高校のツレからはじまった、カスタム人生最強のバディ。

国内外のカスタムショーで多くのアワードを獲得している「カスタムワークスゾン」。アメリカのカスタムカルチャーの流れを受けつつも、独自のクリエイティビティを発揮して注目を集めている。価値観の違う二人の強い個性が、カスタム界に新しい風を巻き起こしているのだ。

価値観が違うから新しいモノが生まれる。

古民家をリノベーションした週末限定オープンのショールーム。歴代のアワード受賞作品を眺めながらコーヒーが楽しめる。2月からWESCO正規販売店として取り扱いを開始。バラエティ豊かなカスタムブーツを展示している

日本をはじめ、アメリカやヨーロッパのショーでも数々のアワードを獲得している「カスタムワークスゾン」。バイクブームに沸くアジアではスター的な人気で、ショーへの招待が殺到している。

ショーバイクのフルカスタムを手がけているのは、もともと高校の同級生だったという吉澤雄一さんと植田良和さんだ。2003年に二人で独立し、4年後にアメリカの老舗カスタムショー「ラッツホール」でチャンピオンを獲得。それ以来、シーンの最前線を走り続けてきた。世間ではショーでの華やかな部分に注目されがちだが、普段は滋賀県のファクトリーで作業に明け暮れているという。

「人と話すことが好きな自分が、営業的なことを担当しています」

吉澤雄一さん|学生時代からのバイク好き。国産トラックメーカーで勤めた後、植田さんを誘ってバイクのカスタムショップへ転職。2003年に現在のショップを二人で創業

笑顔で語るのは代表の吉澤さん。初対面の人と話すのが少し苦手で作業に専念したい植田さんが細かい作業を担っている。

性格の異なる二人だが、フルカスタムは二人で手がけるのが基本。意見がぶつかることもあるが、その試行錯誤の繰り返しが、一人では辿り着けない革新的な作品を生み出す力となっている。

植田良和さん|10代の頃からバイクに親しむが、社会人となりクルマに傾倒。農業機械のメカニックをしていたところ、吉澤さんに誘われバイク業界へ転職することに
ファクトリーは車両の展示されているエントランスと作業スペースに分けられている。パーテーションの一部はガラス張りになっており、作業風景を見ることができる
展示されているのは資料として集めているヴィンテージコレクション。メグロのオートレーサーやアリエルなど、マニアックな車両が極上の状態で保管されている
「NEW ORDER CHOPPER SHOW2022」でベストオブチョッパーを獲得したトライアンフのROCKET3。排気量は2500㏄。アルミの外装でスマートにまとめている

1973 HARLEY-DAVIDSON FL1200|高強度アルミ合金を採用したスピードトライアルマシン。

「横浜ホットロッドカスタムショー2022」でチャンピオンを獲得した「IRVING」は、ソルトレイクを走るスピードトライアルマシンをイメージして製作。高強度で加工しにくいと言われる7N01アルミ合金(A7204)を採用し、高い技術力でシングルクレードルフレームに加工。ワンオフ製作したアルミのガーターフォークとホイールカバーをセットし、近未来的な世界観を演出している。

シンプルなデザインのハンドルはワンオフで製作。トップブリッジとフレームには「シルバースミスフィン」による美しい彫金が施されている。

排気量1530㏄のエンジンにウエーバー製ツースロートキャブレターを搭載。モーリス製マグネトーを2基掛けし、ヘッドカバーには彫金を施した。

ショートの2本出しマフラーはワンオフ。プライマリーはBDL製2インチベルトドライブでオープン化し、ベイカー製6速ミッションを採用している。

オイルタンクと一体化したワンオフのシートカウルに、KAMIKAZEによるピンストライプをあしらった。シートからテールカバーの革細工は空冷四速。

2021 S&S KNUCKLE HEAD 93ci|S&Sのエンジンをおごる新しいオールドヒルクライム。

新しい素材と技術でヒルクライムのオールドレーサーを再現した一台。1530㏄のS&S製ナックルヘッドエンジンをオリジナルフレームに搭載。ヒルクライムスプリンガーフォークは、カスタムワークスゾンによって細かいディテールが再現されている。ホイールもフルオリジナルで、スポークにはヘラ絞りの技術が用いられている。ヴィンテージのような凄みを放っているエイジングにも注目だ。

