全世界に共感される漢らしさ、イーストウッド、 バイクに乗る。|バイカーズシネマパラダイス第16回

芸術的な価値はどうあれ、ハーレー談義のネタにあるいは物理メディアのコレクションとして、ガレージの棚の飾りか肥やしにピッタリな、そんな映画をテキトーにゴショーカイするぜ!

イーストウッドがバイクに乗る、旧いB級作品も一見の価値あり。

最近、日本のアニメ『ダンダダン』の主人公、オカルンの名前にちなんで、世界規模で注目された日本人俳優、高倉健さん。海外での反応としてSNSでのコメントを見ると、意外や“日本のクリント・イーストウッド”という意見が多くあった。まぁご両人とも、60年代からアウトローなイメージで活躍して土台を築き、歳を重ねるとともに磨き上げた演技と存在感で、名実ともに、各々国を代表するような大御所なのは間違いない。

ちなみに高倉健といえば、実は俳優としてメジャーになる以前は、有名な古着屋「シカゴ」がまだ渋谷の道玄坂にあったころ、そこの店員をしていて、アメリカのヴィンテージに関してはデニムからレザー、ミリタリーからフォーマルに至るまで深い造詣の持ち主だったとか。それゆえ、原宿辺りの古着業界の黎明期を支えた大御所たちから“見習うべき存在”とまでいわれ崇敬を集めているという。

さて、話をイーストウッドに戻そう。ネットでは一部に「イーストウッドが反日だった」という話があるが、コレも実際には根拠不明のトンデモ話だろうねぇ、単に古臭いアメリカ人というイメージからそこに繋がったんだろうけどね、しかし、イーストウッドがTV番組『ローハイド(59)』で知名度を上げながらも、ハリウッドからはTV俳優と格下に見られていた状況から、一躍世界的な映画スターへと押し上げたのは、セルジオ・レオーネ監督のマカロニ・ウエスタン、『荒野の用心棒(65)』であり、それは日本の黒澤明監督作品の『用心棒(61)』を無断で焼き直した作品。

黒澤明監督をして「腹立たしくて観る気にもならん!」と言わしめたものだが、これには後日談があり、黒澤監督が『夢(90)』でカンヌ映画祭に招かれてレッドカーペットを歩んでいるとき、そこでイーストウッドは群衆の中から単身飛び出して黒澤監督の前に跪き、「私の現在があるのは貴方のお陰だ」と深く感謝を述べたという。こんな真似、反日の人ならやらんよな。

加えていえば代表作の『ダーティー・ハリー(71)』もその物語は黒澤の『天国と地獄(63)』に影響されていると思しき話だし、『ダーティー・ハリー2(73)』に至っては望月三起也の漫画『ワイルド7(69)』からインスパイアされていると思しきもの。なんか『硫黄島からの手紙(06)』以前に、イーストウッドは日本に強く縁のある俳優でもあったんだよなぁ。

さて、そんな御大の映画でバイクが登場する映画では『マンハッタン無宿(68)』のトライアンフTR6が印象的だが、ナックルのチョッパーに乗る『ガントレット(77)』もなかなかに印象的だ。また、敵役にバイカー軍団が登場する『ダーティファイター(78)』とその続編『ダーティファイター 燃えよ鉄拳(80)』なんてのもある。大御所絡みとして数多の名作に隠れがちだが、この辺りの旧いB級作品も一見の価値はあるんだよな。

『ガントレット』

原題:The Gauntlet
制作年:1977年
製作:ワーナー・ブラザース(アメリカ)
監督・主演:クリント・イーストウッド
共演:ソンドラ・ロック

1976年当時『ガントレット』の撮影でエキストラとして動員されたのは、ネバダを拠点とする「The Noblemen M/C」。1970年代のリアルなバイカーたちの姿が写されている。

『ダーティファイター』

原題:Any Which Way You Can
制作年:1978年
製作:ワーナー・ブラザース(アメリカ)
監督:ジェームス・ファーゴ
共演:クリント・イーストウッド、ソンドラ・ロック

