ハーレーに乗るオンナの理想像、峰不二子こそはその究極か。|バイカーズシネマパラダイス第20回

芸術的な価値はどうあれ、ハーレー談義のネタにあるいは物理メディアのコレクションとして、ガレージの棚の飾りか肥やしにピッタリな、そんな映画をテキトーにゴショーカイするぜ!

「ルパン三世VS複製人間」と「ルパン三世 カリオストロの城」

ひと昔、ふた昔前、アニメといえば日本国内でも多くは子供向け、あるいは一部のマニア、“オタク”という枠で語られがちなメディアであったワケだが、それが先のコロナ・パンデミック以降、サブスクリプション、ネット配信などの影響から、日本のアニメ作品はいまや世界的にシェアを伸ばしている。

『進撃の巨人』や『ヴァイオレット・エヴァー・ガーデン』『鋼の錬金術師』『デス・ノート』といった重厚かつ良質のフィクションが、低迷するハリウッド作品を尻目に新たなファン層を拡大。既に多くの視聴者がアニメを子供向けとする意識を改めつつある。

そうした中、過去の名作といわれていた作品までもが掘り返されるように視聴され、改めて今の時代に評価を高めているモノもある。

そのひとつに1970年代末に制作された劇場版『ルパン三世』シリーズがある。劇場版1作目の『ルパン三世VS複製人間』、そして宮崎駿監督による劇場版での監督デビュー作品である『カリオストロの城』は、これまでにも世界中でアニメファンのみならず、多くの映画関係者からも高い評価を得ており、40年以上も経過した今なお、新しいファンを増やし続けている。実際、ネットでは海外のファンによる解説動画も多く、そのコメント欄には日本語以外のコメントが多く見受けられる。

さて、特にアダルト向けという作風が強かった第1期のグリーンジャケット時代の記憶が強い者としては、エンディングで夕景を背後にひたすらにバイクで走る峰不二子と、そこに流れるバラードを連想する向きも多いだろうが、この峰不二子のビジュアルは、原作者のモンキー・パンチによるものというよりは、初期のTV版監督である大塚康生により改変されたイメージといえるもの。

おそらく時代的には『あの胸にもう一度』のマリアンヌ・フェイスフル辺りからインスパイアされたとおぼしき黒いレザースーツでバイクに乗る峰不二子の姿は、数十年を経た今でも多くの女性ライダーにとって憧れの姿でもある。

TV版のエンディングではおそらくイギリス車だったのだろうが、その後、1978年の劇場版『ルパンVS複製人間』ではピンクのFLHらしきバイクに乗り、1979年のルパン史上最高傑作とされる『カリオストロの城』では真っ赤なWL45に乗る姿が描かれている。以来、峰不二子にはハーレーという印象が強まったが、それと同時にその姿に憧れを抱き、『バイクに乗りたい。ハーレーに乗りたい』と思うに至った、という女性ライダーも少なくない。

まぁ俺的にはドゥカティの750SS(?)らしきものに乗ってコーナーを攻める姿も、赤いニンジャに乗る姿も素敵だったけどね。

2015年の第4期ではナックルヘッドに乗る姿もあり、これはこのシーズンの友永和秀総監督による意識的な演出だったと思われる。放映当時、さすがにこのナックルに乗る峰不二子の姿と、その凝った描き込みに思わず「おおっ!」と声を上げたもんだったっけな。

「ルパン三世VS複製人間」

制作/配給:1978年 東京ムービー新社
上映時間:102分
配給:東宝
監督:吉川惣司
製作:藤岡 豊

「ルパン三世 カリオストロの城」

制作/配給:1979年 東京ムービー新社
上映時間:100分
配給:東宝
監督:宮崎 駿
製作:藤岡 豊

(出典/「CLUB HARLEY 2026年6月号」)

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沼崎 明子
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