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新型はSE4ではなく、iPhone 16e。ギリ10万円切りで、ホームボタンなし

アップルは、iPhone 16eを発表。従来のiPhone SE(第3世代)に代わる最廉価のiPhoneとなる。価格は9万9800円〜で、2025年2月21日予約受付開始、2月28日発売。これによりiPhone SE(第3世代)は終売となり、初代から18年続いた『ホームボタン』の歴史は終わる。すべてのモデルをApple Intelligence対応を前提としたため、最廉価モデルなのに非常に高性能。ただ、ホームボタンの終焉と、価格の高さは議論を呼ぶことだろう。

Apple Intelligence対応のスペックを可能な限り安く

長らく噂されてきた、iPhone SE4に相当するモデルが発表された。

製品の基本構成としては『可能な限り安く作ったiPhone 16』というところ。チップセットは16よりGPUがひとつ少ないA18。この低価格モデルに、最新スペックのA18を積んだというところが、この製品の特徴のすべてだともいえる。これにより、「すべてのiPhoneがApple Intelligence対応になる」ここが重要なポイントだ。

Apple Intelligenceは、1世代前のiPhone 15のProモデルでぎりぎり動作するという、非常に処理能力を必要とするシステム。それを最廉価モデルで実現するというところを相当頑張ったのだろう。これより以降すべてのOSとアプリを、Apple Intelligenceの存在を前提として開発することができる。これがiPhone 16e登場の最大のポイントだ。

ディスプレイは6.1インチ、ボディはアルミ。このあたりもiPhone 16同等だ。

差がついているのは、カメラがシングルカメラであること。しかし、このカメラもシングルカメラでありながら、4800万画素のフュージョンセンサーを搭載することで、2倍望遠と、高解像度の切り替えを実現している。従来のiPhone SE(第3世代)とは比べ物にならないほどコストのかかったカメラだ。

このセンサーなら、暗い場所、コントラストの大きな場所でも、非常に美しい写真を撮ることができるだろう。

カメラコントロールボタンこそ付かなかったが、アクションボタンは使える。コネクターはUSB-Cを搭載(通信速度は480MbpsのUSB 2(いわゆる2.0))、MagSafeは搭載されておらず、非接触充電は旧来の7.5WのQi(16以上は、MagSafe 25WのQi2)。細かなところでコストダウンを図ってはいるが、可能な限り機能は削らないで頑張った仕様といえる。

初めて搭載される、アップル自社製の通信モデムC1

注目の機能といえば、ついに実現した自社製通信モデムC1チップだろう。

このiPhone 16eに関して言えば、省電力性能が非常に高まったことぐらいが採用のメリットだが、モデムを自社製としたことで、今後新機能開発の自由度が高まるのが大きなメリットだ。今後、iPhone独自の通信機能などが実現するかもしれないし、iPadへの搭載の自由度も上がるし、もしかしたらMacBookシリーズへの搭載といった可能性も開けるかもしれない。そうすれば、いちいちテザリングする必要もなくなる。

ともかく、このC1チップの搭載により、iPhone 16eはビデオ再生で最大26時間(iPhone 16が22時間)という驚異的なバッテリーライフを持つに至る。これは、iPhone 16eを購入するであろう一般的なユーザーにとっても非常に大きなメリットになるだろう。

『痛みを越えて、次世代に進む』は、受け入れられるか?

非常に、『頑張った』モデルだが、残念ながら「使い方を変えたくない人」「可能な限り安いiPhoneを買いたい人」からは、批判を受けるであろうモデルになる。そういう人達は、当然のことながらApple Intelligenceになんて興味はない。

ホームボタンはトラブルが発生する可能性の多い部品だし、Touch IDよりFace IDの方がセキュリティ的には高まるのだが、「顔を見せなきゃいけないFace IDは不便」と感じる人もいるだろう。Touch IDに慣れた人にとっては、Face IDの「ちょっとしたコツ」を習得するのも面倒だろうし。

日本は非常にiPhoneユーザーが多く、特に若年層において、「友達と同じiPhone、AirDropのできるiPhoneが欲しい」というニーズは非常に強いのだが、最廉価モデルでも約10万円となると、彼らがこのiPhone 16eを購入できるかというと不安が残る。それらのユーザーが『やむなくAndroid』を購入する可能性は少なくないだろう。USでは『599ドル〜』という価格で登場しているのだから、つくづく円安が恨めしい。

『痛みを越えて、次世代に進む』というアップルの経営判断は、吉と出るか、凶と出るか?

Apple Intelligence 4月初旬日本語対応

とはいえ、同時に日本でも4月上旬からのApple Intelligenceローンチがアナウンスされた。

Apple Intelligenceは生成AIを活用するため、各国の法規や文化に応じたチューニングが必要となる。そのため、日本でのローンチ時期にも慎重に調整が行われたと考えられる。

今のところ、あるていど限定された機能になるとは思うが、Siriも大幅に賢くなるはずだし、Visual Intelligenceなどの機能が使えるとなると、相当便利さは増しそうだ。

実際のところ使ってみると、『生成AIで賢くなったiPhone』は、すべての人にとって便利なiPhoneであるはずだ。

英語版で試してみてもApple Intelligenceの機能はまだまだ限定的だが、アップルが下位モデルも含めて『すべてのiPhoneをApple Intelligence対応にする』という判断をしたのは、それだけApple Intelligenceの機能拡大に大きな可能性を見ているということだろう。

iPhone 16e、そして、4月初旬に公開される日本語版Apple Intelligenceに大きく期待したい。

(村上タクタ)

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村上タクタ
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村上タクタ

おせっかいデジタル案内人

「ThunderVolt」編集長。IT系メディア編集歴12年。USのiPhone発表会に呼ばれる数少ない日本人プレスのひとり。趣味の雑誌ひと筋で編集し続けて30年。バイク、ラジコン飛行機、海水魚とサンゴの飼育、園芸など、作った雑誌は600冊以上。
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