『アウトロー(1976)』以来、夢グループの社長と演歌歌手のような関係を長く続けたソンドラ・ロックとの共演は今作で2度目。荒くれ刑事の被害者となるバイカーから奪ったナックルのチョッパーは、後の1980年デビューのFXWGのイメージともよく重なる。

(出典/「CLUB HARLEY 2025年10月号」)

この記事を書いた人
CLUB HARLEY 編集部
この記事を書いた人

CLUB HARLEY 編集部

ハーレー好きのためのマガジン

ブランドとしての知名度が高く、独自のアパレルにもファンが多いハーレーダビッドソンは、バイクにあまり馴染みのない『ごく普通の人』にも大変な人気を博しています。バイクの知識がない人はもちろん、今日ハーレーのことが気になり始めた人、そしていまハーレーが好きで好きで仕方ない人たちも満足のいく情報を詰め込んだ雑誌が『クラブハーレー』です。
SHARE:

Pick Up おすすめ記事

70を超えるレザーブランドが集う! 「Leathers Day TOKYO 2026」が五反田TOCビルで9月26・27日開催!

  • 2026.08.30

雑誌『Lightning』と兄弟誌『2nd』『CLUTCH Magazine』の3誌による、レザー好きのための大規模イベント。4度目を迎える今年は、初の東京会場での開催が決定! 普段なかなか手に取って実物を見ることができないブランドや、このイベントでしか手に入らないアイテムが揃う特別な2日間。さらに...

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

Pick Up おすすめ記事

【連載】ビートルズのことを考えない日は一日もなかった

  • 2024.02.05

80年代、私的ビートルズ物語。 ビートルズ研究と収集に勤しむビートルデイズを始めて早44年(Since1980)。 なにをするにもビートルズが基準だった『昭和40年男』編集長のビートルズ史を、 当時の出来事とともに振り返ります。

記念すべき第1弾の革をモヒカン小川がプロデュース! AJLP活動報告。

  • 2026.09.01

ALL JAPAN LEATHER PRODUCT。略して「AJLP」なるビッグプロジェクトの活動報告。国産の原皮=地生(じなま)にこだわり、鞣しから縫製まですべてを日本で行う“オールジャパン”に価値を見出し、そのクオリティや魅力を伝えるべく動き出した革のプロたちのリアルドキュメンタリーである。同プ...

上海発・気鋭のアメカジブランド「REAL SIMONS」を知っているか?

  • 2026.08.30

近年アメカジが流行し、大きな発展を遂げている中国。同国で1984年に創業したレザーウエア工場の生産背景を元に2017年に始動したのが「リアル シモンズ」だ。ヴィンテージピースを現代的に再構築した高品質なプロダクトを手がける気鋭のブランドである。 元々は皆さんと同じ『Lightning』の読者だったん...

ガレージ、インテリア、リフォームまで! 趣味人のための、物件案内。

  • 2020.01.20

好きなものと暮らす、理想の城を手に入れよう。 家は、ただ暮らすためだけの場所じゃない。 どこに住むか、どんな空間にするか、そこで何を楽しむか。 ガレージハウスやアメリカンハウス、趣味部屋、インテリア、リノベーションまで、 「Lightning」ならではの視点で趣味人の理想の住まいを紹介する。

#PR

「VINTAGE PEANUTS」が約10年ぶりに復刻! 「ウエアハウス」の新作Tシャツ一挙見せ!

  • 2026.09.08

ミクロレベルまで研究し、古着と見間違うほどのプロダクツを現代に蘇らせるウエアハウス。当時の生産技術や時代背景までも丁寧に掘り下げられて完成した服は、限りなくヴィンテージに近い存在だ。そんな彼らが生み出す服こそ、オーセンティックと呼ぶにふさわしい。 装いのアクセントにユニークなTシャツを! ウエアハウ...