書類、名刺、レシートなどすべてデータ化 リモートワークの必需品 ScanSnap iX2500

2026年春の取材事情——録音文字起こしや、翻訳が便利に

筆者は原稿は今でもAIにあまり頼らず自分で書く方だが、それでもAIのおかげで取材はだいぶ便利になっている。特にこの1年、録音、文字起こし、翻訳などの部分での進化が著しい。そこで今回は、筆者が実際の取材シーンで使っているデバイスをご紹介しよう。ひとつはもちろん愛用のカメラ、EOS R6 Mark IIだが、最近はNotta Memo、Soundcore Work、Even G2も手放せないアイテムとなっている。

取材に不可欠になった、AI文字起こしデバイス

最近、筆者のワークフローで一番変わったと思えるのは、録音の文字起こしだ。 昔はカセットテープに録音して、それを自分で聞いてテキストに起こしていた。 話し言葉というのは案外そのままでは記事にできないもので、一通り聞いたものを文字起こしするのはかなりの手間だった。

カセットテープで録音していた頃は、2時間の取材の文字起こしをするのに1日以上かかっていた。 外注に頼むこともあったが、結局のところ雑談などの部分も多いので、自分で必要な部分を文字起こしした方が効率的ではあったのだ。

それが今では、Nottaなどの録音AI文字起こしデバイスで、一気に解決するから、とても便利になった。

上は、パソコン版のNottaの画面だが、中央が文字起こしそのまま。 文字起こしが不正確な部分があっても、その部分をクリックして音声を聞くことができる。 左にはAIを活用した要約が表示される。 長い取材でも、これで一発で概要を把握できる。 一般的な用途だと会議の要約などに使えるだろう。ただし、ニュアンスの違いや、ハルシネーション的なものもあるので、その点には注意が必要だ。

右側は最新のAIを活用したNotta Brain。 複数の録音ファイルを指定して、特定のポイントについて質問したり、 箇条書きにしたりできる。筆者にはニーズがないが、プレゼンファイルなどの画像を作ったりもできるようだ。

というわけで、取材や打ち合わせでNotta Memoは欠かせないアイテムとなった。現在は1,800分/月の契約だが、あらゆる取材や打ち合わせを無差別で録音していると足りなくなることもあるので、Soundcore Workと並行して使っている。

Soundcore Workはクリップで服に付けられるのが便利だが、アプリの使い勝手はNottaの方が上。しかし、要約はSoundcore Workもかなりポイントを抑えているので、適宜使い分けている。Ankerさんには、もうちょいアプリの熟成を期待したいところ。

英語が不得手な筆者としては、翻訳が助かる

最近、もうひとつ助かるのが翻訳だ。

筆者は英語が不得手だ。 「アップルの海外取材とか行ってますよね?」と、言われるが、 アップルやアドビの取材は、専門の非常に有能な通訳さんがいらっしゃる。だが、「英語ができるのだろう」という誤解のもと、英語オンリーの発表会やプレゼンにお招きいただくことも多い。ベンチャーキャピタルのピッチイベントなども「英語ができて当たり前」な雰囲気だし、先日のドイツの取材などもそうだ。

以前はそういう時、脂汗を流しながら、聞き取れる部分をメモし、ドキュメントをかき集めて記事を書いていたのだが、最近は録音さえしておけば、Nottaなどでほぼ完全な翻訳を入手することができる。

下は先日のScrum Connectの様子だが、以前は同時通訳レシーバーが配られて、音声で日本語同時通訳を聞くことが常だったのだが、今回はAI翻訳が前のディスプレイに表示されるという仕組みだった。

まだAI翻訳は完全ではないが、なんとかなる感じ。他人事ながら、これまでお世話になった同時通訳の方のお仕事が減っているのではないかと心配してしまう。

Nottaなどにも、リアルタイム翻訳の仕組みはあるが、結構トークンを使用してしまう。

そこで最近、筆者が活用しているのは、Even G2の翻訳機能だ。 会場では、Even G2で翻訳を表示し、それを見て録音はNottaで行い、後で完全な翻訳を入手する。

Even G2の翻訳はローカルで行うので、完全ではない。だが、英語を耳で聞いてある程度理解しながら、わからない部分を把握する……という使い方ならそれで十分だ。

それに対して、Nottaの翻訳はクラウドで、さらに大きな言語モデルで行われるので、より完成度が高い。 記事を書くときに参考にするには、今はこちらの方がより正確なはず。

今回、Even G2を海外取材でも使ったが、相手の言うことを把握するのには便利だが、当然のことながら、質問などはこちらで英語でしなければならない。

そこでEven G2で概要を把握し、執筆時の資料としてNottaで録音しながら、 こちらからの質問に関しては、MacBook ProのGoogle翻訳で作成し、それを読み上げるという方法を取った。取材の状況にもよるが、今回は先方も協力的だったのでこれでなんとかなった。

上は、Even G2を使用中のスマホの画面キャプチャ。このテキストがグラスに緑色の文字で表示されている。左はアップルのKeynoteを聞いた時のもの。右は歌の歌詞。 どちらもそれなりに意味が把握できるはずだ。

筆者は原稿はまだまだ手作業でタイプしているが、最近急速にいろんな部分でAIの力を借りていることに気付く。 現在は、Notta、Soundcore Work、ChatGPT、Even G2、Google翻訳など、さまざまなアプリ、デバイスを組み合わせて使っているが、あと半年、1年すれば、さらに新しく洗練されたサービスを使っている予感がする。それはそれで楽しみだ。

(村上タクタ)

この記事を書いた人
村上タクタ
この記事を書いた人

村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

Pick Up おすすめ記事

磨き続けた伝統が、新たな定番を生み出していく。「アリゾナフリーダム」の新作に注目

  • 2026.06.03

長く愛される定番には理由がある。そして、その定番を更新し続ける覚悟があるからこそ、プロダクツは生き続ける。今回、紹介する新作は、奇をてらった変化ではなく、受け継がれてきた意匠や職人技を礎にしながら、細部にわたり静かな進化を重ねた美しい作品たち。変わらないために進化し続ける。そこには揺るぎないクラフト...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

革ジャン好きなら一度は通るべき! 「No,No,Yes!」の最上級オーダー“アルチザン”とは?

  • 2026.06.01

「世界にひとつだけの革ジャンを作る」。それは、レザーラバーの憧れだ。革好き注目のブランド「No,No,Yes!」が誇るオーダーメニューの中でも最上級に位置する「アルチザン」とはいったいなんなのか? その正体に迫る。 革ジャンの伝道師・モヒカン小川が実際に“アルチザン”を体験 これは単なる革ジャンの話...