ヒルクライムレーサーをモチーフにワンオフで再現したハンドル。千里浜サンドフラッツで走行した際、ポジションが低すぎたのでアップに変更した。

絶妙な使用感を醸し出している分割タンクはワンオフ品。グラフィックのデザインは吉澤さんが手がけ、AOZORA WORKSがペイントを施した。

オープンプライマリーをチェーン化し、スーサイドクラッチを採用。ヘッドシリンダーヘッドホンを加工してリンカート製ツインキャブを搭載した。

内蔵したLEDテールライトにスリットが入ったリアフェンダーはワンオフ。シートもワンオフ製作した逸品で、自作のサスペンションが装備されている。

【DATA】
CUSTOM WORKS ZON
滋賀県蒲生郡日野町木津185
TEL0748-52-6410
営業/10:00~ 20:00
休み/水曜
cw-zon.com

CUSTOM WORKS ZON Customer Lounge
滋賀県蒲生郡日野町木津502
営業/13:00~ 18:00( 土日祝のみ)

(出典/「Lightning2023年5月号 Vol.349」)

この記事を書いた人
Lightning 編集部
この記事を書いた人

Lightning 編集部

アメリカンカルチャーマガジン

ファッション、クルマ、遊びなど、こだわる大人たちに向けたアメリカンカルチャーマガジン。縦横無尽なアンテナでピックアップしたスタイルを、遊び心あるページでお届けする。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

日本人に最適化された新作の“JAPAN LIMITED”に注目!「MOSCOT」現代に引き継がれるアメリカンクラシックのDNA

  • 2026.05.20

1915年にNYで創業し、アイウエアデザインの王道を形づくった「モスコット」。多様なデザインで溢れるいまこそ、伝統に裏打ちされたクラシックな佇まいに惹かれる。 新作の“JAPAN LIMITED”のラインナップを紹介! 2016年よりスタートした“JAPAN LIMITED”は、インラインにはないノ...

ロンドン生まれのアイウエアブランド「CUBITTS」が日本に本格上陸! 人気の秘密に迫る。

  • 2026.05.19

英国・ロンドン生まれのアイウエアブランド「キュービッツ」。日本へ本格上陸したばかりでまだ多くを知られていない、その全容を紐解く。 ロンドン生まれ質実剛健な実力派 2013年にロンドンで創業、2025年に日本へ本格上陸を果たした「キュービッツ」。本国では、新鋭ながら圧倒的な知名度を誇り、ビスポークも手...

Pick Up おすすめ記事

夏を彩るカラーゴールド。「市松」定番の18金シリーズはカラバリ豊富で夏に欠かせないアクセサリー

  • 2026.05.18

湘南に工房を構えるオーダーアクセサリーブランド「市松」。1997年に創業し、その2年後から27年も続く定番の18金シリーズは、カラバリも豊富で、いまや欠かせないブランドの顔だ。プロダクツとしての魅力だけでなく、夏の装いにも重宝する。 「市松」の定番、特別な5色の18金 「酷暑日」という言葉が新たに発...

アメリカンクラシックの原点「ディグナ クラシック」の[ジミー]なら、カラバリ・仕様も豊富で自分好みの1本が見つかる!

  • 2026.05.21

50sアメリカンスタイルを踏襲した「ディグナ クラシック」の[ジミー]は、シンプルなデザインやクラシックな世界観から多くの人に愛される名作。その人気ゆえ、仕様やカラーのバリエーションが非常に豊富な[ジミー]の全容をいま一度おさらいする。 955E“Jimmy”とはどんなメガネ? 1950年代にアメリ...

働くヒトとヴァーグウォッチ。【vol.01靴磨き職人/「Chett」店主・大平雄太さん】

  • 2026.05.21

「Time is Money」=「時は金なり」。自身の仕事に誇りを持ち、日々働く人々は有限な“時間”というものを重んじ、身につけるプロダクトにも徹底的にこだわる。アンティークウォッチの旧きよきディテールを備えながら、手軽かつデイリーに使うことのできるヴァーグウォッチはそんな彼らの心強い相棒となる。 ...

落語家たちが洋装に身を包む会、第4弾! 落語会「師匠お似合いですよ」の舞台裏で注目の落語家たちをSNAP!

  • 2026.05.18

アメカジを提案するファッションブランド「ゴールデンベア」が主催する落語会、その名も「師匠お似合いですよ」。弊誌も師匠方のスタイリングを担当。第4回目となる今回も大盛況でした。楽屋裏で撮影したみなさまの素敵な着こなしをお届けします! 落語家たちが洋装に身を包む会「師匠お似合いですよ」の舞台裏に潜入! ...

アイヴァン史上初の完全復刻。“ヒストリック コレクション”誕生の裏側に迫る!

  • 2026.05.22

「アイヴァン」2026年春夏の新コレクションとして突如発表された“ヒストリック コレクション”。これまでにもアーカイブを現代に甦らせる試みは幾度か行われてきたものの、どれも細やかなアップデートが施されていた。文字通りの“完全復刻”は今回が初となる。 アイヴァンには立ち返るべき原点がある どこぞのヴィ...