40代で始めた終活。写真データを取り出してガラケーの山とおさらば。今はあの人の胸で輝いているはず

今から16年前、ガイドブック編集経験者だったこともあり、めぐミルクパイセンが担当する「旅ガール」の編集としてLightning編集長・松島親方の面談で採用された。だからずっとLightningにはちょこちょこ在籍しているのだけれど、誌面で書いたことがなく、今編集長に黙ってここで書いている。内緒です。そしてちょうどそのころの携帯に保存されたデータは、数年前にミスで削除してしまって、記憶の中で反芻して忘れないようにしている。

なぜか処分の前に僧侶ライターに取材される

もう少し当時の話をすると、当時Lightningを発行していた枻出版社の採用は変わっていて、大きな会議室に出願者をぎっしり入れて、それを囲むように各編集長陣が座り、興味がある人物に声をかけ、目の前に来るように伝えて面談するスタイルだった。まるで生け簀の中の鯉のよう。Lightning以外に声がかかったのは、ガイドブックとエリア本を制作している編集部で、話をしたけれどあんまりピンと来ていない様子だった。

続いて声をかけてくれたのが松島親方。「アルバイト採用でもうちくればギャラ規定より弾むよ」「今日スーツで来てるけど普段どんな服装?」。おおむねこの2つの質問に答えて、その場で採用が決まったと記憶している。このスピード感は今も変わらない。尊敬。

で、本題の携帯のデータの話。

昔は携帯の機種変が1円とか数千円でできたから、毎年買い替えていた。そうするとできたのが携帯の山。サステナビリティなんて言葉も今ほど一般的ではなかったし、メーカーも回収を今ほど大々的には謳っていなかった。データを移し替えるツールも今ほど発達していなかったから、携帯の中にそのまんま保存している人も多かった。

ある時、バツイチ仲間の友人ライターからWEBメディア用の記事ネタで、僧侶ライターに供養してもらうものがないかという話が舞い込んだ。最近、面接日と入社日で苗字が違ったことを松島親方にいじられたことや、過去の携帯電話がすべてあって、中身がなかなかに香ばしいという話をすると「それだ!」となった。

当時ちょうど「au」が『おもいでケータイ再起動』という、ガラケーの充電を専用の機器で行い、中の写真を見ることができる無料イベントを行っていた。他社のガラケーでもOKという太っ腹。スケジュール的にそのイベントではなく、数万円かけて専用の機械を借り(編集部の許可、よく下りたと思う)、いざ取材日。元カレやら元ダンナとのイタイ会話を読み上げながら大爆笑しつつ、供養してもらった。

ガラケーのデータを取り出すのは結構大変。知られたくない過去は葬り去れた

供養もして、記事にもなったので、レアメタルなどの資源を含む「都市鉱山」であるガラケーを携帯会社に戻そう! と思い立ち、探したらドコモが無料引き取りと穴あけ処理をやっていたので持っていくことにした。

と、その前にデータの取り出しのハードルが高い!

データ取り出しで一番困るのが、充電ができない場合。『おもいでケータイ再起動』で専用の機械を使って充電してもらう以外は、充電ケーブルがなければ充電端子の合うものをそれぞれ買う必要があるし、バッテリーが膨張していたり液漏れしていたりしたら、バッテリー自体を交換する必要も出てくる。充電ケーブルをいくつかAmazonで、バッテリーが膨張していたものが一つあったので、ヤフオクで1000円くらいで購入した。今ならAIを使って機種の写真から該当するバッテリーや充電ケーブルを探すのも、当時よりずっと楽になっていると思う。

▼すべてではないけれど購入したのはこのあたり
・USB電源用ACアダプター
・エレコム FOMA/SoftBank 3G対応 USB充電ケーブル MPA-BCFUSB/BK
・トランセンド USBカードリーダー TS-RDF5K
・Lightning USB変換アダプタ(カメラ/USBメモリ等対応)
・BUFFALO USB3.2(Gen1)Type-C/Type-A対応 USBメモリー 32GB RUF3-AC32G-BL

さあ、ここからが大変。記録メディアの種類の多いこと。SDカード、miniSD、microSD、メモリースティックなど。いくつかは手持ちのUSBハブに挿せたが、挿さらないものはカードリーダーなどを買い足さなければならない。microSDをSDカードサイズに変換するアダプターも必要になった。2回くらい商品選びに失敗してAmazonに返品しつつ、全部のデータを移し替えたときは、やり切った感が半端なかったのは言うまでもない。

やってみては失敗を繰り返し、1週間がかりで終わったところでドコモに持って行った。30分程度で穴あけ処理は終わった。合掌。

良いタイミングだったようで、カウンターの優しいお兄さんによれば、取り出した金属で東京オリンピックのメダルを作るんだという。10年以上にわたる私のイタイ話を見聞きした携帯たちが、オリンピアンの胸で輝くことになるとは。非常に申し訳ない気持ちになると同時に、携帯と悪戦苦闘した日々を誇らしく思うのだった。

そして、過去のイタイ話や写真は葬り去ることができ、きれいな思い出だけが小さなUSB一つに収まった。これは40代だからこそ、やっておくべき終活だと思う。

『おもいでケータイ再起動』は現在も開催中。直近では9月4〜6日に銀座の「GINZA 456 Created by KDDI」で開催されるほか、今後も各地で開催予定なので、家に眠っているガラケーがある人は公式サイトでスケジュールをチェックしてみてほしい。※データの取り出し&充電サービスではありません。詳しくはHPでご確認下さい。
https://www.au.com/omoidekeitai/
実家から後日出てきたガラケーたち。元祖「写メ」J-SH04などJ-PHONEとVodafone。懐かしい! これもdocomoショップへ持ち込んだ

懐かしのau design projectの名作「PENCK(ペンク)」の起動音をお届け。バックに映っているストラップが「NANA」なあたり、想像してください。迷走していたエビちゃん期の名残。

ガラケーの画面は絵文字満載で可愛かった。左側の部品が浮いてるところは、バッテリーが膨張し、背面カバーが閉まらない状態。ほかにもゴムっぽい部品は軒並みべたべたになって破損していた
今はこの親指サイズのバッファロー USB3.2(Gen1)Type-C/A対応USBメモリに収まっている。当時使っていたiPhoneには直接挿せなかったため、Lightning USB変換アダプタも購入した。
この記事を書いた人
ぬまっち
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ぬまっち

Dig-it中の人

ライトニング編集部に配属されたのは2010年。その後、海外ガイド本、美容専門誌などを渡り歩き、再びライトニング編集部へ戻ってくるも実は本誌で執筆したことがないDig-it中の人。延べ5年ほど在籍しているのに寂しい!ということでWEBで書くことを決意(編集長はまだ知らない)。東京都町田市出身。小学生の時、駅前のマルカワでエドウィンのジーパンとネルシャツを購入してもらい、アメカジデビュー。その後エビちゃん期を乗り越え、ゆるくアメカジ周りを周回中。
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