこと!?”。――スタイルが多様化している現代においてはそれも正解ですが、実際のところ、そのルーツはかなり野蛮で、1950~60年代にイギリスで、エネルギーを持て余したバイクに乗る不良たちが深夜営業のカフェに集まり、夜な夜な違法で危険な公道レースをしていたことに由来します。しかし時を経た現代では、カルチャーも発展し、メーカー各社からそれを模したバイクが発売され、高い人気を得ている他、人それぞれの解釈から実にさまざまなカフェレーサーが誕生しています。それ故にSNSでは“これはカフェレーサーじゃない”といった論争もたびたび巻き起こる、謎多きスタイルでもあるのです。そこで「そもそもカフェレーサーとは!?」という基本知識にはじまり、現在人気のスタイル、さらには販売されている新車まで詳しく解説。実際のオーナーや人気ショップの最新カスタムなどを通じて、さまざまな切り口で百花繚乱な“現代カフェレーサー”の魅力をひも解いていきます。カフェレーサー好きならずとも必見の永久保存版です!!購入はこちら

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タンデムスタイル編集部
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タンデムスタイル編集部

初心者にも優しいバイクの指南書

バイクビギナーがもっとも知りたい、ハウツーや楽しいバイクライフの提案がつまったバイク雑誌。タイトルの"タンデム"は本来"2人乗り"の意味だが、"読者と編集部をつなぐ"、"読者同士の輪が広がる"といった意味が込められているぞ。バイク選び、ライディングギア選び、ツーリング、メンテナンス情報のほか、チャレンジ企画も大好評!
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