【鐵馬乗り的銘品図鑑】タフで軽い機能服のお手本「US ARMED-FORCESJUNGLE FATIGUE TROUSERS」

世には銘品と呼ばれる優れたプロダクトが、数多く存在している。そんなマスターピースを鉄馬乗りの目線でピックアップしていく。ハーレーライフをより充実させてくれる相棒になってくれることだろう。

オールシーズン活躍する熱帯向けの名作野戦服

今回ピックアップするのは、1960年代にベトナム戦争で投入された通称「ジャングルファティーグパンツ」こと「トロピカルコンバットトラウザーズ」をクローズアップ。これまでは同年代の「Mー65フィールドジャケット」やコートなどが定番だったが、近年は日本の気候にも合うジャングルファティーグが重宝されており、ジャケットの価格高騰に引っ張られるかのように、トラウザーズもプライスが上がっている。

「ジャングルファティーグ」とは、1960年代にアメリカがベトナム戦争へ本格介入することになり、熱帯地域向けに開発された野戦服のこと。そのため正式名称は、「トロピカルコンバットユニフォーム」とネーミングされた。1940年代の「Mー43」から「Mー51」、「Mー65」と脈々と進化していったレイヤリングシステムの野戦服は寒冷地向けで、それとは異なるアプローチで開発されたのが、このジャングルファティーグなのだ。

ジャケット、パンツともに1963年にファーストモデルがリリースされたが、これまでのミリタリーウエアとは異なって、開発期間が短かったことから、1〜2年単位でマイナーチェンジを繰り返し、1968年の第5世代モデルが出るまで目まぐるしく変化したことも、ヴィンテージ市場で人気を集めている理由。ファーストモデルとセカンドモデルが特に少なく、素材がコットンポプリンからタフなリップストップに変更されるフォースモデル以前は、価格帯が異なるので、探す際は注意したいところだ。

ハーレー乗り目線でトロピカルコンバットトラウザーズを選ぶなら、まだ比較的安価であり、在庫量も豊富な“フィフスモデル”を押したい。その理由を述べていくと熱帯向けのユニフォームではあるが、タフなコットンリップストップであり、真冬を除けばオールシーズンではくことができる。

また当初のコットンポプリンと比べるとタフな生地であり、速乾性にも優れているので、多少の雨であれば、乗っているうちに乾いてしまうこともメリット。コットンリップストップはフォースモデルから変更され、フィフスモデルと混同されることが多いが、前者はボタンフライ、後者はジッパーフライとなっており、利便性が高いのはジップ仕様。サイドの大きなカーゴポケットにはマチが付いており、座った状態でもアクセスできる上に、フラップが付いているので内容物が落下する心配がないこともイチオシの理由である。

ファッション好きからハーレー乗りまで人気を集めている理由として、ジャケットとパンツともにサイズだけでなく、着丈とレングスが選べることも大きい。トラウザーズにおいてはレングスがショート、レギュラー、ロングとあり、ミディアム/ショート、ラージ/ショートは人気のため、少し相場が上がる。170センチ前後の平均身長にちょうどよく、ブーツを合わせても窮屈ではないスソ幅や太さもバランスがいい。一本は持っておきたい銘品である。

1968 JUNGLE FATIGUE TROUSERS

1963年に支給され、1〜2年のサイクルでモデルチェンジを繰り返し、1968年に完成形であるフィフスモデルが登場した。この前作からリップストップに変更され、耐久性が大幅に向上。さらにフィフスからはジッパーフライとなった。人気のミディアム/ショートなので、少し価格が上がるのはご愛嬌である。2万2000円

【ポイント①】ウエストベルト式

1963年に登場したファーストモデルと次モデルまではウエストの調整がボタン式であった。サードモデルからアジャスターベルトに変更され、よりウエスト幅を調整できるようにアップデート。ロングツーリングの際に、ベルトレスで走れるのは大きなメリットになるはず。

【ポイント②】便利なジッパーフライ

ファーストモデルから1968年ごろのフォースモデルまでボタンフライトだったが、最終仕様はジッパーフライに変更。フォースとフィフスが混同される場合もあるので、フロントの仕様で確認したい。

【ポイント③】リップストップ

熱帯用のフィールドユニフォームとして当初は、薄手のコットンポプリンが採用された。速乾性はよいものの耐久性が劣るとしてフォースモデルよりコットンリップストップに変更された。着心地も抜群である。

【ポイント④】大きなカーゴポケット

ハーレー乗りには便利なカーゴポケット。ファーストモデルではボタンが剥き出しであったが、ジャングルが主戦場のため、ブッシュに引っかかることが多く、セカンドモデルより同仕様となった。マチがあり、収納力も高く、シートに座ったままストレスなくアクセスできる。

(出典/「CLUB HARLEY 2025年10月号」)

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