2ページ目 - 過酷なるレースで培われた技術をストリートへ還元し生まれた「サンダンス」究極の4カム・ハーレーの軌跡

ビューエルS-1、その源流を想起させるネイキッド・デザイン

1989年に製作したこのマシンはビューエルRR1200の巨大なエアロカウルを取り外し、ネイキッド化。後の“S-1”や“M-2”に影響を与えたであろうことがうかがえるフィニッシュとなっている。そのデザイン性も高い。

培った技術の粋を集めた究極のストリート4カムハーレー

柴崎自身が米国、デイトナで組んだ右ページのスーパーXR1号機をベースに、車体剛性を強化するサブフレームを装着し、外装や足回りなどブラッシュアップを果たしたクイックシルバーは、まさに4カムハーレーに対するサンダンスの哲学を込めた1台。これも掛け値なしに究極だ。

4カム・ロボヘッド、サンダンスが示すもうひとつの解答

エンジンVバンク間に向かい合わせでキャブをセットし、ノーマルのカムレイアウトを崩すことなく理想のツインキャブ化を果たすロボヘッド。その独創的な吸気方式には、デイトナウェポンIで培った技術がダイレクトに息づく。

日本からパーツを持ち込み米国で産声をあげたスーパーXR1号機

95年3月の米国デイトナにて日本からパーツを持ち込み、現地で組み上げられたスーパーXR1号機。柴崎曰くD・オブライアンやJ・ワード、D・ティリーなどのH-Dレーシングのレジェンドたちに「どうしても最初に彼らに見せて音を聞かせたかった」とのこと。

1995年にスーパーXR1200-5が市販開始された際の広告写真。XR750とXR1000、そしてサンダンスのマシンが並ぶ光景はツインキャブ・4カムH-Dの進化への系譜を、まさに指し示す構図である。

ゆかりのあるレジェンド・ライダーその名を冠したマシンだち

93年に開発をスタートし、95年に市販化されたスーパーXRは純正ベースの他、C&J社がシャシー製作を担当した“DT”シリーズや“TT”をラインナップ。“ジェイ”や“スコッティ”、そして“ロジャー”など柴崎と交流のあったレジェンドライダーたちの名が刻まれており、彼らとの絆の深さが見てとれる。

Super XR1200-DT‘Scotty’

Super XR1200-DT‘Scotty’

Super XR1200-DT‘Jay’

Super XR1200-TT‘Roger’

1997年にデイトナを制した1台はスーパーXR、誕生の礎

伝説的ライダー、J・スプリングスティーンによって97年のデイトナBOTT-F2クラスを制した“ゴールデンボールズ”は、まさにスーパーXR開発のための実験車両。このマシンでの耐久テストの結果、後軸100馬力が耐久性の限界値であることを確認し、稀代の名機が誕生する。

蓄積した高次元の技術を投影する理想的ストリート・マシン

スイングアームの角度やピボット位置、キャスター角などのディメンションにこだわったC&JローボーイフレームにスーパーXRを搭載する“アヴェンテ”は、「レースで培った技術をストリートに還元する」というZAK柴崎氏の言葉をまさに具現化するマシン。87年にビューエルで描いた理想がこの1台で昇華する。

過酷なレースでの経験が息づく幻のコンプリートマシン

車体のジオメトリーをロードレーサーの数値に近づけ、快活な走りとすることを目標に掲げた“ゴールデンボールズ・プロジェクト”。そのコンプリートマシンとして販売される予定だった“ゴールデンボールズⅡ”だが、フレーム担当のC&J社の業務撤退により計画を中止。今もその結末が惜しまれる。

(出典/「CLUB HARLEY 2026年8月号」)

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