アールデコが息づく美しき工業デザイン。ヴィンテージカメラの世界

ヴィンテージという概念が存在する世界には、必ずコレクターが存在する。そのカテゴリーは細分化されており、デニムのようにメジャーなものから知る人ぞ知るニッチなものまで、奥深い世界が広がっている。そんな様々なジャンルのコレクターを、テーマごとにフィーチャーし、膨大なコレクションの中から厳選した逸品を紹介していく。

L.|1980年、東京生まれ。旧き良き時代の文化を背景に、独自の世界観を現代へと描き出すデザイナー・アーティスト。グラフィックデザインをはじめ、服やバッグへのペイント、車体やショップへのハンドレタリング、さらにキャンバスに至るまで、表現方法は多彩。GLADHAND&CO.の創業当初から専属アーティストとしてアートワークを手掛け、WOLFMAN BARBER SHOP、Bellwood Experiment Inc,, OLD MOUNTAINなど、様々なブランドのビジュアルを生み出してきた。自身の創作活動の傍ら、アメリカ各地を回り、ジャンル問わずインスピレーションの源となる時代の品々を収集。その中でもアールデコの洗練さを感じさせるデザインや、当時の大衆文化の息づかいを宿したアイテムには、とても惹かれるものがあるそう。世界恐慌で貴金属やエナメルが使いづらくなった中、洗練された生活を求め、生み出されたリバースペイントのガラスフレームや、アールデコからインダストリアルモダンへの移行期が生み出した魅力的なカメラのコレクションなど、その偏愛と、手に入れるまでのヒストリーに想いの篭ったコレクションには、市場価値以上の魅力がある。https://www.l-head.com/

1940s ANSCO

1947年から50年代にかけて販売されていたボックスカメラのPioneer。アールデコ調のディテールが随所に施されている。モデル名は最初の1代に最適だという意味である。

1940-50s WHITEHOUSE

ニューヨークに拠点を置くカメラ会社が1940年代後半から50年代中期まで生産していたBeacon-2。ベークライトを用いたボディでアール・デコデザインが魅力。

1940s FALCON

ニューヨークのカメラメーカーによって1939年頃に発売されたMiniatrue。127フィルムを使用するシンプルさで、バリエーションが多くコレクターに人気。希少なデッドだ。

1930s ARGUS

1936年に発売され、35ミリカメラをアメリカ市場に普及させたという名品。モデル名はAnastigmatで、独自開発したレンズ設計における技術用語となっている。

1930s KODAK

1933年から48年にかけて製造された、アールデコ調のデザインが特徴的なフォールディングカメラSix-16。1933〜37年の前期モデルのため、フロントパネルが個性的。

1935年にリリースした828フィルム規格のフォールディングカメラのバンタム。アールデコ調のデザインが随所に落とし込まれており、人気も高い。初期はベークライト。

1910s-40s BROWNIE

外付けの大型電球フラッシュガンが取り付けられる620フィルムカメラのフラッシュSix-20。1940年代にリリースされ、英国でも販売された。シンプルなデザインが特徴。

アールデコ調の装飾が美しいボックスカメラSIX-16ブロウニージュニアは、1934年に発売され、1940年代前半まで販売された。当時のエントリーモデルとして人気を博した。

合成皮革と金属製の前面パネルが組み合わされたボックスカメラのターゲットSIX-20。1941年から46年のモデルが前期モデルとなる。30年代と比べるとシンプルな印象。

1948 PORALOID

1948年に世界初のポラロイドインスタントカメラとしてリリースされたランドカメラモデル95の貴重なデッドストックを所有。53年まで販売され、当時は革命的な技術として驚かれた。

(出典/「CLUTCH Magazine 2026年2月号 Vol.102」)

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