『ワイルド・ハイスクール』と『暴力教室』
高校生がバイクに乗るってことで考えると、かつてはマンガなんかではよくよく見た設定ではある。『750ライダー』、『ドラネコロック』、『あいつとララバイ』、『バリバリ伝説』などなど。日本のマンガコンテンツの中では、当然そこで扱われるバイクは日本車であるわけなのだけれど、ではアメリカではどうだったかってえと、そこは若干日本と状況が違い、ティーンのうちに旧い型式のバイクに乗っていた。なんて具合で、70年代に青春時代を送っていたようなヒトなら、旧いパンヘッドのチョッパーやら、アイアンのスポーツスターを安く手に入れ、それ相応にボロいのをなんとかダマシダマシ乗っていたという話も少なくない。
前号で紹介した『クライベイビー』ではジョニー・デップ演じる主人公がサイドバルブの「KH55」に乗っていたような感じだろうか。
で、今回ここに紹介する1980年の『ホッグ・ワイルド』という作品は、学園コメディという体裁ながら、ハーレーに乗った高校生バイカーが多数登場するという作品。主演は『ターミネーター』シリーズでジョン・コナーの父親役ともなるカイル・リース役を演じたマイケル・ビーンで、日本では『ワイルド・ハイスクール』という邦題こそはついているが、ビデオのみが発売され劇場未公開だった作品。
内容的にはイージーライダース誌で掲載された短編小説をもとに高校生版としたような感じで、バイカーたちの姿もノスタルジックでもあり、B級以下の映画なりに若干の違和感のある田舎臭さ、チャチさが全編にみなぎっている(笑)。
正直、これは深夜のテレ東でも放映されんわなぁって感じで、マイケル・ビーンが『ターミネーター』で名前を知られたから日本でもビデオ化されたってモンでしょう。最後はよくあるレギュレーションもルールも不明なレースでオシマイってな具合の雑なストーリー。
でも、出てくるエキストラ的なバイカーたちのマシンがなかなかに田舎臭く、泥臭くもありそこは魅力的なビジュアルと捉えられる。
対して、日本映画での学園モノでハーレーが出てくるってえと、そこはやっぱり天下の東映! デビュー当時の、まだ舘ひろしさんが在籍していたころのクールスが、バイクチーム・メンバーの“まちゃみ”こと玉川雅巳さんも交えて出演しているという1976年の『暴力教室』が真っ先に浮かぶ。
思えばこの記事を載せた本が書店に並ぶころとなると、昨年帰天した秀光さんの命日も近いころでもある。撮影が行われた当時、クールスのメンバーは多くが大学を卒業していた年ごろなわけだが、そこはトラボルタ主演の『グリース』と同様、突っ込まないのが大人の嗜みというものであるw。あ、教師役の松田優作さんといくらも歳が変わらねーぢゃんとか思いもしたけどね。ま、こちらは前出の『ホッグ・ワイルド』以上にビジュアルもストーリーもよい。一部、万力でコーラを潰す場面はイミフだったりすっけどね。まぁ見応えのある作品なんで楽しんでくれい。
『ワイルド・ハイスクール』
原題:Hog Wild
上映時間:91分
制作:1980年(アメリカ)
監督:レス・ローズ
出演:マイケル・ビーン/トニー・ロサト
後にSNLのコメディアンから俳優、アニメやビデオゲームの声優として活躍した名バイプレイヤーで知られるトニー・ロサトが悪役、バイカー軍団のリーダー的存在を演じる。背景に映るクルマやバイク、モブ達のファッションを眺め観るのも楽しい作品ではある。高校生の時、17歳で乗っていたのがパンヘッドのオールドスクールチョッパーだったなんて話って、アメリカだと意外に珍しくなかったりするんだよね。そうした点ではこれもリアリティと捉えるべきなのか?
『暴力教室』
制作/配給:東映
上映時間:85分
制作:1976年(日本)
監督:岡田明久
出演:松田優作/舘ひろし/クールス
当時、実生活ではメナーニのカスタムタンクを組んだZ2を乗っていた舘さん。劇中はバイクチームのメンバー兼マネージャーだったショボウさんのスポーツスターに乗っている。画面左側でZⅡでローリング切って並走するのがマチャミさん。こんなド迫力の怖い高校生なんてサスガにいねーわwww
(出典/「
text/T.Kurokawa 黑川銕仁
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