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L.A.で、完全自動運転タクシー『Waymo』に乗った。日本にも導入可能だろうか?

Adobe MAXの取材でL.A.に行った時に、完全自動運転タクシーのWaymoに乗った。アップルの取材で行くシリコンバレーでは、まだ運用が実現しておらず、筆者が行った場所の中では、初めての乗るチャンスがあったというわけだ。日本ではまだ条件付運転自動化であるレベル3がやっとで、高度運転自動化されたレベル4が必要な自動運転タクシーの実現は、技術的にも法律的にも難しい。しかし、これが実現すれば、地方の高齢者のラストワンマイルの問題など多くの問題が解決するはずだ。

すでにまったく不安のないレベル。下手な人間よりは確実に上手

まずは、こちらの動画をご覧いただきたい。

これが、自動運転の様子だ。

L.A.の街中を2回、10kmほどの区間を乗ったが、さほど不安なく目的地に到達することができた。

ご覧のように、複雑な混合交通の中を、慎重に走っている。交差点もきれいに曲がるし、バスが寄せてくることを予測して減速し、バスに遮られた視界が遮られた状態でも横断歩道を渡ってくる人がいるかもしれないことを予測して停止している。ある意味、下手な人間のドライバーより安心かもしれない。

かなり慎重な運転ではあるが、それでいいと思う。

乗車の手順をご説明しよう

すでにLAの街中にはたくさんのWaymoの車両が走っており、めずらしくはない。

利用方法は基本的にUberやLyftと同じ。

スマホにアプリをインストールし、クレジットカードをヒモ付ける。

目的地と、出発地点(現在地に近いが、タクシーに乗り降りしやすい場所を選ぶ必要がある。専用の停車場が設定されている場所もある)を設定し、料金などを確認して、配車ボタンをタップすると、何分でクルマがやってくるかが表示される。

ここまでは、UberやLyftと基本的に同じインターフェイス。体験したことのない方に説明しておくと、最初に運転手の方に目的地を説明する手間がなく、料金も分かっているので、道を知らないタクシー運転手にイライラしたり、渋滞に巻き込まれて動かないのに上がっていくメーターに冷や汗を流すこともない。自分本位に動けるところが、とにかく快適なのだ。

最初にunique car IDを設定しておけば、車両上部、いわゆる行灯の部分にそのイニシャルを表示しながらやってくる。Uberだと車種やナンバープレートで識別し、最終的には乗る時に運転手の名前で間違いがないか確認するが、同じ車両がたくさん走ってるWaymoの場合はこのunique car IDが頼りというわけだ。


車両が目の前に停車して、自分の車両だということを確認したら、スマホアプリの『Unlock』をタップ。ドアノブが伸びて、ドアを開くことができるようになる。

乗り込んだらシートベルトを締めて、クルマのディスプレイに表示されているStart rideをタップすると走り出す。

「呼び捨てかよ!」と思わなくはない(笑)

そして、目的地に着いたらドアを開いて降りるだけだ。料金はクレジットカードから引き落とされる。降りる際に、「何で支払えますか?」などというやりとりも必要ない。

個人的には、車内がプライベート空間になるのも嬉しい。

タクシーにせよ、Uberにせよ、運転手の方と話さなければならない。地元のドライバーと話すのが旅の醍醐味……という部分もあるが、それが日常になると「Where are you from? Japan?」などという当たり前のやりとりを乗ってる間にするのも面倒なことも多い。移動中、気を遣わずに仕事をしたり、休息をしたり、自分のプライベートな時間に使えるのがいい。電話をしても、運転手の方に会話を聞かれるという気遣いもない。とても気楽なのだ。

技術的問題はクリアされつつあり、残りは倫理的問題

技術的にはもう自動運転で問題はないというところまで来ている。あとは倫理的な問題だろう。

筆者は、運転というのは責任問題だと思っている。運転席に座っている限りは、事故を起こした時に当事者として責任を取らなければならない。

では自動運転の時はどうなのだろうか?

たとえば、自動運転のテスラに家族が轢かれて死んだら、誰に責任を追及すればいいのだろうか? イーロン・マスクが謝ってくれるとは思えない。では、運転席でクルマに運転を任せてうたたねをしていた人に謝ってもらうべきなのだろうか?

逆に考えると、自分が自動運転車に運転を任せて寝ていて、目が覚めた時に人を轢いて死なせてしまっていることに気付いたとしたら、どうすればいいのだろうか? 責任は自分にあって、謝罪しなければならないのだろうか? そこを解決しない限り、自動運転車の社会実装は不可能だと思っている。

その点、自動運転タクシーの場合は、少なくとも運営会社が謝罪し、責任を取ってくれると思う。納得がいくかどうかは分からないが、少なくとも怒りの持って行き場所はあるということだ。

日本にも導入されればいいのだが

自動運転車が導入されたら、日本の社会問題のいくつかは解決するだろうし、導入するべきだとは思うのだが、日本のタクシー業界の影響力は強いらしく、当分導入は期待出来ないようだ。導入されるとしても、タクシー会社が中心になって、今のUberのように骨抜き状態で導入されるのだろう(つまり、ダイナミックプライシングで安価になったりはしない)。

西海岸のように、何もかもチャレンジばかりというワケにはいかないとは思うが、影響力のある業界団体のロビー活動が幅を利かせているうちに、ゆっくりと国が衰退していくというストーリーからは、そろそろ決別したいものだ。

停まろうとするWaymoと、発車しようとしているWaymoが道を譲り合ってマゴマゴしている様子は少し面白かった。つまり、集中制御されているわけではなく、それぞれが自律制御しているのだ。

(村上タクタ)

 

 

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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