Stevenson Overall Co.デザイナーの多賀谷さんが選ぶ、俺視点の古着やアンティークたち。Vol.16

ヴィンテージやアンティークと呼ばれるアイテムは、現代のプロダクツでは味わうことができない雰囲気だけでなく、まだ技術が未熟だった時代のクラフト感やマシンメイドではない時代ならではの魅力、それに年月が生み出した風合いがある。いわゆるアンティークの世界では、いろいろなカテゴリーで価値基準がある程度確立されてはいるけれど、そんな世間のものさしではチョイスしないのがデザイナーの性分。新しいモノでも旧いモノでも、自分目線のものさしを大事にしているスティーブンソンオーバーオールのデザイナーである多賀谷さん。彼の古着やアンティークの選び方は、一般的な価値だけにとらわれることのない、その独特な審美眼も含めて参考になる。

多賀谷強守さん|機能服として生まれたヴィンテージのワークウエアやミリタリーウエアに、もしデザイナーが存在していたらという世界観をプロダクツに落とし込むStevenson Overall Co.のデザイナー。独特なセンスと縫製仕様にまでこだわりを持ったアイテムたちは、日本のみならず世界でも高い評価を受けている。http://www.soc-la.com

自身の気分や感覚で、たとえ王道でなくても手に入れる。

1940s Vintage Kids Jacket

サイズ感やコンディション、それに実用性などよりも、全面に様々なイラストがプリントされているデザインだけで手に入れた。フロントにはボタンも存在せず、ウエストベルトだけで着用するという仕様で、襟も変形デザイン。いったい何のためのジャケットなのかは不明。だた、ひとつひとつのプリントを眺めながらそのすばらしさを実感している。

MANCRAFT Embroidery Jacket

レーヨン100%でリバーシブル仕様になっていないという1枚仕立てのスカジャン。2~3年前に古着のファティーグパンツに合わせてよく着ていたモノで、何と言っても鮮やかな色味がすばらしい。デザインは胸には刺しゅうは無く、背中にネイティブアメリカンの顔が入るのみという変わり種。「最終的にどうしたかったの?」という下手ウマな絵柄もお気に入り。年代は不明だが、1950年代以前のジャケットではないかと。

1930s Unknown Work Pants

当時、建物の断熱材代わりに壁のなかに敷き詰められていて、解体時にボロボロの状態で発掘されたというワークパンツ。札幌の古着店Pale Faceで見つけ、それを盟友ジップ・スティーブンソンに頼んでハンドステッチでリペアしてもらった。戦前の衣類に見られたすべて本縫い(一本針)による縫製で、今のスティーブンソン・オーバーオールの定番デニムのヒントになった1本。

1930s White King Soap Dispenser

ずいぶん前にローズボウル・フリーマーケットで手に入れたアンティークのソープ・ディスペンサー。当時は粉状の洗濯石けんを中に入れて使われていたようで、実際に試すと現代の粉石けんでは粒子が細かすぎて使えず、液体石けんでもこれまたうまく使えないということが手に入れてから発覚する。結局本来の使い方はいまだできずに今はインテリアという余生を過ごしている。ブルーがかったガラスが美しい。

この記事を書いた人
ラーメン小池
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ラーメン小池

アメリカンカルチャー仕事人

Lightning編集部、CLUTCH magazine編集部などを渡り歩いて雑誌編集者歴も30年近く。アメリカンカルチャーに精通し、渡米歴は100回以上。とくに旧きよきアメリカ文化が大好物。愛車はアメリカ旧車をこよなく愛し、洋服から雑貨にも食らいつくオールドアメリカンカルチャー評論家。
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