40代、終活始めました。クローゼットに残ったのは全部、同じデザインのこのパンツ。

一昨年長期入院することになり、急に不要なもの、好きではないこと、今の自分に合わないものなどもろもろ整理したくなって、40代にしてずいぶん早い終活をすることにした。とは言ってもすべてを整理するというよりは「第一弾」という感じ。歳を重ねて着るものに関してはデザイン以上に「ストレスを感じない」ことが重要になってきており、その基準に合わないものを譲ったり売ったりした。

残ったのはグラミチのバルーンパンツだけだった。

気づいたらクローゼットにはグラミチのバルーンパンツだけが残った(他にも数本あるが普段履きとしてはこの写真の通り)。コーデュロイのパンツはストレートなのでバルーンパンツではないかもしれないが、ほかにも紺色とベージュがありそれは家族に譲った。

最初の出会いはビームスボーイの別注だったと思う。職業柄、物撮りや取材撮影でひざまづく機会が多く、デニムだってあっという間に膝が出てしまう。ストレートのタイトなパンツはすべて膝が出てしまい、せっかくのシルエットが台無しになってしまうのだ。

だが、このバルーンパンツは名前の通りバルーン状になっていて膝回りに圧倒的な余裕がある。膝は出ないし、空気を含むので冬は暖かく夏は涼しい。

チノのバルーンパンツ

気がつけばウール混の冬物、麻混素材(ものによって比率が違うのが面白い)、チノクロスと様々な素材で買い集めていた。ただ残念なことに近年はビームスボーイと別注はしていないようで今年買い足したものはオッシュマンズで見つけた。またぜひ別注をお願いしたい。

さて、グラミチといえばアメリカのブランド。今から15年前のライトニングの営業チームにグラミチ好きがいてよく名前が飛び交っていたのを思い出す。サーファーだった彼はグラミチのショーツで出勤していた。それもあってちょっとチルいブランドとして認識していて、メンズのパンツしかないと思っていた。その後自分が「ストレスを感じないパンツ」としてこのチルいパンツをこんなにも偏愛することになるとは思ってもみなかった。

「ストレスを感じない」理由は、膝が出ないことだけではない。最大の理由はウエストだ。グラミチはクライミングに由来するブランドで、180度の開脚を可能にする「ガゼットクロッチ」と片手で緩めたり締めたり簡単にできる「ウェビングベルト」が特徴だ。この「ウェビングベルト」は、ゴムのウエストをキュッとベルトで締め上げる仕様になっていて、レディースブランドではまず見ない。

ベルトを緩めるとゆったりとしたシルエットになるが、ベルトで締め上げるとシュッとして綺麗めのシルエットになるのだ(若干ね) 。40代の一筋縄にはいかないウエストに優しいだけでなく、シルエットが好みで変化できるという優秀さに惚れて、気づけばこれしか着られない身体になってしまったようだ。

メンズパンツももちろんウエストは同仕様になっているので、年齢を重ねてリラックスしたシルエットや着心地を求めるようになってる人におすすめしたい。一度履いたらあなたもきっと私のクローゼットと同じことになるだろう。

ウェビングベルト。紐を引っ張るだけでキュッとウエストが閉まる。緩めるとゴムパンツと同じ履き心地でかなり緩い
ウェビングベルトは緩めると腰でループ状になる
USAと書いてあるがMADE IN USAだったのは2000年代初頭まで

ウール混の2本は特にお気に入り。ここ数年見かけないので別注で復活してほしい

麻混の2本。下は麻の比率が高いのでシワができやすい。それも風合いと思ってガシガシ着ます
生地はポリエステル×コットン。ブラックなので綺麗めな装いにも合いモードにも使える
やっぱりこれはバルーンパンツではないけれど、コーデュロイでありながら膝が出ない、ストレスなく履ける1本
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ぬまっち
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ぬまっち

Dig-it中の人

ライトニング編集部に配属されたのは2010年。その後、海外ガイド本、美容専門誌などを渡り歩き、再びライトニング編集部へ戻ってくるも実は本誌で執筆したことがないDig-it中の人。延べ5年ほど在籍しているのに寂しい!ということでWEBで書くことを決意(編集長はまだ知らない)。東京都町田市出身。小学生の時、駅前のマルカワでエドウィンのジーパンとネルシャツを購入してもらい、アメカジデビュー。その後エビちゃん期を乗り越え、ゆるくアメカジ周りを周回中。
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