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新型iMac 24インチ(M3)が、あなたの生活を変える【先行レビュー】

  • 2023.11.06

美しい7色のiMac 24インチがリニューアルされ、M3チップ搭載となった。非常に高い性能を持つM3チップの搭載により、iMacは非常にコストパフォーマンスの高いオールインワン端末となった。初代iMacから25年。iMacはますます理想に近づいている。

M2を飛ばして……M3搭載iMac登場!

2021年5月登場のiMac 24インチ(M1)以来、2年半が経った。M2 iMacはついに登場せず、ひと足飛びで発表されたのは、iMac 24インチ(M3)だった。

この事から分かるのは、アップルはかならずしも全ラインナップのチップセットを世代ごとに更新するとは限らない……ということだろう。「M2 iMacが出るかも……」と思って待ちを決めていた人は、最大2年待たされたことになる。将来何が出るか……と予想して待つよりも、今あるラインナップの中でベストな選択肢を選んだ方が良いということなのだろう。

取材で体験してみると、またApple Storeなどの店頭で実際に触ってみると、iMac 24インチは非常に魅力的な製品だ。しかし、周囲の人の購入状況などをみてみると、iMac 24インチの魅力はかならずしも伝わっていないようにも思う。iMac初代から数えて25年。「画面だけが目に入る、美しくて、コンパクトなオールインワンMac」という理想に、iMacはかつてないほどに近づいている。


各世代、それぞれに人気を博してきたが(人気でなかったモデルもあったが)、とりわけ今買い替えたい……と切望しているのは、 インテルチップを積んだiMac 27インチを使っていた方々だと思う。

実は、筆者は出版社にいるのだが、身の回りのエディトリアルデザイナーでもiMac 27インチを使ってる人が多い。彼らが一番気にしているのは、「A4見開きのデザインを原寸大で表示して、さらにツールを置くスペースがあるか?」である。残念ながら、iMac 24インチはその条件を満たさない。今のアップルのラインナップでいうと、Studio DisplayとMac Studio、もしくはMac miniを組み合わせて使ってほしい……ということなのだろうけれど、シンプルなツールを好むデザイナーはオールインワンのマシンを欲しがっている。

この件に関しては「エディトリアルよりも、ウェブデザインなども含めて考えるべきだから、iMac 24インチを購入すべき」なのかもしれない。それともA4見開きを楽々と表示する31.5インチぐらいのM3 Pro搭載iMacをアップルが出してくれるのだろうか? M2 iMacを飛ばして、M3 iMacを出してきたアップルの力の入れようからすると、望みは薄そうな気がする。現行デザインの31.5インチiMac……出たら美しいと思うのだけれどねぇ……。

つまり、このiMacはベテランユーザーに向けてではなく、初めてMacを買う人に向けて作られているのだと思う。

実際、たとえばひとり暮らしの部屋で、仕事から余暇の動画観賞まで、すべて本機で行えるし、リビングに置いて、家族分のログインアカウントを作って共用Macにするというような使い方にもとてもフィットする。Touch ID付きのキーボードを利用すれば、そこに人さし指を触れれば利用アカウントが切り替わるというような使い方も可能だ。

7色のチョイスは変わらず……しかし徹底した展開!

話が大幅に逸れた。それはそうとして、多くの人の手に届いていないのがもったいないほどiMac 24インチは美しい。取材機がリビングに来るたびに、家がグッと華やかになる。この点はもっと評価されるべきだ。

広大なボディは濃淡2色のトーンのアルマイトが施されたアルミニウムで構成されている。

提供されている7色はM1の時と同様のブルー、グリーン、レッド、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルだ。イエロー、オレンジ、パープルの3色は、4ポートを持つ上位モデルにしか用意されない。

このカラーコーディネートは実に徹底されていて、本体、パッケージはもちろん、電源ケーブル、同梱されるMagic Keyboard、Magic Mouse、Magic TrackPad、その充電用のLightningケーブル、ステッカー、取扱説明書、画面保護のために貼ってあるフィルムの『Hello』の文字にいたるまで、それぞれの色に統一されいてる。在庫管理の手間を思うと気が遠くなるが、この統一性は購入した時の喜びを増やしてくれるだろう。

アップル製品のディスプレイの周りに有彩色が使われることはほとんどない(ボンダイブルーのiMacも正面から見るとほとんど白い)。これは、アップル製品がデザイナーなどに使われることが多いからで、ディスプレイの周りに有彩色があることで、表示色に錯覚が生じるのを防ぐためだと思われる。このiMacもその例に漏れずディスプレイの周りは白いが、ディスプレイ下の部分はボディ色を淡くしたものが使われている。「この色が気になるから、グレーを選ばざるを得なかった」というデザイナーは多い。この部分をアップルは無彩色にするべきだと思う。たいていの場合、付箋を貼る場所になっているにしても(笑)。

取材機の仕様は、ミドルクラスモデル

取材機は、8コアCPU、10コアGPUの4ポートモデル。メモリ16GB、ストレージ512GB、ギガビットEthernet付き。Touch ID付きのMagic Keyboardと、Magic Mouse、Magic TrackPadのセットになって、30万7600円の仕様だ。

最安のモデルが19万8800円で、本当に初めて買う人なら、そのままかストレージを512GBにするぐらいで、実に使いやすいマシンが手に入ると思う。逆に、筆者がもし買うなら、取材機ぐらいのところまでアップグレードすると思う。

ただ、メモリの最大搭載量は24GB、ストレージも2TBまで……という拡張性は少々物足りない。iMac 27インチや、iMac Proを思い出しても、もっとパワフルなオールインワンがあってもいいと思うのだが……。

ベテランなら、キーボードやマウスは手持ちのものを使いたい……ということも多いと思うのだが、本機購入時にマウスやキーボードを省略することはできない。かならず共色のものを買わなければならないのだ(共色のものは、単体売りはないので、価値は高いとも言えるが)。そういう意味でも、本機は「初めてMacを買う人のために」という製品なのだろう。

M2どころか……M1 Proに迫るパフォーマンス

実際問題、ちょっと使ってみると、そのパフォーマンスは素晴らしく、日常のあらゆる処理は容易にこなすどころか、ちょっとヘビーな処理でもまったく問題はない。「ビデオ会議をしながら、Wordと、Photoshopを開くともたつくんだよね」というようなレベルのパソコンを使っている人は即刻買い替えた方がいい。

本機なら、4K動画数スレッドの編集をしながら、同時に何本か別のアプリを立ち上げる……というような作業をしたって、まったく問題はない。ビーチボールが回っているのを待つことにあなたの時間を遣うなんて、本当に無駄だ。

Geekbench 6を回してみた結果はご覧の通り。

アップルの言っている通りではあるし、想定通りではあるが、それにしても速い!

過去のデータと較べてみると、CPUのマルチコアはM1 Pro(データはCPU 8コアのモデルだが)を凌駕しているし、GPUもM1の60%増し。14コアのGPUを持つM1 Proと較べてさえ75〜80%ぐらいの処理能力を持つことになる。つまり、初代のiMac 24インチと違って、よりビデオ編集などもバリバリできる性能に近づいているということになる。

あなたのリビングにもiMacを

ベテランユーザーとしては、より大画面、かつパワフルなiMacの登場は夢見て止まないが、まずはM3搭載のiMac 24インチも十分にパワフルで、拡張性にも富んでいる。

何よりも、リビングにこのカラフルなiMacを置いた時の、ワッと華やぐ感じを体験してみていただきたい。家族のいるリビングに、ひとり暮らしの生活の傍らに、とっても似合う唯一無二のオールインワンだと思うのだ。

(村上タクタ)

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