MotoDaHEAD ライカとハーレー。「第9回 ヘルマート」

愛車にまたがり人馬一体となって風になるとき、お気に入りのヘルメットの中で私の髑髏(シャレコーベ)は恍惚の境地へ。

元田敬三|1995年、路上(street)にて話しかけて撮らせてもらうスタイルで撮影をスタート。いまだ変わらず、主にフィルムカメラで撮影中。近年、ハーレーに乗りながら路上(road)にて気になる人や風景を発見したら急停車! カメラは人と出会うためのパスポートなのだ。

一期一会のヘルメット

20年程前だろうか、単車も旧車に憧れが出てきて、ゼファー1100からKAWASAKI Z1に乗り換えたんだ。しばらくして都内から逗子に越して、近所の葉山に見慣れない旧車が並んでいるショップを見つけのぞいてみた。並んでいたのはトライアンフというイギリスのバイクだった。ものすごく小柄でシンプルな構造にひと目ぼれして、1974年式のZ1と交換に1971年式のトライアンフを手に入れた。

そのころヴィンテージにとても美しさを感じていたので、ヘルメットもヴィンテージがほしいと思い訪れたのが、都内は環八沿いに店舗を構える「ヘルマート」。

ショップのオーナー・中井さんに「顔が面長だからヘルメットも縦に長い方がマッチングがいいよ!」など、丁寧に説明を受けて勧められた70年代のSHOEIの当時のペイントが施されたヘルメットにひと目ぼれして購入した。

頭のサイズなどを計測してもらい自分に合ったインナーに仕上げてもらった。それが本当にかぶり心地がよく、シェルは固いようでいい具合にしなるので、かぶりやすく長時間着用しても疲れず、それ以来ずっとお気に入りだ。

その後も年に数回ショップを訪れては運命の出会いを求めるようになった。店内に陳列されている旧いヘルメットたちは、それぞれに個性を放っていて美しく、当時の草レースで使われていたのかなあ? アメリカでどんな人がかぶっていたのかなあ? など、想像を膨らませながら見たり試着したりするのが好きなのだ。とはいっても高価なので気に入ったけど買えなかった個体は、いまだにあのとき買っておけばよかった! などと後悔している。

先日思い立って1年ぶりにヘルマートを訪問した。店内に入ると数人のお客さんがいて、群馬から来たという若者2人組は試着して一旦は外出したものの、再び戻ってきて「やっぱり買います」と高価なショーティーを購入していった。いい買い物だなあ。2度と出会えないヘルメットだもんな、まさに運命の出会いやなあ。

そして、店内にはパン、外にはショベルが置かれている。オーナーの中井さん所有のハーレーたちだ。パンは円がまだ強かったころにアメリカから引っ張って来たものらしい。そうだ、いつの間にか日本はインフレで円が超弱くなって、ガソリンも値上がって何もかもが高くなった。その上トランプ関税がどうとか。ものの価値は人それぞれだし、衣食住のように生活に必ず必要なものではない単車やヘルメット。が、しかし……

“NO BIKE・NO LIFE”だし、“NO HELLMART・NO BIKE LIFE”なのだ。

(出典/「CLUB HARLEY 2025年10月号」)

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ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
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