雑誌「2nd」の看板スタイリスト・吉村祥吾の「撮影前夜、事務所にて」第6回

『セカンド』の看板スタイリスト吉村祥吾さんが一体のコーディネイトを組むまでの、理論と感覚が入り混じる紆余曲折を、文字化するスタイリングドキュメンタリー第6回。前回はこちら。

スタイリスト・吉村祥吾さん|1986年生まれ。2016年より『セカンド』で継続的にスタイリン グを担当。普段着のマイルールは「TPOに合わせて、靴から決める」

もっともアウトドア色の濃いコーデ

編集部 今回は「メガネと帽子」特集です。主役のメガネと帽子は、どんな基準で選びましたか?

吉村 アウトドアテイストのコーディネイトなので、帽子は相性のいいロングブリムキャップかニットキャップにしようと思っていました。シンプルで馴染みがよく、カラーがちょっとしたポイントになるニットキャップがハマりそうだったので、これにしました。「ジョン スメドレー」なので、品質は言わずもがなですね。メガネは顔馴染みがいいもののなかから選びましたが、服との相性を考えると濃色のセルは重たく、メタルはちょっと野暮でした。抜け感のあるクリアフレームかブロウで迷って、ブロウにしました。

編集部 この企画で唯一ヘビーアウターではないですが、なぜですか?

吉村 ダウンはジャケットよりベストのほうが好きなので(笑)。ダウンなのに袖がないって敬遠されがちだけど、室内でも汗だくにならないし、屋外では袖がなくても案外寒くない。バッグが大きめなら丸めて収納できるし、動きやすいし、意外と便利なんですよね。

編集部 「カムコ」のダウンベスト、色がいいですね。クラシックアウトドアらしいレトロカラー。

吉村 真っ赤ではなく少し色の沈んだボルドーで、他のアイテムと馴染みがいい。グリーンとグレーの中間のようなフランネルシャツは、抹茶っぽい色目の渋さが気に入っています。大人がさらっと着られるチェックシャツって意外と少なくて、派手すぎたり子どもっぽかったりしてしまうんですが、これはタータンチェックではなくブロックチェックというのも都会的なポイント。赤×緑はクリスマスっぽくなって秋冬だとなおさら恥ずかしいけど、ボルドー×グリーンがかったグレーは、まったくそれを感じさせない。

編集部 アラン編みのカーディガンは、王道のネイビーですね。

吉村 ボルドー×ネイビーって、僕はとてもアイビーらしいと思っていて、大好きな配色です。赤レンガに紺ブレみたいで。コントラストが強いので派手すぎる場合もありますが、相性はいいので他を落ち着いた色味にすれば難なく着られます。

編集部 ブラウンのスウェットパンツも落ち着いていて都会的です。

吉村 素材感が面白くて、フリースのようなスウェットのような不思議な感じ。「撮影前夜、事務所にて」の打ち合わせ時も、編集部みんな欲しがっていましたね。僕も欲しいです(笑)。こんなに街着に最適なスウェットはなかなかないですからね。

編集部 アウトドアの足元は、やはりブーツですか。

吉村 でも、アウトドアブーツではなく「オールデン」です。[45960H]というミリタリーラストのブーツですね。アメカジ色強めですが、武骨ながらほんのり上品で、アーバンアウトドアにピッタリです。

編集部 ニットキャップ、ダウンベスト、アラン編みのカーディガン、フランネルシャツ、スウェットパンツ、ブーツ。文字だけ見るとストレートなアウトドアですが、アイテム一つひとつと、全体のバランスで街着らしく調整しているんですね。

今回語ってもらったのは 2nd 2026年1月号 Vol.216P049のコーディネイト メガネと帽子を主役にしたモデルカットページ。様々なテイストのスタイルがあるなかで、もっともアウトドア色の強い1体
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